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2023.12.11 北海道議会 予算特別委員会(第2分科会) 質問

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和5年12月11日、第4定例道議会の予算特別委員会(第2分科会)において、質問を行いました。


(一)小中一貫教育について

 はじめに、小中一貫教育についてであります。
 小学校と中学校の義務教育9年間を通じて、系統的・継続的な学びが可能となるよう、小中一貫教育の導入に関する学校教育法等の改正が行われ、平成28年度から全国でも順次導入されていると承知しています。
 本道における小中一貫教育の状況やこれまでの取組みなどについて、以下、伺ってまいります。

1 小中一貫教育について

 まず、小中一貫教育の制度概要、及び、小中一貫教育の意義を道教委としてどのように認識しているかについて、伺います。

答弁:髙橋 教育庁学校教育局学力向上推進課長
 制度についてでありますが、小中一貫教育は、小・中学校段階の教員が、目指す子ども像を共有し、9年間を通じた教育課程を編成して、系統的な教育を目指すものであり、平成27年度の学校教育法等の改正により義務教育学校と小中一貫型小・中学校が制度化されました。
 義務教育学校は、一人の校長の下で一つの教職員集団が、一貫した教育課程を編成・実施する9年制の学校で教育を行う形態であり、小中一貫型小・中学校は、組織上独立した小学校及び中学校が、義務教育学校に準じる形で一貫した教育を施す形態であります。
 道教委としては、小中一貫教育は、義務教育の目的や、目標に掲げる資質や能力、態度の育成に向け、小学校段階と中学校段階の円滑な接続を図り、学力・体力の向上や、いじめ・不登校の防止などの観点から成果が期待できると認識しております。

2 全国及び本道の導入状況について

 ただいまの答弁で、小中一貫教育には、二つの形態があるとのことですが、全国及び本道における義務教育学校と小中一貫型小・中学校それぞれの学校数と、導入の傾向について伺います。

答弁:髙橋 教育庁学校教育局学力向上推進課長
 学校数等についてでありますが、令和4年度の学校基本調査によると義務教育学校は、全国で172校、全道で19校が設置されており、小中一貫型小・中学校は、一つの中学校区に複数の小学校が設置されているケースも含め、小学校が全国846校、全道63校、中学校が全国505校、全道46校に導入されております。
 本道においては、制度が導入された平成28年度から本年度までの間に、義務教育学校は、2町から20市町村、小中一貫型小・中学校は、1町から27市町村と、自治体の規模にかかわらず、着実に導入が進んでおります。

3 市町村における導入の目的について

 小中一貫教育を導入している市町村では、どのような目的で導入しているのか、伺います。

答弁:髙橋 教育庁学校教育局学力向上推進課長
 導入の目的についてでありますが、道内で導入している市町村においては、義務教育9年間を見通した教育活動や小・中学校の円滑な接続を目指す取組みを通して、
・学力や体力の向上に関する取組を一層充実させること
・児童生徒が多様な教職員、児童生徒と関わる機会を増やすことで、小学生の中学校進学に対する不安を軽減すること
・中学生に小学生との触れ合いを通じて上級生である自覚をもたせて、自尊感情を高めること
・地域全体で子どもたちの9年間の学びを支えるまちづくりを推進すること
などを目的としていると承知をしております。

4 成果や課題について

 義務教育学校や小中一貫型小・中学校では、これまでの取組みを通して、どのような成果や課題がみられるのか、また、課題についてはどのように改善を図ってきているのか、伺います。

答弁:川端 教育庁学校教育局長
 成果や課題についてでありますが、道教委では、義務教育学校9校と小中一貫型小・中学校37校を小中一貫教育のモデル校に指定しておりまして、これらの学校からは、これまでの成果として、
・小・中学校の学びのつながりを実感できる授業を実施したことで、児童は中学校での学習に向けて、意欲的に取り組むようになった
・小・中学校の複数の教員が児童生徒に関わることにより、中学校進学後の生徒の不安を解消することができた
などの声が寄せられました。
 一方、課題としては、
・指導計画等の見直しを継続し、9年間を見通した指導を充実させていく必要がある
・各教科等における乗り入れ指導を継続しながら、各教科等の年間指導計画を定期的に見直す必要がある
といった小学校と中学校の指導体制や指導方法の違いから生まれる状況などがあり、こうした課題への対応として、各学校では、小中合同の研修会を実施し、協働して指導計画を改善したり、指導方法について共通理解を図ったりするなどの取組みを行っております。

