北海道周遊 2018年冬⑪ 新函館北斗・鹿部・大沼公園・森
奥津軽いまべつ駅からは北海道新幹線で北海道に戻ります。北海道新幹線のはやぶさ号は基本的に全車指定席ですが、北海道新幹線区間では立席特急券を購入すると、指定席券よりも安く、空いている普通車指定席を利用できます。ただ、年末の帰省ラッシュで指定席は満席のようなので、デッキで立つことにします。
奥津軽いまべつ 13:47→(はやぶさ15号新函館北斗行き)→新函館北斗 14:37
新函館北斗駅での乗り換え時間を利用してご当地入場券を購入します。
39. 新函館北斗駅
発売場所 新函館北斗駅 みどりの窓口(6:00~22:00)
表面は新函館北斗駅に入るH5系。裏面では北斗市内にあるきじひき高原のデザインです。新函館北斗駅はかつて、「渡島大野(おしまおおの)駅」と名乗っており、北海道新幹線開業後「新函館駅」に変更される予定でした。駅の所在地が北斗市だったことから、地元の要望を踏まえて現在の駅名に落ち着きました。
新函館北斗駅からは函館本線の普通列車に乗車します。函館本線の七飯(ななえ)ー森駅間は「8の字」を書いたようなルートになっています。このうち、七飯ー大沼間の駅のない新線は「藤城支線」、大沼ー鹿部ー渡島砂原(おしまさわら)ー森間は「砂原支線」と呼ばれます。
新幹線開業前は、新函館北斗駅(当時は渡島大野駅)は1日50人ほどが利用するローカル駅で、特急列車もすべて通過していました。七飯ー渡島大野ー大沼間は勾配がきつい難所だったため、勾配を緩和した新線として「藤城線」が開業し、渡島大野駅に停車しない列車はほとんどこちらを経由していました。現在は一部を除き、ほとんどの列車が新函館北斗駅経由で運転されています。
これから乗車するのは砂原支線経由の普通列車です。新函館北斗駅の電光掲示板には「元気です北海道」の文字が。新函館北斗駅の電光掲示板は、駅員さんが凝ったデザインで様々な表示をすることで有名です。季節によって、クリスマスや正月にちなんだ絵柄が出されたこともあったとか。
砂原支線は、急勾配のある大沼ー大沼公園ー駒ヶ岳ー森間のバイパスとして第二次大戦中に建設されましたが、現在は貨物列車と1日上下あわせて12本の普通列車が行きかうのみです。
新函館北斗 14:56→(普通渡島砂原経由長万部行き)→鹿部 15:56
列車は大沼駅の手前で藤城線と合流すると、大沼駅発車後に函館本線と分かれて砂原支線に入ります。定刻では15:33に鹿部駅に到着するのですが、鹿部駅手前の銚子口(ちょうしぐち)駅付近から列車は速度を落として進みます。砂原支線は融雪などの影響で線路の路盤が脆弱で、補修が追い付かないため、列車の速度を落として線路状態の悪化を抑えていたのです。
遅れは時刻表にも記載されていましたが、結局鹿部駅には通常より20分以上遅れて到着しました。鹿部駅前からはバスに乗るつもりですが、すでにバスは出ているはずの時間です。次のバスを待とうかと考えて駅を出ると、バス停にバスが止まっています。どうやら列車と接続をとっていたようで、列車からの乗り換え客が乗車すると発車しました。
鹿部駅→(函館バス)→道の駅しかべ間歇泉公園(約20分)
鹿部駅は鹿部町の中心部から約5kmほど離れているため、路線バスが駅と中心部を結んでいます。バスは町を抜け、町のはずれにある道の駅の前の停留所に到着しました。鹿部町のご当地入場券はこの道の駅で発売されています。
40. 鹿部駅
発売場所 道の駅しかべ間歇泉公園(4~9月 8:30~18:00、10~3月 9:00~17:00休業日 10~3月の第4月曜日(祝日の場合は翌々日)、年末年始(12/31~1/5))
道の駅しかべ間歇泉公園の園内には、100年以上前から噴き上げ続けている間歇泉があります。間歇泉のお湯を利用した足湯につかりながら、間歇泉を眺めることができます。
日が暮れてきましたが、次のバスは17時30分過ぎです。道の駅は17時に閉まるので、30分雪の中で待たないといけません。閉店準備をしている道の駅にいると、定員のおばさんに話しかけられました。
「次のバス待ってるのなら、もうここ閉まっちゃうから、この人にバスの営業所まで送ってもらいよ」
