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北海道周遊 2018年冬⑩ 函館・木古内・奥津軽いまべつ

相変わらず雪は積もっていますが、朝日が差して晴れています。長万部からは特急列車に乗って函館を目指します。ホームで待っていると、雪を巻き上げて札幌方面から列車がやってきました。

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札幌と函館を結ぶ特急スーパー北斗です。札幌 6:00発にも関わらず、車内にはそれなりに乗客がいます。スーパー北斗は朝日に輝く内浦湾を横目に、函館本線を南へ快走します。長万部からおよそ1時間走ると、新函館北斗に到着するという放送と新幹線への乗り換え案内が流れます。北海道新幹線との乗換駅、新函館北斗駅に到着です。

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長万部 8:06→(特急スーパー北斗2号函館行き)→新函館北斗 9:11

スーツケースを持った観光客が多く降りて新幹線の乗り換え改札に吸い込まれていきます。9:31発のはやぶさ16号に乗り継げば、東京に14:04に到着できます。現在札幌から東京まで鉄路では約8時間を要しますが、北海道新幹線が札幌まで開業すれば約5時間程度まで短縮される予定です。

新函館北斗からは新幹線に乗り換えず、0番乗り場に停車中の列車に乗り換えます。新幹線に接続して新函館北斗から函館まで走る「はこだてライナー」です。

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北海道新幹線の終着、新函館北斗駅は函館駅から約18km離れているため、新幹線開業に合わせて新函館北斗ー函館間を電化の上、アクセス列車として「はこだてライナー」がデビューしました。途中五稜郭駅のみ停車する快速と、各駅に止まる普通列車があり、今回は快速「はこだてライナー」に乗車します。

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函館の五稜郭と函館山のロープウェイがデザインされた専用のマークも用意されています。車両は札幌近郊で用いられているものと同じ形式ですが、札幌近郊のものが萌黄色の帯なのに対し、はこだてライナー用はラベンダー色が強調されています。

3両編成の車内は乗客はまばらです。このはこだてライナーに接続するのは盛岡始発のはやて93号なので、東京からの便はまだ到着していません。

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快速はこだてライナーは新函館北斗を出ると、新幹線の高架と分かれ、函館市街に向けて走ります。「五稜郭公園にお越しの方は、終着函館から市電や路線バスをご利用ください」との放送が入りました。五稜郭駅は五稜郭公園からは少し離れており、函館から路面電車やバスに乗ったほうが楽にアクセスできます。

新函館北斗 9:18→(快速はこだてライナー函館行き)→函館 9:34

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函館に到着しました。かつて青函連絡船に接続していた関係で行き止まり式のホームになっています。函館駅は小樽、札幌を経て旭川に至る函館本線の起点駅です。

36. 函館駅

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発売場所 函館駅 みどりの窓口(5:30~22:00)

表面は、青函トンネル区間で活躍したED79機関車。青函トンネル区間を走行していた貨物列車や寝台特急などの客車列車の牽引に使用されましたが、新幹線開業に伴って引退しました。裏面では、函館の夜景をはじめ、市内の名所がデザインされています。

函館の歴史は古く、室町時代に津軽の豪族が函館山の北斜面に館を築き、形が箱に似ていたことから「箱館」と呼ばれるようになったといわれています。その後、「函館」に漢字が改められて現在に至ります。

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⑬函館駅のキハ183系入場券は快速「ミッドナイト」です。青森と札幌を結んでいた夜行急行「はまなす」を補完する形で、青春18きっぷ期間を中心に、札幌ー函館間で運転されていた臨時夜行快速です。2002年に廃止になりました。

函館からは北海道新幹線の各駅に向かいます。函館からは道南いさりび鉄道に乗車します。青春18きっぷを利用する予定ですが、もちろん単独では新幹線は利用できないので、もう1枚きっぷを購入します。

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北海道新幹線開業によって、青函トンネルを通る在来線列車はなくなりました。そのため、青春18きっぷ単体で本州から北海道に渡ることができなくなり、その救済として発売されているのがこの切符です。青春18きっぷと組み合わせることで、道南いさりび鉄道線の五稜郭ー木古内(きこない)と北海道新幹線の木古内ー奥津軽いまべつを片道一度のみ利用できます。

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道南いさりび鉄道(いさ鉄)は、北海道新幹線の開業に伴ってJRから経営分離された江差線を引き継いで誕生した第三セクター会社です。車両はJR北海道から譲り受けたキハ40系を使用しています。函館を出て五稜郭を過ぎると、JR函館本線からいさ鉄線に入り、津軽海峡を望みながら木古内に向かいます。

函館 10:40→(普通木古内行き)→木古内 11:46

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木古内に到着しました。隣には北海道新幹線の大きな駅舎が見えます。