5 今後の取組みについて

 小中一貫教育は、子供たちの成長を継続的に見守るなかで、道教委が進める学力・体力向上の取組みや小中のギャップによる不登校等の課題への対応にも効果が期待できると考えます。
 先ほどの答弁では、道内において、義務教育学校や小中一貫型小・中学校が、自治体の規模にかかわらず、着実に導入が進んでいるとのことでしたし、導入を検討している市町村も多いと耳にするところであり、今後も増加していくことが予想されることから、課題等を分析するとともに、成果を広く普及していくことが必要であると考えます。道教委では、今後どのような取組みを進めていくのか、伺います。

答弁:山本 教育庁学校教育監
 今後の取組みについてでありますが、道教委では、これまで、義務教育学校等を設置予定の市町村や学校を対象に、小中一貫教育の円滑な導入を支援する「学校種間連携サポート事業」を実施し、9年間を見通した教育課程の編成・実施などのモデル校の先行事例を提供するほか、義務教育学校の設置や小中一貫型小・中学校の導入予定の学校等も交えたWeb上のネットワークコミュニティを構築し、日常的に成果や課題の共有を図ってきたところであります。
 今後も、義務教育学校や小中一貫型小・中学校の設置・導入を検討している地域に対し、学校規模や施設形態などの状況に共通点が見られる地域の情報を提供するなど、市町村や学校のニーズに応じた支援の充実を図ってまいります。

(二)高等学校長の公募について

 次に、高等学校長の公募についてであります。
 道教委では、令和2年度から、学校の魅力化などに意欲とアイディアを持って取り組む者を、広く庁内から募集し、高等学校改革を進める取組みを実施してきており、令和6年度の募集からは、従来の公募校長から自己推薦校長へと名称を変更すると承知しています。昨年の第4定例道議会予算特別委員会でも、我が会派の同僚議員から取組状況について伺ったところですが、一定の成果がある一方で、課題の見られる例もあり、個別に指導するなどの対応をとってきたとのことでした。取組みがスタートして4年近くが経過した、現在の取組状況などについて、改めて伺います。

1 配置状況について

 まず、令和5年度当初における、新規を含めた公募校長の配置状況、来年度、学校指定と自由提案の区分のうち、新たな学校指定を札幌北陵高校とした理由、及び、これまでの応募状況について、併せて伺います。

答弁:立花 教育庁教職員局教職員課長
 公募校長の配置状況などについてでありますが、公募校長の選任に当たりましては、道教委が進める高校改革の方向性に沿って、あらかじめテーマと取組内容を決定し、学校を指定する「学校指定」と、応募者が自らテーマなどを決め、学校を選定する「自由提案」の2つの区分で実施しております。
 今年度の配置校は、学校指定につきましては、継続校である余市紅志高校、帯広三条高校、浦河高校、野幌高校の4校に、新規校として留萌高校と当別高校を加えた6校、自由提案については、継続校である鹿追高校、松前高校、阿寒高校の3校となっており、合わせて9名を配置しております。
 また、来年度の学校指定とした札幌北陵高校は、「みらいの教員育成プログラム」における道央圏の拠点校であり、喫緊の課題である教員志願者の早期からの育成に向けた取組を中心として、学校の魅力化を進めるために指定しております。
 なお、来年度に向けては、10月27日まで募集を行い、学校指定については3名、自由提案については2名、あわせて5名の応募がございました。

