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救急患者対応戦記4

救急にはたまに精神科の方もやってきます
医療者の一言が命取りになることも

救急室担当ちあきです

精神科って聞くとどのようなイメージを持たれますか?
怖い?
危ない?

私も専門ではないのですが
とても素直で誠実なイメージがあります。

以前、夜間の救急で精神科のかたが定期的に内服されている眠剤がなくなってしまい、「悪魔に襲われるから数日間寝れてないので助けて欲しい」と訴えられました。

その日金曜の夜で次回の一般外来は早くて月曜日でしたのでその時当直の医師はもともと処方されていた内服を3日分渡し

「これので月曜に受診来てね」

と伝えました。

適当な先生では合ったんですが
二次救急の先生が適当になってしまう理由はこの記事をご覧ください

まあその患者さんは処方持って帰宅となったんですが
1時間後救急車から受けいれ要請の電話が

さっき処方を持って帰ったあの精神科の方

聞くところによると駅で昏睡状態で倒れているところ通りすがり方が救急要請してくださったそうです。

うちの病院の薬袋を持っていたので救急隊員さんは電話してくださったのですが薬袋の中は空っぽ

とりあえず搬送していただきました

処方した薬家まで待たずもらってすぐに全部飲んじゃったみたいです
精神科の方は、もともと眠剤の処方量が多いことがあるのですがこの方も少なくはなかったようです。
加えて数日寝ていなかったせいか家に辿り着かず路上で爆睡
致死量ではなかったのでただただ爆睡

とりあえず朝まで救急室で寝てもらい
失礼のない時間に電話で精神科の先生に相談することとなりました

すると精神科の先生からのアドバイスと注意が

・彼は素直なのでこれ飲んでと渡すとすぐ全部飲みます。今後このような場合、説明の際は細かくいつどこでどんな量飲むか教えてあげてください

・〜だけ飲んでという言葉を使わない。ほんとにそれしか飲みません。この薬だけ飲んでと言ったらほんとにその薬だけ飲んで過ごします。水もお茶も飲みません。夏場だと脱水で運ばれることもあるので注意してください

・眠剤を希望して受診した場合処方せずに精神科の外来を進めてください。数日寝なくても死にません。逆に服薬量が多いと危険です。

その後18時間ほど眠った彼は
また悪魔と戦っていたそうですが、精神科の先生のアドバイスどおり追加処方はせずに月曜の受診を説明すると素直に帰宅されたそうです。

彼と悪魔との戦いが終わる日が来ますように

本日のタイピング練習
スコア59
レベルE+

ありがとうございます!このサポートを栄養にこれからも頑張ります‼︎