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北海道周遊 2018年夏③ 奈井江・岩見沢・江別・夕張

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今回訪問した場所をハート、これまでに訪問した場所をスターでプロットしています。

札沼線の終点、新十津川駅には最終的に1日1往復しか列車がありませんでしたが、新十津川の手前、浦臼までは新十津川行きを含めて1日6往復が設定されていました。とはいえ、町の中心部にある浦臼駅でも廃止前の1日の利用者は10数人といったところでした。

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浦臼温泉からは、浦臼町営バスで奈井江駅に向かいます。浦臼温泉の周囲は鶴沼という沼を中心にした公園になっており、今いる浦臼温泉の最寄りのバス停は「鶴沼公園前」になります。道の駅のレストランで早めのお昼を済ませて待つこと2時間弱、バスが来ました。

鶴沼公園前 12:18→(浦臼町営バス)→奈井江駅 12:34

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路線バスといっても、車両はハイエースで10人ほどが乗れる大きさ。バスは東に進み、石狩川を渡って対岸の奈井江の市街に向かいます。浦臼から奈井江まではおよそ7kmで歩けないこともない距離ですが、バスを待っても今後の予定に大きくかかわらないため、バスを利用しました。

終点の奈井江駅で、運転席の後ろに置かれた運賃箱にお金を入れ、バスを降ります。バスを降りてからは駅ではなく、駅前の国道に出て、北に10分ほど歩きます。

9. 奈井江駅

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発売場所 奈井江駅きっぷうりば(6:30~10:30、15:40~18:10/土日祝日休業)、セイコーマート奈井江店(24時間営業)

表面は札幌と旭川を結ぶ789系特急ライラック、裏面では、にわ山森林自然公園の桜のトンネルと町内でとれるゆめぴりかがPRされています。奈井江町の名は、町内を流れる奈井江川を指すアイヌ語の「ナイェ」(その川)が由来とする説があるようですが、定説には至っていません。

奈井江駅は簡易委託駅で、駅員は配置されていない無人駅ですが、利用者の多い時間に、地元の企業の職員がJRの委託を受けて切符の販売を行っています。営業時間が限られるため、ご当地入場券は駅から歩いて10分ほどのセイコーマート奈井江店でも販売されていました。今回は窓口の営業時間外だったため、セイコーマートで購入しました。

奈井江駅が所属する函館本線は、函館から長万部、倶知安(くっちゃん)、小樽、札幌、岩見沢、滝川を経て旭川に至る長大な路線です。このうち、札幌ー旭川の区間は、都市間輸送を担うため、特急が1時間に1~2本運転されています。奈井江駅には特急は停車しないため、1時間に1本ほど普通列車のみ停車しますが、先ほどの札沼線の末端区間に比べると、かなり本数が多く見えます。

奈井江駅からは次に来た岩見沢行きの普通列車に乗車して、南下します。

奈井江 12:54→(普通岩見沢行き)→岩見沢13:24

岩見沢でも乗り換え時間にご当地入場券を購入します。

10. 岩見沢駅

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発売場所 岩見沢駅 みどりの窓口(5:30~23:35)

表面は市内を走るキハ183系特急気動車。札幌から旭川を経由して網走まで5時間以上かけて結ぶ特急オホーツクでしょうか。裏面では、バラとワインと鉄道の街が押し出されています。岩見沢市の名は、道内では珍しく和名に由来し、開拓者が休泊所で浴(ゆあみ)をして疲れを癒したことから「浴澤」(ゆあみさわ)と呼ばれるようになり、これが転訛して「岩見澤」(いわみざわ)になった、とされています。

岩見沢周辺はかつて石炭が豊富に採れたため、炭鉱と石炭を運び出す各地の港湾都市を結ぶ道内交通の要衝として栄えました。札幌まで特急で25分、普通列車でも40分あまりの距離であり、函館本線の岩見沢から札幌方面ではICカードが利用できます。岩見沢からは普通列車でさらに南下します。

岩見沢 13:35→(区間快速いしかりライナー小樽行き)→江別13:52

11. 江別駅

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発売場所 江別駅 みどりの窓口(5:30~24:00)

表面には733系電車。裏面では市内の名所がデザインされています。江別市は近年は札幌のベッドタウンとして栄えているほか、窯業の歴史があり、現在でも煉瓦の一大産地となっています。江別市の名はアイヌ語からの転訛とされていますが、「イエペッ」(膿汁の・川)など、由来には諸説あります。

