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北海道周遊 2019年夏⑥ 浜小清水・知床斜里・清里町

網走からは釧網線の各駅をめぐります。

釧網線は、釧路と網走を結ぶ道東のローカル線です。沿線には、世界遺産知床や阿寒湖、釧路湿原など、観光地が多数ありますが、人口希薄地帯を走るとあって、北海道でも有数のローカル線です。本数も少なく、釧路から網走まで通して走る列車が1日5往復、その他釧路や網走から区間運転する列車が数本設定されています。

両端の網走駅と釧路駅の入場券は以前購入済なので、今回は浜小清水駅、知床斜里駅、清里町駅、摩周駅、標茶駅、釧路湿原駅の6駅を巡ります。沿線を並行して走る路線バスも少なく、今回旅程を組むのに最も苦労した区間といっても過言ではありません。

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現在時刻は11時過ぎ。釧網本線の列車に乗りたいのですが、10時24分に列車が出たところで、次は15時10分まで4時間以上列車が来ません。まずは、先ほど降りたバス停から、路線バスで浜小清水駅に向かいます。ちょうど平日のみ運行の便があって助かりました。

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釧網本線は網走駅を出て市街地を抜けると、しばらくオホーツク海に沿って走ります。国道も並走するので、路線バスの車内からも海が見えました。冬には流氷も見えるそうです。

網走駅前 11:30→(網走バス)→浜小清水駅前 12:06

79. 浜小清水駅

浜小清水表
浜小清水ウラ

発売場所 道の駅はなやか(葉菜野花)小清水(9:00~19:00/12月~3月は9:00~17:30)

小清水町の中心市街地は海から離れた内陸にあり、浜小清水駅周辺は民家もまばらです。バスは浜小清水駅から市街地に向かって走っていきました。浜小清水駅は無人駅ですが、国道沿いの道の駅に併設されています。道の駅の横にはセイコーマートもあり、多くのドライバーが休憩していました。

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ぱっと見は駅があるとは思えないつくりですが、道の駅の入り口の横から駅のホームに出ることができます。

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駅は2面2線。すぐ近くにはオホーツク海が広がります。

ちなみに、この駅では1日一度だけ19時20分に上り下りの列車が行き違うため、網走行きの列車が5分ほど停車するのですが、道の駅は20分前に閉まるので、停車時間でご当地入場券は買えません。こういうのも相まって、公共交通機関だけで途中下車するのはハードルが高くなります。流氷シーズンに運行される臨時列車を利用するのが一番現実的かもしれません。

さて、浜小清水からは隣町の知床斜里(しれとこしゃり)駅に移動します。2駅17kmほどの距離ですが、次の列車は15時38分です。もう少し早く移動できないかと調べた結果、浜小清水の一つ手前、原生花園駅の前から斜里に向かうバスを利用できそうなことに気づきました。時間もあることなので、原生花園駅まで3kmあまり歩いていくことにします。

浜小清水駅の近くには、ご当地入場券の裏面にもデザインされている涛沸(とうふつ)湖があります。ラムサール条約に登録されている湿地で、さまざまな野鳥が見られるようです。オホーツク海と涛沸湖の間には小清水原生花園が広がり、釧網本線はちょうど小清水原生花園の中を走っています。

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線路沿いの国道を歩くこと約30分、原生花園駅が見えてきました。1面のホームにログハウス風の待合室が建っています。5月~10月の間一部の列車が停車する臨時駅です。駅前にはネイチャーセンターもあり、観光拠点になっています。

駅前のバス停でバスを待ちます。女満別空港から網走、斜里を経由してウトロを結ぶ知床エアポートライナーに乗車します。観光シーズンのみの期間限定運行です。長距離バスでは途中区間で乗降に制限が加わることも多いのですが、途中区間のみの利用ができたのは非常にありがたかったです。知床斜里駅前にある斜里バスターミナルで下車します。

原生花園 14:21→(知床エアポートライナー)→斜里バスターミナル 14:52

80. 知床斜里駅

知床斜里表
知床斜里ウラ

発売場所 知床斜里駅 みどりの窓口(6:30~18:00)

知床斜里駅は斜里町の中心駅で、網走から知床斜里行きの列車も設定されています。駅名の通り、世界自然遺産に登録されている知床半島の付け根に位置し、知床観光の玄関口です。駅舎は2007年に改築され、駅舎内には町の観光センターがあります。斜里の名は、アイヌ語で斜里川下流一体を指す地名「サㇽ(葦原)」に由来します。

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かつて知床斜里駅からは根北(こんぽく)線が分岐していました。根室国厚床(あっとこ)から北見国斜里までを結ぶ計画で、1957年に当時の斜里~越川(こしかわ)が先行開業し、その後も工事が続けられましたが、沿線人口が少なく、路線バスよりも列車の速度が遅かったことなどもあり、全線開業することなく1970年にわずか13年の使命を終えました。越川から先も工事は行われており、今でも建設途中で放置された橋梁などが残っているようです。

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かつての廃線跡に思いをはせながら、次の列車に乗ります。3駅先、清里町駅に移動です。なお、知床斜里駅の2つ先にあった南斜里駅は、2021年春で廃止となりました。

知床斜里 15:57→(普通釧路行き)→清里町 16:18

81. 清里町駅

清里町表
清里町ウラ

発売場所 きよさと情報交流施設「きよーる」(9:00~18:00/10~3月は10:00~17:00)

清里町のご当地入場券は駅から20分弱歩いたところにある「きよーる」で発売されていました。「きよーる」の隣には清里町特産のジャガイモ焼酎の醸造所があります。きよーるでの購入も可能で、お土産に1本購入しました。

清里町はこれまで巡った小清水町と斜里町から分村した歴史があり、町制施行の際にそれぞれの町名から一文字ずつとって清里町となりました。駅名は、長野県にある清里駅と区別するため、清里町駅となっています。

ご当地入場券の中で清里町は公共交通機関での到達がかなり難しい駅でした。町外から走る路線バスは全廃されており、町外に出る交通機関はJR釧網線しかありません。その釧網線も1日5本、そのうちきよーるが空いている時間に走るのはわずか2、3本のみ。夕方に釧路方面行きが1時間間隔で来るので今回はそれを利用しましたが、昼間は5時間も列車が来ない時間帯もあります。

清里町からは釧網本線の列車で標茶(しべちゃ)に向かいます。ここまではオホーツク総合振興局に所属する市町村でしたが、次に通る弟子屈(てしかが)町からは釧路総合振興局に属し、文化圏の境となります。列車は弟子屈町を通って標茶町の中心駅標茶駅に到着しました。摩周駅と標茶駅の窓口は営業を終了しているため、今日は標茶で宿泊して明日釧網線の旅を再開することにします。

清里町 17:44→(普通網走行き)→標茶 18:56

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