帰省について

こんにちは!文学部行動科学コース新2年の根本です。
帰省についてお話します!
一人暮らしはとっても楽しいです。家には自分しかいないので、何をしてもいいし、友達を呼んで夜更かしでゲーム、なんてこともできちゃいます。つまり圧倒的自由が手に入るのです!ただ、一人暮らしは大変でもあります。今までご飯を作ったり、掃除したり、洗濯したり…家事って大変で一人暮らしを始めると「家族に頼っていたばかりだったな」と気づかされます。さらに、最初は気ままで楽しかった一人もだんだんと寂しくなってきます。今までずっと一緒にいた人がいないんですから当然です。

「やっと学校が終わって夏休みだ!二か月か~、長いな~」そんなことを言いながら自宅のドアを開ける。半開きの口からでたただいまはいつものように部屋の暗闇に吸い込まれていった。電気をつけ、テレビをつける。別に見たい番組があるわけでもないが、なんとなくずっとつけておいてしまう。最初は楽しかった自炊も面倒くさくなって近頃はカップ麺ばかり食べている。引っ越しの時、お母さんに持たせてもらった炊飯器は抜かれたコンセントでぐるぐる巻きにされて窮屈そうだ。しかたない、自分の体型を犠牲にはするが、手間やコストを削減できる、言わば魔法の食べ物だ。黒魔術と言ってもいい。フタを半分まで開け、お湯を注ぐ、フタを閉じたら、おもし代わりに、地元の友達からもらったピ〇チュウのぬいぐるみをのせてしばし待機、こんなこと目をつむっていてもできるようになった。もしカップ麺の三つ星レストランがあったら、私はきっと店長になれるだろう。「そうはならんやろ」ちょうどよくテレビから売れっ子芸人の声が聞こえてくる。芸風が古臭くて私はあまり好きではないが、お父さんが気に入ってよく見ていた人だ。「ははは…」まだ少し硬めの麺をずるずるとすすりながら窓の外を眺める。私のマンションすぐそばに幼稚園があり、これくらいの時間になるとお父さんやお母さん達がお迎えに来る。案の定幼稚園前の道はかわいらしい笑い声であふれていた。今日みんなとかけっこしたんだよ。今日先生にほめられたよ。きっとそんなことを話しているのだろう。幸せに包まれ、帰っていく子供たち。そんな中、砂場で黙々と作業する男の子が目に入る。泥団子を作っていたようで、完成したものをまじまじと満足そうに見ている。男の子が自分の作品を大事に抱え、ふと顔をあげるとそこにはさっきまで一緒に遊んでいた友達がいない。振り返っても一緒で、誰もいない。夕日が男の子の背中を照らし、地面に長い影を縫い付けている。男の子は独りぼっちだった。「あ…」それは今まで抑えてきた気持ちで、一度あふれ出してしまえばこうなることはわかっていた。オレンジ色の空が滲んだ。

パチン!(指を鳴らす音)そんなときには帰省しましょう!長期休みは実家に帰るチャンス!あなたの寂しさを受け止めてくれるはずですよ。

人間は自分の欲しいと思うものを求めて世間を歩きまわり、そして家庭に帰ったときにそれを見出す。
—ジョージ・ムーア—

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