2 計画途中での配置終了について

 公募校長の配置にあたっては、計画期間を最大で5年間とし、毎年度評価をしながら配置を継続するか否かを判断するものと承知しています。昨年の質疑では、課題の見られる学校もあるとのことでしたが、これまで、計画の途中で配置を終了した例はあるか、また、あるとすれば、どのような理由で終了したのか、併せて伺います。

答弁:立花 教育庁教職員局教職員課長
 配置の途中終了についてでありますが、公募校長を配置した学校については、取組の進捗などを確認するため、中間と期末の年2回の報告を求めております。
 これまで配置してきた高校において、「地域との連携・協業による学校・地域創生」を主要なテーマとした取組みを計画していましたが、初年度の報告時から、地域との連携による取組みが計画どおり進まないなどの課題が見られた学校があり、校長自身には意欲的に取り組む姿勢は見られたものの、十分な改善が認められなかったことから、以降も成果を見込むことは難しいと判断し、計画の満了を待たず配置を終了した例がございます。

3 フォローアップについて

 ただいまの答弁で、計画の終了を待たずに配置を終了した例があるとのことでした。校長が計画に基づく取組みを進めるためには、道教委からのフォローアップも重要と考えます。配置終了の判断の前に、当該校長に対し、どのように指導や支援を行ってきたのか、また、現在配置している校長に対して、どのように対応しているのか、伺います。

答弁:立花 教育庁教職員局教職員課長
 公募校長への指導などについてでありますが、当該高校については、中間・期末報告の内容を踏まえ、教育指導監や教育局職員などが直接学校を訪問し、地元との協働体制の構築に向けた具体的な改善策を提示し、計画の見直しを求めるなど、指導や助言を継続してきたものの、十分な改善には至りませんでした。
 公募校長の配置校に対しましては、オンラインで実施する校長からの中間報告において、教育長をはじめとした本庁幹部職員が取組状況を直接評価し、助言などを行っているほか、課題の見られる学校に対しましては、道教委職員が学校を訪問し、改善点などについて指導助言を行っております。
 今年度からは、新たに、公募校長と教育指導監によるオンラインミーティングを実施し、進捗状況や課題などについて情報共有や意見交換を行いながら、適宜必要な助言を行うなど、フォローアップに努めております。

4 普及啓発について

 高校改革を進めていく上で、各公募校長が行う取組みにより得られた成果を広く普及、共有していくことも重要であると考えます。昨年の質疑では、取組みや成果についての報告会を開催するほか、校長や市町村教育委員会に対し、オンラインで実践発表を配信するとのことでしたが、その取組状況について伺います。

答弁:谷垣 教育庁教職員局長
 普及啓発の取組みについてでございますが、公募校長の取組につきましては、配置校の魅力化に資するだけではなく、特色あるそれぞれの取組が、他の学校の魅力化を進める上での優良事例にもなり得るものであり、さらに、魅力ある学校づくりに向けてリーダーシップを発揮する姿が、他の校長や管理職を目指す教員などの意識改革につながることも期待できることから、取組の成果を広く発信していくことが重要でございます。
 そのため、実施校における取組を幅広く共有できるよう中間報告会をオンラインで配信し、今年度は2日間で延べ150を超える市町村教委や学校において視聴されました。
 また、今年度からは新たに、配置校の取組みの概要や成果、課題をホームページにも掲載しており、今後も情報発信の手段や方法の工夫なども加えながら、全道において、より多くの学校の魅力と特色のある学校づくりにつながるよう努めてまいります。

5 今後の取組みについて

 ここまで、これまでの取組状況を伺ってきましたが、道教委は、これまでの成果や課題なども踏まえ、この公募校長・自己推薦校長の制度に、今後、どのように取り組み、その成果をどのように普及・共有していくのか、伺います。

