見出し画像

私にとっての「はたらくこと」

今まで生きてきた中で振り返ると「はたらくこと」を初めて考えたのは小学校4年生くらいのことだったと思う。

小学生が触れることのできる職業というと、親の仕事、学校の先生、塾や習い事の先生くらいだったと思う。

私の父は所謂、「24時間戦えますか世代会社員」だった。朝早く家を出て夜遅くまで働いていた。父の頑張りもあり、一般的な家庭の中では恵まれた環境で育ったと思っていて私が興味を持ったことややりたいと思ったことは色々なことにチャレンジさせてくれました。

私の母は、当時(20世紀末)としては画期的で、在宅勤務形態のパートタイム的な仕事で働いていました。専業主婦のように外様からは見えていたけれども、働いていたそんな感じだったと思います。

子供の頃から「あなたが大人になる頃には女性でも名刺を持つ仕事に就くようになるよ。」と言われて育ちました。しかし、当時周りにフルタイムで働いている女性は本当に少なくて、しいて言うと病院の看護師さんや薬局の薬剤師さんくらいしか見当たりませんでした。後は学校の先生くらい。(東京だったら違ったかもしれませんが)

薬局の薬剤師さんが年齢が上の方や女性の方も多く、長く女性が活躍できる仕事なのではと子供心的に思ったのと、祖母が親戚(母のいとこだったと思います)で薬剤師の方がいて、女性だけど優秀な子だったと聞いていたので、深層心理でなんとなくいいなと思った。

女性が活躍できる職場で長く働きたい

そんな感じだったと思います。小学生ながら世の中で外で働いているのは男性が圧倒的に主流であると当時は感じていたのでしょう。

次に、「はたらくこと」を意識したのは中学生の時だったと思います。義務教育は中学で終わるわけです。

私の通っていたのは地元のごく普通の公立中学校でしたが、学区内に2歳から18歳までの、いろいろな事情により家庭で育つことのできない子供たちが暮らしている福祉施設があり、その子達も同じ中学校に通っていました。その為、高校に進学しない生徒や定時制高校・通信制高校を志望する子が一定数周りにはいて、もしかすると、「はたらくこと」について全員が全日制普通科の高校に進学する環境にいる中学校に通っていた方と比べると、考える場面があったのかもしれません。

当時私は、放送委員会を務めており、マイクを調整したり人前で話したりすることが好きでした。その為、中学校の職業訓練体験では地元のケーブルテレビ局を選び、1日体験で学ばせていただきました。

中学生の段階で、「自分の好きなこと、興味があることで働きたい」そう思うようになりました。

高校生の時は、正直「はたらくこと」と切り離して勉学に励んでいたと思います。

高校生からアルバイトをする人も多いかと思います。私もアルバイトは夏休みだけ高校のそばの県営のプールの売店でアルバイトをしていました。アルバイトが楽しくて仕方ないという人もいましたが、私はその時に「定期券を持っていて交通費が浮くから」という理由や「夏休みしかバイトできないから期間限定で高校生も採用してくれるところで」という条件に絞り込んで選んだアルバイト先でした。そんな理由でそのバイト先を選んでいたので、正直あまり楽しくなかったです。もちろん、働いた対価としてお金をもらえるというのを初めて経験したのはこの時なのですが。

ここで、学んだことは「はたらくことでお金を得ることはとても大事なことだけれど、お金を得るだけでは何か物足りない」ということでした。

高校受験に失敗してしまった失敗体験を塗り替えるために、大学は自分が行きたい場所にいけるように努力をする。そう考えた結果、どこか「はたらくこと」と切り離して考えていて、少しでも学力の高い大学に進学することがメインになっていたかもしれません。

しかし、そんな中で「自分の人生を変えてくれたといっても過言ではない高校の先生のようになりたい」という気持ちから、高等学校の教員免許を取得できる大学を選びます。

そして大学生の時、自分の性格面からの適性を目の当たりにします

大学生の時のアルバイトは、教職員を目指していたので家庭教師をしていました。塾講師の採用試験を受けたのですが、「見た目が派手で保護者受けが悪そう」そんな理由ですべて不採用でした。

今となっては見た目で適性を判断するのはどうなのか?そう思っていますが、当時はまだまだそういう時代で今もまだ根深くこの日本では残っていると思います。

家庭教師としては評判良かったんですけれどね。

塾講師のアルバイト不採用の出来事や、教職課程の学びの中で、憧れていた高校の教員としてはたらくことは私に本当にマッチしているのであろうかと自問自答をする機会が多々ありました。