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道南いさりび鉄道は函館ー木古内に9往復運転されています。ほかに、函館から途中上磯(かみいそ)で折り返す列車も設定されており、函館寄りでは比較的本数が多くなっています。

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ホームから階段を上がって改札を出ると、待合室には北海道の鉄道グッズが展示されています。JR時代の駅名標も残されています。木古内周辺に限らず、北海道内各地のものが展示されていました。

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木古内駅は北海道最南端の駅です。思えば2日前は日本最北端の稚内にいたわけで、少し不思議な気分になります。

次の列車まで時間があるので、木古内駅の前に作られた道の駅にあるレストランでお昼を食べます。

37. 木古内駅

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発売場所 木古内駅 みどりの窓口(6:00~22:20)

表面は木古内駅に停車する北海道新幹線H5系。裏面では木古内町の伝統行事、寒中みそぎ祭りが全面にアピールされています。毎年1月13日から15日に行われ、4人の若者が冷水をかぶるなどみそぎを行います。木古内の名は、木古内川を指すアイヌ語「リㇼオナイ」(波・入れる・川)に由来するとされています。

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⑭木古内駅のキハ183系入場券は、臨時団体列車「えさし」号です。江差線は、函館市内の五稜郭駅から木古内を経由して、日本海側の江差駅までを結ぶ路線でした。青函トンネル開業に伴って、五稜郭ー木古内間は津軽海峡線の一部として、本州と北海道をつなぐルートに組み込まれたものの、木古内ー江差間は利用が減少し、新幹線開業前の2014年に廃止となりました。「えさし」号は江差線廃止の際に、「ありがとう江差線企画」として、函館ー江差間で運行された臨時列車です。

木古内からはいよいよ北海道新幹線に乗車します。

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JR北海道のH5系車両がホームに滑り込んできました。JR東日本のE5系車両と共通設計ですが、ラインがラベンダー色になり、車内に雪の結晶をモチーフにした模様が使われるなど、北海道らしさを取り入れたデザインがなされています。

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車体には北海道に飛来するシロハヤブサと北海道を合わせた独自のマークが掲げられています。H5系は4編成しかないため、東京ー新函館北斗を走る「はやぶさ」に乗っても大半がJR東日本のE5系で運転されます。その中でも、今回乗車する「はやぶさ24号」はH5系で運転される日が多いと案内されていました。

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行先に「東京」の文字があると感慨深いものがあります。新幹線開業前は函館から青森まで2時間特急列車に乗車し、新青森で東北新幹線で東京を目指す必要がありましたが、それが乗り換えなしで4時間ほどで東京まで行けるようになったわけですから、革命的といってもいいかもしれません。

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はやぶさ24号は木古内を出ると、順調にスピードを上げていきます。車掌から青函トンネルに入ったとの案内放送が入りました。青函トンネル内は湿度が高く、トンネルに入ると窓が曇って水滴が後ろに流れていきます。日本一の海底トンネルを抜けると、奥津軽いまべつ駅に到着です。

木古内 12:57→(はやぶさ24号東京行き)→奥津軽いまべつ 13:35

38. 奥津軽いまべつ駅

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発売場所 奥津軽いまべつ駅 みどりの窓口(6:20~22:45)

表面は今別町内にある青函トンネル入口広場から撮影された北海道新幹線。まさしく、青函トンネルの本州側の入り口です。今別町は青森県ですが、町名はアイヌ語の「イマ・ペッ」(焼く川)に由来するとされています。

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奥津軽いまべつ駅はJR北海道の駅の中で唯一本州にある駅です。ホームにはそのことを意識してか、看板が掲げられています。

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奥津軽いまべつ駅に停車するのは1日上下7本ずつ。時間帯によっては3時間列車が停車しない時間帯もあります。速達便は通過してしまうため、本数はかなり少なくなっています。それでも、新幹線に乗ってしまえば、3時間半で東京に着いてしまいます。

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奥津軽いまべつ駅のある場所には、新幹線開業前、「津軽今別」という駅がありました。新幹線開業に伴って廃止となり、新幹線の奥津軽いまべつ駅が新設されたという扱いになっています。また、奥津軽いまべつ駅の横には、津軽線の津軽二股駅があり、青春18きっぷで青森方面に乗り継ぐことができます。ただ津軽線も1日5往復で新幹線との接続はよくなく、時間帯によっては数時間の待ち時間が発生します。

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駅構内にある周辺案内図ですが、駅周りには道の駅ぐらいで、他に商業施設はありません。今別町の中心からも離れており、1日の平均利用者数は28人(2018年)です。「新幹線の秘境駅」と称されることもありますが、青函トンネルの本州側入り口として、保守点検の意味でも重要な役割を担っています。



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