答弁:倉本 教育長
 今後の取組みについてでありますが、少子高齢化や人口減少などの課題が深刻さを増す中、地域における高校への期待はこれまで以上に大きくなっており、地域に根差した魅力のある高校を目指し、学校の特色化・魅力化を一層推進していくことがますます重要であります。
 地域創生に向けた道立高校の魅力化などに意欲とアイデアをもって取り組む公募校長は、令和2年度以降、これまで11校に配置をし、一部課題は見られたものの、各学校において、地域との関わりを深めながら、生徒の自己実現に向けた学びの充実が図られるなど、着実に取組みの成果が現れております。
 道教委としては、引き続き、明確なビジョンと実行力のある校長を自己推薦校長として積極的に登用するとともに、その取組みを適切にフォローアップしながら、報告会の公開や広報媒体の活用などを通じてその成果を広く共有するなど、本道の高校教育全体の質の向上に努め、地域とつながる高校の魅力化に取り組んでまいります。 

(三)学校における働き方改革について

 次に、学校における働き方改革についてであります。
 さきの文教委員会で、「第3期学校における働き方改革北海道アクション・プラン」の素案について報告がありました。
 教員の多忙化などが問題となるなか、道教委では、学校における働き方改革に重点的に取り組んできているものと承知していますが、依然として、長時間勤務の教員が多いとの調査結果が出されています。
 新たなプランを実効あるものとしていくためには、これまでの取組みをしっかりと総括することも重要ですので、まずその点について伺います。

1 取組状況について

 現行の第2期アクション・プランでは、「在校等時間の計測」や「部活動休養日等の実施」などを重点としてきましたが、道教委では、各学校においてこうした取組みが着実に進められるよう、どのように対処してきたのか、また、各学校での取組状況はどのようになっているのか、併せて伺います。

 【答弁:中嶋 教育庁教職員局働き方改革担当課長
 働き方改革アクション・プランについてでありますが、現在の第2期アクション・プランでは、これまで学校や教員が担ってきた業務の在り方を見直し、必ずしも教員が担う必要のない業務や負担軽減が可能な業務などを明確化し、取り組みながら、「在校等時間の客観的な計測・記録と公表」や「部活動休養日等の完全実施」など、6つの取組みを重点に、各学校における働き方改革を推進してきています。
 道教委としては、取組みの定着を図るため、学校経営訪問などにおける取組状況の把握や助言、市町村教育長会議や校長会議など各種会議を通じた取組みの徹底に加え、定期的に全道的な取組状況を把握し、課題が見られる学校には、個別に学校訪問を行い指導助言を行うなど各学校への働きかけを強化してきました。
 こうした取組みを通じ、昨年度の時点で、重点に掲げた取組みの指標のうち、「在校等時間の客観的な計測・ 記録と公表」の実施率は85%に止まっているものの、 他の5つの取組は全て90%を上回っています。

2 教員の勤務実態について

 第2期アクション・プランの期間において、教員の勤務実態はどのように変化してきたのか、及び、病気休職者の実態について、併せて伺います。

 【答弁:中嶋 教育庁教職員局働き方改革担当課長
 教員の勤務実態についてでありますが、道立高校における教育職員の月毎の時間外在校等時間について、 現行のアクション・プランの策定年である令和2年度と昨年度を比較すると、令和4年度の実績が2年度を上回る月も見られるものの、多くの月で時間外在校等時間が減少しており、職種別では、時間外在校等時間が月45時間を超える教育職員の割合は、平均で、校長については、令和2年度は6.5%であるのに対し、4年度は6.6%、副校長・教頭については、56.9%に対し、51.5%、主幹教諭・教諭については、37.2%に対し、32.9%となっています。
 また、道立高校における教育職員の休職者の人数は、 令和2年度は61人に対し、4年度は57人となっています。

3 取組みの成果と課題について

 ここまで取組状況と教員の勤務実態について伺いましたが、この結果を、道教委としてどのように受け止めているのか、伺います。

答弁:谷垣 教育庁教職員局長
 取組みの成果などについてでありますが、第2期アクション・プランに掲げる各般の取組みにつきましては、重点的な取組を中心に、着実に浸透してきており、このことは、各学校において働き方改革に対する意識が高まり、長時間勤務の改善に向けた取組みが積極的に進められてきたことの現れと考えております。
 一方で、教員の勤務実態につきましては、改善の傾向は見られるものの、依然として長時間勤務となって いる教員が多い状況が続いており、これまでの取組みが、 必ずしも教員一人一人の働き方を大きく変えるまでに至っていないものと受け止めております。
 こうした状況を踏まえ、働き方改革の実効性を高めていくためには、学校行事や各種会議の簡素化や統合、 廃止のほか、調査や文書に関わる業務の見直しなど、 学校や教員の実情に即した業務の見直しをさらに進めていく必要があると考えております。