札幌駅から江別駅までは列車本数も増え、特急は停車しないものの、普通列車が1時間に5本ほどが設定され、江別折り返しの列車も多くあります。

江別からは夕張に向かいます。かつて、江別駅の2つ隣、野幌(のっぽろ)駅からは夕張鉄道夕張鉄道線が分岐しており、夕張本町駅まで結んでいましたが、バス路線の発達やマイカーの普及、貨物輸送の中心だった石炭を採掘する炭鉱の閉山などから、1975年に全線廃止となりました。

現在は「夕張鉄道」という社名はそのままにバス路線を運行しています。今回は、新さっぽろ駅から江別駅前、栗山駅を経由して夕張方面に向かうバスに乗車します。駅の案内で確認すると、夕張行きは駅前のバスターミナルではなく、駅の前にある道路上のバス停に発着するようです。

江別駅前 14:16→(夕張鉄道バス)→夕張テニスコート前15:40

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バスは江別市街地を抜けると、田園風景の中の道路をひた走り、南幌(なんぽろ)町に入ります。このあたりは札幌からも直線距離で50km以内の位置にありますが、夕張鉄道線廃止後は町内を走る鉄道路線はなく、路線バスが公共交通の中心となります。

江別駅から1時間弱で栗山町の栗山駅に到着。栗山町は、北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が苗字が同じ縁から、観光大使を務めるほか町内に自宅を構えたことでも知られます。バスは数分停車し、札幌から1時間半運転してきた運転士さんもバスの外に出てしばし休憩。発車時間になるとバスは再び走り出し、道道3号線で山を越えて夕張市内に入ります。

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夕張市内を南北に走る道道38号線に突き当たると、バスは南下して新夕張駅に向かうため、交差点近くの夕張テニスコート前バス停で下車。ここから夕張駅まで、夕張支線に沿って3km弱歩いていきます。途中鹿ノ谷駅にも立ち寄りながら歩くこと30分、夕張駅に到着しました。

12. 夕張駅

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発売場所 ホテルマウントレースイ(フロント)(9:00~18:00)

表面は夕張支線を走る2両編成のキハ40系。裏面は幸福の黄色いハンカチ思い出ひろばの写真です。夕張支線の終点夕張駅は無人駅のため、夕張市のご当地入場券は駅前のホテルのフロントでの発売でした。夕張市の名は、アイヌ語の「ユーパロ」(鉱泉の湧き出るところ)に由来します。

夕張市内にはかつて多数の炭鉱が存在し、一時は10万人以上の人口を誇るなど栄えました。しかし、石炭産業の斜陽に伴って炭鉱が1990年までにすべて閉山し、深刻な財政難に陥ったことから、2007年に財政再建団体に指定されました。最盛期からの人口減少率は全国でもトップクラスで、現在は8800人と1万人を割り込んでいます。

市内には石炭輸送のため、夕張鉄道はじめ数々の鉄道が運行されていましたが、炭鉱閉山に伴って次々と廃止。最後まで残ったのがJR北海道石勝線夕張支線でした。元々札幌方面から夕張を結ぶ夕張線として開業したものの、道央と道東の連絡のために途中の新夕張駅から道東方面に新線が建設され、新夕張~夕張が支線扱いになった過去があります。利用者の減少により、夕張支線は2019年4月1日をもって廃止されました。

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入場券を購入した後は、JR夕張支線で夕張を後にします。所定では夕張駅16:31分の発車ですが、廃止前ということで利用者が増えており、折り返しに時間がかかることから、発車時刻が臨時で遅く設定されていました。途中新夕張駅で16分停車するため、ここで調整していたようです。

夕張 16:40→(普通千歳行き)→南千歳 18:22

列車は山間を走り、1時間半をかけて南千歳駅に到着しました。新夕張駅から南千歳駅までの石勝線は単線ながら、札幌と道東の帯広、釧路方面を結ぶ特急列車が頻繁に走るため、普通列車は特急の通過待ちを繰り返しながら走ります。南千歳からは新千歳空港行きの列車に乗り換えて、帰途につきました。

この旅では、道央を中心に全12駅の入場券を収集することができました。前日までの友人との旅行で、小樽駅と新冠駅の入場券も収集してはいるのですが、再訪して購入しているのでそのときに紹介します。

次の旅行は2019年の年末です。北海道に寒波がくる中、初めて道内をぐるりと1周しました。その様子はまた、次の機会に。


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