橋本選手金メダル

「チャンピオンは、ここで涙を流したら、それ以上は進めないから、前だけ向いて行きます。」

思わず書き留めたくなった言葉は、オリンピックで、体操個人で金メダルをとった橋本選手の言葉だ。
金メダルを取ったばかりのアフターインタビューで、若干19歳の青年は、涙なく、喜びも奥歯で噛み締めているのか、落ち着いた口調で、語っている。見ているこちらの目頭が熱くなった。
何というメンタル。
そして、謙虚さ。
次を見つめる眼差し。

全てがわたしの心を打った。

「積み重ねてきた重みを金メダルに感じます。」
たった19年しか生きていない彼が、どれだけ、体操という競技に、魂を、身体を、時間を注ぎ込んできたことか。

そして、これからまだまだ活躍する彼には、たくさんの時間がある。けれど、このたくさんの時間を体操に、そして、次の勝利のために、毎日積み重ねていくのかと思うと、少し気が遠くなる。

本人は、そんな風には思わないのかもしれないが、勝利というゴールの瞬間から、次の勝利に向かう道は、スタートになるのだから。
尊敬という言葉が陳腐なくらいだけれど、本当に心の底から、尊敬し、賞賛している自分がいる。

次回彼が、表彰台に立つのを見ることが、今日からわたしの一つの楽しみになった。

ありがとうございます。