なんと道の駅にちょうど町の職員の方がいらっしゃっており、バスの始発である営業所まで送ってもらえるとのこと。道の駅はトイレ以外閉鎖になりますが、営業所には待合室があり、風雪はしのげるとのことで、お言葉に甘えることにしました。正直吹雪の中30分でも待たなくてよくなったのは助かります。
函館バスの鹿部出張所まで送っていただき、バスを待ちます。待合所はすごく暖かいというほどではありませんが、屋内で座っていられるだけでかなり違います。時間になると車庫からバスが出てきました。鹿部から2時間弱かけて函館駅まで走る路線バスです。
乗客は一人だけのようです。バスは鹿部の町を抜けると、真っ暗な道道を快調に走ります。途中のバス停に止まることもなく、時間通りに大沼公園バス停に到着しました。バスを降りて、大沼公園駅に向かいます。
鹿部出張所 17:32→(函館バス)→大沼公園 18:02
暗闇の中にこじんまりとしたおしゃれな駅舎が見えます。駅舎に入り、窓口に向かいます。
41. 大沼公園駅
発売場所 大沼公園駅 みどりの窓口(8:30~18:10)
大沼公園駅は七飯町(ななえちょう)のご当地入場券の発売駅です。表面は小沼のそばを走るキハ183系特急北斗。駅近くには大沼国定公園があり、観光客の利用も多く、一部を除いて特急列車も停車します。裏面は大沼やりんごの写真が鮮やかなデザインです。
⑮大沼公園駅のキハ183系入場券は、特急「大沼」号のデザインです。2015年2月に函館ー大沼公園を直通する臨時特急列車として運転されたようです。写真では北斗星の24系客車と並んでいます。
営業終了間際だったためか、駅員さんはちょうどスタンプ台のインクを変えている途中でした。手が汚れているからということで、駅員質の中に入れてもらって、自分で切符を出してくれたら日付印を押しますとのこと。ある意味自由ですが、北海道は優しい駅員さんが多い印象です。
窓口が閉まるのを見送って、ホームで普通列車を待ちます。数人の乗客を乗せて1両の気動車がやってきました。車窓からは大沼や駒ヶ岳を望めるはずですが、すでに日は暮れてあたりは真っ暗で何も見えません。
途中赤井川駅で停車しました。ここで、函館からの特急列車を通過待ちします。しかし、特急列車がやってきません。結局、列車は来ないまま時刻通りに列車は発車しました。途中の姫川信号場で札幌からの特急列車と行き違って、森駅に到着です。
大沼公園 18:13→(普通長万部行き)→森 18:53
42. 森駅
発売場所 森駅 みどりの窓口(5:00~22:00)
表面は駒ケ岳を背に走る特急北斗。森駅付近から線路は内浦湾沿いを走るため、車窓から海が望めます。裏面では、森町が箱館戦争の際に幕府軍が上陸した地であることをアピールしています。森の町名は、アイヌ語の「オニウシ」(樹木の多くあるところ)の意訳とされています。
⑯森駅のキハ183系入場券は、特急「ヌプリ」のデザインです。「ヌプリ」はアイヌ語で「山」を意味します。2012年に北海道の観光キャンペーンの一環として、札幌ー函館を山線経由の臨時特急として運転されました。その際、上下列車の行き違いが行われていたのが森駅です。
森駅の駅名標も、次駅表示が張り替えられた跡があります。森駅と駒ケ岳駅との間には、東山駅と姫川駅、石谷駅との間には桂川(かつらがわ)駅がありましたが、いずれも廃止となっています。
森駅で入場券を買った後は、特急で札幌まで戻ります。窓口で切符を購入していると、駅員さんから、札幌行きの特急は函館駅での車両故障の影響で遅れてくるとのこと。先ほど赤井川駅で普通列車を抜くはずだった特急列車が40分ほど遅れて来るようです。もうすぐ到着予定とのことで、通常はできない乗り継ぎになります。
森 18:38→(特急スーパー北斗19号札幌行き)→南千歳 21:03(約40分遅れ)
南千歳駅からはひがし北海道フリーパスの有効区間のため、南千歳駅で下車しました。後から思えば、通しで札幌まで乗れたはずですが、南千歳で快速エアポートに乗り換えです。向かいのホームでは、帯広行き最終の特急列車が接続待ちをしています。
南千歳 21:53→(快速エアポート217号石狩当別行き)→札幌 22:29
札幌に到着しました。今夜は札幌市内に宿泊し、明日新千歳から帰路につきます。
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