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MICE誘致について(2024.9.9 北海道議会 食と観光調査委員会 質問)

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和6年9月9日の食と観光調査特別委員会において、質問を行いました。


一 MICE誘致について
 MICE誘致について、数点伺います。
 この点については、先の定例道議会予算特別委員会で、わが会派同僚議員からも質問したところですが、わたくしは、本年8月、アメリカ・フロリダ州・オーランド市やフォートローダーデール市のMICE施設等を視察し、いろいろと思うところがございますので、改めて質問するものであります。
 
(一) MICE誘致を行う意義、課題について
 まず、MICE誘致を行う意義、課題についてであります。
 さまざまな調査研究のバラツキはございますが、MICEの世界市場規模は、2023年で、およそ8,500億ドル~1兆ドル前後と推計されています。アドベンチャートラベルの世界市場規模が、およそ3,500億ドル~5,000億ドル前後と推計されておりますので、いかに大きい市場規模かということがわかります。
 わたくしは、これまで以上にMICE誘致を推進していくべきだと考えますが、道としてMICE誘致を行う意義をどのように認識しているか伺うとともに、MICE誘致を進める上で、どのような課題があるのか伺います。

【答弁:佐藤 経済部観光局国際戦略担当課長】
  MICE誘致を行う意義・課題についてでありますが、MICEは、会議の開催、宿泊、飲食、観光など、経済活動の裾野が広く、滞在期間も比較的長いため、地域へのより大きな経済効果が期待され、また、特定の季節に限定されることなく開催されることから、本道観光の課題でもある季節偏在の解消にも資するものと考えております。
 さらに、MICEの開催は、人や情報の交流・流通、ネットワーク構築などによる新たなビジネス機会や、イノベーションの創出などの機会になるとともに、周辺を含めました開催地域の競争力やブランド力向上に貢献するなど幅広い効果が期待されます。
 一方で、国際会議統計の最新のデータである令和4年の集計結果によりますと、道内の国際会議の開催件数は23件と、全国553件の4.2%に留まり、またその全てが道央圏での開催となっており、他都府県との競争や、開催地の全道域への展開が課題であると認識しております。

(指摘:千葉 真裕)
 ただ今、MICE誘致の意義について、従来の答弁に加え、「季節偏在の解消にも資する」ということに触れられました。観光産業の弱点である、オン・オフシーズンの格差を是正するものとして、MICE誘致が有効であるという点は大変重要な視点であります。また、その認識からすれば、道が行うMICE誘致は、オン・オフシーズン格差を是正するような規模を目指さなければならない、そうすると、課題についても、従来とは異なる視点からの課題が出てくると思いますので、そのあたりも整理していただくよう指摘いたします。


(二)MICE誘致に係る人材育成について
 次に、MICE誘致に係る人材育成についてであります。
 先般、私が視察してきたオーランドのDMOでは、様々な資格を有するプロフェッショナルが職員となっていますが、それらの資格のなかで、CMPという資格があります。これは、MICE業界における国際認証の一つで、世界最大のMICE産業団体が認証するミーティングプランナーの国際資格であります。資格取得には、基本的に3年以上の実務経験と教育プログラムの受講を経たうえで、試験に合格する必要があります。
 海外では、こうした国際資格を有するミーティングプランナーが開催地の決定を含む強い権限と責任をもって、MICEの計画から開催に至るまでの管理を行っていくわけです。
 わたくしは、道あるいは広域DMOである北海道観光機構が、率先して、こうした世界水準のミーティングプランナーと渡り合えるプロフェッショナル人材を育成・確保し、道内各地のコンベンションビューローの頼もしい相談相手となっていくことが重要と考えますが、MICE誘致に係る人材育成について、道ではどのような取組みを行っているのか伺います。

【答弁:佐藤 経済部観光局国際戦略担当課長】
 MICE誘致に係る人材育成についてでありますが、本道に国際会議などのコンベンションの誘致を目指す場合、競合する国や都市の分析、効果的な開催提案書の作成や要請活動の実施など、専門的な知識を有した人材が重要であると認識しております。
 一方で、道内の各地域において、ターゲットとするMICEの種類は様々であり、MICEの誘致は、各地域の市町村やコンベンションビューロー等が中心となることから、地域の実情を理解したMICE誘致の人材育成を行っていくことが重要と考えております。
 このことから、道としましては国が行っている国際会議誘致に向けた研修やコンサルティングなどの施策の活用を市町村へ促していきますとともに、北海道観光機構と連携しまして、道内市町村のニーズや誘致の課題を踏まえた上で、MICEに係る専門家やバイヤーを道内各地に派遣し、各地域ごとに受入環境の向上など必要な助言を行い、関係者のノウハウの習得など相談に取り組んでいるところであり、今後とも、MICE誘致に必要な人材の育成を図ってまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 世界水準を意識した人材の育成、確保を行っていただくよう、強く指摘いたします。 


(三)MICE誘致に向けた道の取組みについて
 次に、MICE誘致に向けた道の取組みについてであります。
 道内にもMICE施設が点在しており、札幌市でもMICE施設の整備が計画・検討されているところですが、こうした各地のMICE施設を活用し、本道へのMICE誘致を進めて行くためには、道が積極的に支援していくことが必要と考えます。道では、各地のMICE施設の活用、本道へのMICE誘致の推進に向けて、どのような取組みを行っているのか、また、今後の取組みの方向についても伺います。

【答弁:上野 経済部観光局観光事業担当局長】
 MICE誘致に向けた道の取組についてでございますが、MICE誘致を全道的に展開し、その効果を広く波及させていくためには、各地域が有するMICE施設を活用し、施設の特徴や強みに加え、施設周辺の宿泊施設、ユニークベニュー、アクティビティーや支援メニューなど、道内各地域のMICE環境を国内外の幅広い関係者に知っていただくことが重要であると考えております。
 このことから、道では、北海道MICE誘致推進協議会の枠組みの下で、道内関係自治体やコンベンションビューローなどと連携をいたしまして、旅行代理店や会議主催者など外部からの問い合わせや照会に対しまして、ワンストップで情報提供を行うとともに、商談会の開催や国際MICE博覧会への出展を行いまして、道内各地域のMICE施設や周辺環境の魅力などについて総合的な情報発信を行ってきたところでありまして、今後とも、各地域の関係者と一体となって、本道へのMICE誘致に取り組んでまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 ただ今の答弁では、情報提供や情報発信に注力しているということでしたが、今般の視察で強く感じたことは、単にコンベンションセンターがある、ホテルがあるということだけではダメで、その周辺にエンターテイメント施設等の整備をし、MICE参加者に「消費の場」を提供しなければ、大きな経済効果にはつながらないということであります。
 国策とつながる部分もありますので、そうした「面的整備」についても、道として、主体的・積極的な役割を果たしていただくよう強く指摘して、今回のわたくしの質問を終わります。(了)

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