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【命と保身の天秤】消防士時代の話

「セクハラって言われたら困るからなぁ…
AEDは使えないなぁ…」

ある日救命講習で心肺蘇生法を教えていると
1人の男性がそう言った

人の命は天秤にかけて良いものではない

だがその人は命を天秤にかけ
保身を選んだ

その考えもわからなくはないが
そんなの関係なく救命活動は
するべきなのでは?と思う

なぜなら人は
心停止から5分経過
呼吸停止から10分経過
で死亡率が100%になってしまうから

数秒の判断の遅れが救える命を
見捨てることになる


目の前で人が倒れた時に行うべき確認が
簡単に2つある

①意識があるかどうか
②呼吸をしているかどうか

まず一つ目の意識があるかどうかは
倒れた人の肩を叩き反応があるかどうかだ

優しく叩いてもなので少し強くても良い

消防士は痛み刺激を与えて反応があるか
確認するがそこまではしなくて良いだろう

そこで意識がなく、全く何も反応しない
ってなれば次に呼吸の確認だ

お腹を見て動いてるかどうかを見る

動いていない
もしくはいつもと違う動き(死戦期呼吸)

死戦期呼吸とは心停止や致死的な状態にいる人が、短期間だけ自発的に呼吸を再開する現象です。 死戦期の呼吸は一般的に浅く不規則であり、呼吸回数も非常に少なくなります。 死戦期呼吸の状態は、あえぐように苦しそうな呼吸をしているように見えますが、すでに意識はなく、実際に呼吸はできていない状態。

となったときには迷わず胸骨圧迫をする
1秒に1回ぐらいのペースで
5センチの深さで胸を押す

人工呼吸に関しては出来ればやってほしいが
衛生的な問題やそもそも技術的にも難しいので
胸骨圧迫を救急隊の人が来て変わりますよって言われるまで続ければ良い

じゃあAEDはいつ??となると思うが
人が倒れた段階で救急車を呼ぶ人と
AEDを持ってくる人を指名する

AEDが到着した段階で開けば音声が
どこにどうやって貼るのかとか
全部指示してくれる

胸の位置に電極パットを貼る際に
セクハラになるのでは??となるだろう

胸元に貼る際にすこし触れてしまうのは
仕方がないと割り切れるが
わざわざ服を捲りあげて胸元を
あらわにする必要はない
服をめくりあげる必要がないのに
捲ってしまうとそれこそ
公衆の中であれば必要のない人に
見られてしまったり、そういう場では
間違いなくスマホで動画撮影する人が出るので
後々に精神的ストレスを与えてしまう

そもそも近くに女性がいるのならAEDは
その女性に任せれば良いし
いなかったら服を捲らずにAEDを貼れば良い

そうすることでセクハラだ!!
とかは言われることは
ないのではないかといつも説明している

まあそもそも人がもし目の前で倒れたら、、、
なんて考えておくことなんて普通はない

ただ、大切な人に万が一があった時には
救えるように最低限の知識は備えておいてほしい

あとは命と保身の天秤で
保身を選ぶような人が少しでも減ってくれたら
良いなと思う千葉です





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