4 新プラン策定の考え方と重点的取組みについて

 さきの我が会派の代表格質問に対し、新たなアクション・プランの策定に当たっては、副校長・教頭業務の縮減や、保護者・地域等との連携協働の推進などを重点とする旨の答弁がありましたので、以下、重点とする取組みについて伺います。

(1)   ICTの活用について

 新たなアクション・プランの重点的取組みとして、ICTの活用による校務効率化の推進を挙げています。多岐にわたる学校業務について、更なる効率化が求められているところですが、今後、どのように取り組んでいくのか、伺います。

答弁:中嶋 教育庁教職員局働き方改革担当課長
 ICTの活用による校務の効率化についてでありますが、ICTは、子どもたちの学びの充実だけではなく、 校務の効率化においても基盤となるツールであり、各学校が実情に応じて、学籍管理や成績処理のデジタル化に加え、会議資料のペーパーレス化やスケジュール管理のオンライン化、学校と保護者間の連絡手段のデジタル化などを進め、校務の負担軽減を図ることが必要です。
 そのため、道教委としては、各学校におけるICTの活用が円滑に進められるよう、様々な課題に随時対応することのできる支援体制を構築するとともに、市町村により校務支援システムが異なることで生じる、教員の人事異動に伴う業務負担が軽減されるよう、いずれの市町村でも利用可能なシステムの導入促進を図るなど、ICTを積極的に活用した校務の効率化を一層推進してまいります。

(2)   保護者・地域との連携協働について

 次に、重点的取組みとして挙げられている、保護者・地域等との連携協働について、どのように取り組んで行くのか、伺います。

答弁:中嶋 教育庁教職員局働き方改革担当課長
 地域等との連携協働についてでありますが、働き方改革を着実に進めていくためには、学校・家庭・地域の信頼関係の構築が重要であり、各学校においては、学校運営協議会などにおいて、保護者や地域の方々との対話を重ねながら、日頃から情報共有に努め、お互いが尊重し合う関係を築いた上で、適切な役割分担を進めていくことが大切です。
 あわせて、道教委としては、各学校のこうした取組の支援を図るとともに、広く道民に対し、学校の実情について理解をいただき、各学校の教育活動に協力いただけるよう、働き方改革の趣旨や取組事例などを掲載した広報資料を定期的に届けるなど、これまで以上に積極的な情報提供を進めてまいります。

(3) 副校長・教頭業務の縮減について

 次に、依然として他職種よりも在校等時間が長い、副校長・教頭業務の縮減について、今後どのように取り組んで行くのか、伺います。

答弁:谷垣 教育庁教職員局長
 副校長・教頭の業務縮減についてでありますが、副校長・教頭は、各種調査への対応や学校内外の調整などにより、特に多忙となっており、道教委では、これまでも調査業務の見直しを進め、平成29年度以降、調査件数の約25%程度の縮減を図ってまいりましたが、 さらにその必要性や手法の妥当性を検討した上で、廃止を含めた見直しや簡素化を改めて進めるとともに、 校長会や教頭会はもとより、管理職をはじめとした現場の教職員の意見も聴きながら、学校の事情に即した業務の見直しを徹底することとしております。
 さらに、教頭等が自ら業務の改善や効率化に取り組むことができるよう、リスクマネジメントやいじめ問題への対応のポイント、職員の服務、勤務時間の管理など、教頭等が担う業務に関する研修資料について、 よりわかりやすく実践事例を示すなど、その内容を充実するとともに、学校訪問により直接助言を行うなど、 副校長・教頭の支援に努めてまいります。

