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丹下健三展覧会@近現代建築資料館(湯島)

秋のくぐもった空の下、話題の丹下健三先生展覧会におもむきました。


展覧会「丹下健三 1938-1970 戦前からオリンピック・万博まで」
国立近現代建築資料館(湯島)
2021年7月21日〜10月10日

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多くの場合、「建築展」というのは、基本的には「建築資料の展覧会」となるのでしょうが。
この図面たちに、丹下先生ご本人が、手ずから触れたであろう瞬間を想像すると、キャ〜〜〜っと身悶えする建築ファンのかたもいらっしゃるかもしれないですね。
そうでなくとも、端がほころび黄ばんだ設計図、印刷の膨らんだ青焼き図面など、数十年の時間と空間の蓄積を物理的に背負った歴史的な資料は、情報以上の情報を伝えてくれるので、なかなかに貴重だし、愛着のようなものを感じさせられます。やっぱり建築も図面もナマモノなんだなあ、と思わせられた展覧会でした。


ちなみに、a+u2019年9月号が、丹下健三アーカイヴの特集号ですが、今回の展覧会と合わせて読むと、なかなか面白いかなと思います。

https://japan-architect.co.jp/shop/architecture-and-urbanism/au-201910/

2011年に、ハーヴァード大学デザイン大学院(GSD)のフランシス・ローブ図書館に、丹下健三先生の20,000点を超える原図と複製写真などの設計資料が寄付されました。

この号で、ちょうど翻訳させていただいたのが、アーカイブ・デジタル化の際に実際に修復実務を担った修復官の先生がたによるエッセイでした。これがなかなかハラハラドキドキな文章でした。脆弱化した資料を生き返らせて、恒久的かつ一般に開かれたデジタル資料にする過程は、表にでないからこそ、ミュージアムや学芸スタッフの技術力や底力を感じさせられる、歴史的にも、貴重な記録・証言です。

展覧会の帰りは、思い出の地・湯島めぐり。名店・天庄でランチ天丼を食べ、天神様にお参りし、大満足の湯島の旅でした。

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