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「社会にある根深いペインにアプローチしていた」 子育て特化のサービスを作るhomeal

こんにちは、千葉道場ファンドです。

2022年3月、千葉道場ファンドは、幼児食に特化した宅食サービス『homeal(ホーミール)』の事業展開を行なっているhomeal 株式会社(以下、homeal)に対して出資しました。

2019年の9月に創業したhomealは、同年10月のクラウドファンディングサイト「Makuake」での先行販売を皮切りに幼児食宅配サービスを展開。2020年の1月に公式オンラインストアをオープン以降、サービス開始2年足らずで販売実績42万食に達するほどの事業成長を遂げており、まさに「幼児食サービスのパイオニア」とでも言うべき企業です。

homealの強みは、幼い子どもはもちろん大人でも「美味しい!」と感じられるほど、徹底的にこだわって開発されたレシピの味。そして「子どもの食」に対して様々な悩みを持つ保護者の立場に立って考え尽くされた高い利便性にあります。他の追随を許さない徹底された「こだわり」は、自身も子を持つ親としての、鬼海さんの経験がベースとなっています。

今回は、homealの代表取締役・鬼海翔さんと、千葉道場のキャピタリストである廣田航輝が対談。前後編に分けてお送りします。前編では幼児食サービスに取り組むに至った経緯などを語っていただきました。

子どもの病気で気付いた「幼児食」の大切さ

ーーhomealのミッションと、幼児食事業の着想に至った背景や経緯について教えてください。

鬼海「homealは『幼児食の悩みをゼロに。』をブランドミッションとしています。『幼児食』というカテゴリーは認知度がまだ高くないですが、私が幼児食に取り組んでいこうと思ったのは、私自身の子育てでの経験がきっかけです」。

「というのも、私の子どもが1歳の頃に乳児湿疹に罹ってしまって。その時に、子どものために何か出来ることはないかと考えて行き着いたのが幼児食だったんです。幼児食とは、ミルクや離乳食の次の段階として1歳頃から食べる食事のことで、実は多くの保護者がこの幼児食に関して多くの悩みを抱えています。栄養バランスはとれているのか不安になったり、社会課題にもなっているワンオペ育児で料理をすることの大変さ。また、2歳頃になると子どもはイヤイヤ期に入っていくので、食べ物の好き嫌いが出てきて偏食になってしまうなど。もちろんアレルギー対策も非常に大切です」。

「そういった悩みに毎日毎食対峙していると、親は愛する子どもに対してさえ腹が立ってしまったり、自分自身が上手く出来ないことに罪悪感を覚えたりしてしまいます。幼児食というのは、実はとてもペインが強い領域なんです。一方で子ども側の目線に立つと、思っていることはかなりシンプルなんです。『ママやパパと一緒に同じものを食べたい』と純粋に思っているんです。要はまねっこが好きだから『それちょうだい』などと言ったりしてくるんですよね」。

「親御さんが抱える山積みの課題を解決しつつ、子どもの願いも叶えられるサービスを作りたい。そう思ったことが、homealで幼児食に取り組むことにした背景です。ですからhomealでは『親子で一緒に食べられる幼児食』をサービスコンセプトに事業展開しています」。

ーー「親子で一緒に食べられる幼児食」を実現するうえで、homealがこだわっている点を教えてください。

鬼海「子どもが食べても大人が食べても美味しいと、本当に思ってもらえる食事作りにこだわっています。例えばキーマカレーは辛すぎると子どもが食べられませんが、かといって甘すぎても大人はあまり好みません。あくまで幼児食と考えれば、子どもが食べられさえすれば良いとも言えますが、homealではそこを妥協せずに、子どもも大人も美味しいと思えるちょうど良い味を追求しています」。

「そのためhomealの幼児食は工場でのライン生産ではなく、1個1個がシェフの丁寧な手作りなんです。例えば『隠れ野菜たっぷりのオマール海老のビスクカレー』というメニューでは、オマール海老の頭と野菜を丁寧に炒めて煮込み、その旨味が凝縮されたブイヨンでカレーを作っています。homealの味はお客様にも評価いただいており、自分たち家族で食べる食事としての使われ方以外にも、友人やその子どもが集まるホームパーティーや、出産祝いなどの贈り物としての利用も増えている状況です」。

「それとユーザビリティにもこだわっています。親御さんの多くは共働き家庭が多く、家事や仕事に追われて時間的余裕がありません。homealではシェフがつくったその味を瞬間冷凍することで、電子レンジや湯煎で温めるだけですぐ食べられるようにしています。小分けのパックになっているので、冷凍庫のスペースもうまく活用いただけます」。

起業家を志すきっかけとなった、早稲田大学という環境

ーー鬼海さんが「起業家になろう」と思った背景や経緯について教えてください。

鬼海「私の父親は会社員から社長になった人なので、『会社経営』が割と身近な話だったことが、ひとつの刺激になっていたかもしれません。それとやはり大きいのが、在学していた早稲田大学という環境。千葉の木更津から初めて東京に出て、それも早稲田のようなマンモス校に入学したことで、本当に色々な面白い人に出会えて。それら一つ一つの出会いが刺激になり、徐々に『何かを成し遂げたい』という気持ちが形成されました」。

「早稲田を卒業後に新卒で入ったワークハピネスというベンチャー企業では、たとえば研修企画や人事制度の改定などを行なう組織人事コンサルの仕事をしていました。そこで学んだのは『人事だけを良くしても、事業活動に元気が無いと組織はうまくいかない』ということ。特に、新しい事業を作る力の重要性を感じたことで、自分でも『新規事業を作ろう』というチャレンジを始めるきっかけになりました」。

「それで約9年、ワークハピネスでは新規事業コンサルという形で仕事に取り組ませていただいて。ようやく一人前になれたかなと思ったのと、先ほどもお話したとおり子どもの幼児食に興味を持ったこともきっかけとなって、30代のチャレンジとして起業に挑戦したという経緯です」。

「homealで幼児食というプロダクトを磨きつつ、広範囲に広げていきたいなと考えています」。

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今回の対談はここまで。鬼海さんが語っていた目標を叶えるために、千葉道場とどう関わっているのでしょうか? ぜひ、後編をご覧ください!


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