(4) 働き方改革の意識を高める取組みについて

 次に、働き方改革の意識を高める取組みを重点としていますが、どのように取り組んで行くのか、伺います。

答弁:北村 教育庁教育部長
 働き方改革の意識を高めるための取組みについてでありますが、働き方改革を進めていくためには、職員一人一人がその意義を理解し、自らの働き方について考えていくことが大切です。
 そのため、新たなアクション・プランでは、「働き方の意識を高める取組の推進」を新たに重点といたし まして、長時間勤務が顕著な職員には、当該職員の業務全体を把握し、業務の割振の見直しなどを行うほか、 面談を通じて、改めて働き方改革の意義についての理解を促し、自らの働き方を見つめ直す機会を設けた上で、個別の改善計画を作成することとするなど、働き方への意識付けを促す取組みを進めることとしております。
 また、意識を高めていく上では、変化を実感できる改革を進めることも大切であり、今後、現場の教職員などからのアイデアバンクを通じた意見募集や、教職員との直接の意見交換などを通じて、教員が当事者意識を持っていただきながら、実効性のある業務の見直しなどを徹底していくとともに、ストレスチェックなどを活用し、意識の変化を的確に把握するなど、学校の実情や職員一人一人の実態に即した効果的な働き方改革を進めてまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 ただいまの答弁で、アイディア・バンクのお話もございました。これは道教委のウェブサイトでも一部確認ができますが、現場ならではの視点、アイディアがたくさんあり、素晴らしい取組みだと思います。こうした取組みの周知・共有を図り、実際に参画してもらうことで、教員の皆さん一人ひとりが、働き方改革の担い手・当事者であるという意識が高まると思いますし、道教委としても、そうしたアイディアの実現に向けて力を尽くすことで、変化を実感できる改革につながるだろうと思います。

(5) 今後の取組みについて

 ここまで、これまでの取組みも含めて学校における働き方改革について伺ってきましたが、学校の業務が複雑化、困難化していると言われる中、働き方改革を着実に進めるためには、業務の抜本的な見直しはもとより、教員だけではなく、学校に関わる者全てが意識を変えていくことも必要です。
 改めて、学校における働き方改革の意義についての道教委の認識、及び、この取組みを着実に進めるため、今後、道教委として、どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。

答弁:倉本 教育長
 働き方改革に関して今後の取組みについてでありますが、教員のこれまでの働き方を見直し、子どもたちと向き合う時間や自らの学びを深める時間を確保することは、「質の高い学び」の実現につながるものであり、 教育に関わる者全てが一体となって、課題に対応していくことが重要との認識の下、新たなアクション・プランの素案では、保護者の皆様や地域の方々との連携協働の推進などを重点に、教員一人一人が変化を実感できる働き方改革を目指すこととしております。
 今後、アクション・プランの成案に向けまして、パブリックコメントに加え、校長会や市町村教育委員会、 PTAなどの関係団体のほか、市長会・町村長会や経済団体なども含めて、幅広く各層の御意見を伺いながら、より実効性のあるプランとなるよう検討を進めてまいります。
 さらに、働き方改革の実現に向け、現場の教職員や市町村教育委員会職員などとの対話を重ねるとともに、学校運営協議会における議論などを通じて、学校と保護者の皆様や地域の方々との関わりを深めるなど、社会全体で認識の共有を図りながら、新たな働き方改革アクション・プランに基づく取組みを着実に進めてまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 ただいま教育長の答弁の中で、「教員自らの学びを深める時間」という言葉がございました。
 もちろん、英気を養い、教員自身の心身の健康を保つということも重要な点ですが、教員自身が、学校の外でのさまざまな活動を通じて、自ら見聞を広め、人間力を高める、それを児童生徒に還元していくという点に、私は、働き方改革の積極的意義があると考えます。こうした意義を教員の皆さんに理解をしていただくことが重要であります。
 学校における働き方改革は、教育分野における最重要課題のひとつでありますので、様々な困難もあろうかと思いますが、着実に進めていただくようお願いして、私からの質問を終わります。(了)


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