その結果、大学を卒業した新卒の時は違う業界に就職をすることを決めます。

新卒の時は製薬会社のMRとして「はたらくこと」を始めました。子供の頃関心が深かった薬剤師と近い仕事に知らない間に就いていました。そして、小学生の頃両親に言われていた「名刺を持つ仕事」に就くことになりました。

この時のわたしにとっての「はたらくこと」は、人々の健康に医療従事者ではないものの間接的に携わることができ、自社の利益を営業として支えながらも貢献している、医師と対等に疾患や薬について会話ができること、それが自分にとっての「誇り」であり「自信」でした。

「はたらくこと」を考えてではなく、自分自身の今後の生き方・在り方を考えた上で当時の会社で勤めることにズレがでてきたことがきっかけでMRを退職します。2014年のことです。

この仕事を離れた後の6年間が私にとって「はたらくってなんだろう」と真剣に向き合った時期だと思っています。

通常、次にやりたいことを決めて辞める人が多い世の中だと思いますが私はそれが見つけられずに離職しました。その会社で働く以外の働き方が何も思いつかなかった。しかし、「ライフ」「生き方」を考えたときにビジョンがズレてきているのを感じて辞めたそんな感じでした。

離職して3カ月程立った時に貯金がどんどん減っていく恐怖から大学生の時に取得していた教員免許を活かして働こうと「資格を活かしてはたらく」ことを思いつきます。しかし自分のやりたいことと両立させながら、かつ紙切れ同然だったペーパー教員ですので最初は非常勤講師からスタートしました。

教職員の仕事はもともと自分が憧れていたこともありとても楽しかったです。その中で色々な生徒との出会いの中で進路指導をするという業務にやりがいを見出します。

「はたらくこと」の中で自分がワクワクするということを初めて実感したのがこの頃でした。製薬会社のMRとして働いていた時は誇りに思っていたりやりがいは感じていたのですが、「ワクワクする」という場面は私にはあまりありませんでした。

ちょうどそのころ、学校で進路アドバイザー検定試験の受験が推奨され私は受験を決めました。その勉強自体が「ワクワク」しました。勉強は嫌いな方ではなかったものの、「ワクワクする勉強」の経験はあまりありませんでした。大学受験の時も「人が苦手な勉強が自分は割と得意だってことは得意なんかなぁ」くらいにしか考えていませんでした。

思い起こすと、大学生の時に同じ学科で上位の成績の子は試験の過去問を見ると「これは面白い問題だね!」と言っていました。私はその問題を面白いと思ったことは一度もありませんでしたが・・・。

進路アドバイザー検定の取得後、勤務する高校を変え、より規模の大きい業務に携われる学校に移ります。

時を同じくしてネットの広告に「国家資格キャリアコンサルタント」の養成講座に関するお知らせが私の目に飛び込む機会が増えます。ちょうどその頃国家資格化がきまり、まもなく第1回目の国家試験が行われる頃だったからです。お金はかかりますが、説明会に参加し「ワクワクする勉強」なのではないかという思いの元その門戸を叩きました。

2017年1月に国家資格キャリアコンサルタントを取得し、そこから自分の人生が変化していきます。

2つめの勤務先の学校で常勤講師として働いている中でとても楽しく過ごしていましたが、教員の世界では社会人を経験した後に入職した人の同世代の先生達との格差が埋まらない、そのことからその後のキャリアに不安を感じていた頃でした。

もう二度と会社員には戻るまいと思っていた私でしたが、この資格を活かして働ける環境を探し求めることになります。その後、2018年から縁があって今の勤め先である人材業界に入社することになります。

今、大切にしていることは変わらず「ワクワクすること」です。もちろん働くことで得られる対価を得ること。これはとても大切なことなのですが、それだけではなく、「はたらくこと」が理想です。

もう一つ私に影響を与えた言葉があります。

「ライスワーク」(rice work) と「ライフワーク」(Life work)です。

ライスワークは、ご飯を食べるためにお金を得るために働くこと。
ライフワークは、夢や自分の好きなことを追い求めながら働くこと。

これまでこのバランスが崩れてしまい収入が下がり、結果として自分の好きなことにかけるお金を捻出できなくなってしまった経験もあります。このバランスは人それぞれの生き方・価値観によると思いますが、お金を稼ぐため・ご飯を食べるためだけに働くことはモチベーションを維持し良いパフォーマンスを発揮することも難しいかと思います。

私にとって「はたらくこと」とは、自分が能力をしっかりと発揮できる場面で、様々なアイディアを駆使しながらワクワクできる環境で働くこと。自分の好きなことと両立しながらバランスを保ちつつ生産性を確保しながら働けることです。

ここまでお付き合いいただきましてありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?