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わたしは元銀行員の自営業の妻(29)。夫婦協力しながら生きています。

こんにちは、ちあきんぎょです。
職業は社長です。名ばかり社長です。

資本金10万円で設立した自分の会社の社長です。
2022年5月から3期目になります。
現状、儲かっています。

ただし、わたしは名ばかり社長。
メインで仕事を頑張ってくれているのは主人です。

わたしは夫を支える自営業の妻(29歳)です。
今年30歳になります。

仕事の手伝いはしているので専業主婦ではないと思います。
会社員でもないので、兼業主婦でもないかなと。

なので、アイデンティティとしては「自営業の妻」です。

老後の安定とキャリアウーマンを目指していたわたしですが、いつの間にか自営業の妻として主人をサポートするようになっていました。

文章にしてみたら、面白い部分もあるかもしれないと思い、noteさんの4月特集に参加させていただきました。

「こうやって生きている人もいるんだ」と、どなたかのお役に立てれば幸いです。


わたしについて

大学を卒業して、新卒で金融機関に就職しました。2015年卒です。
金融機関といっても、正しくは銀行。もっと正しくいうと信用金庫です。

皆さんのイメージされやすい窓口業務や、その裏方の後方業務を経験。
総合職で入庫したので、営業や融資(審査業務)も経験しました。

就職活動中の軸は、「バリバリ営業、結婚・出産後も仕事は現役」でした。今思い返すと、ちょっと恥ずかしいです。

信用金庫は、産休・育休の制度が充実しており、女性の働きやすい環境です。
また、信用金庫職員の年金基金(年金の3階層め)もあり、よほどでなければ老後にお金で苦労することはなさそうです。

「充実した制度を利用しながら、現役時代は一生懸命に仕事をして、仕事と育児を両立しよう。そして、老後をゆっくり過ごそう」。

そんな意識の高かったわたしですが、6年間勤めたのちに信用金庫を退職します。
積み立てた年金基金は一時金で受け取りました。70万円ほどでした。

社長になったわたしのお給料は月8万円。年金は協会けんぽです。
福利厚生は、主人の笑顔です。


主人について

主人はわたしの4歳年上で、今年34歳になります。
わたしと同じ信用金庫に勤めていました。

いわゆるトップ営業マンで、実績表彰の受賞回数は金庫イチでした。

勤めていた信用金庫の表彰基準は、おもに担当顧客の預金・貸金残高の増減による点数制です。
より多くの顧客に融資することが求められました。
「融資をする」と一口にいっても、シチュエーションはさまざまです。

設立間もない会社の創業融資から、先行する仕入資金や人件費などの実需のある融資。
ときには、手元資金で十分だけれど、営業マンの点数のために“借りてもらう”こともあります。

融資には審査があります。
審査が通らなければ“お断り”するのですが、資金が必要なのに借ることができなければ企業は困りますよね。
でも、営業マンは「審査が通らなかったので、ごめんなさい」と平謝り。
終いには上司を連れてきて、「他の銀行に頼んでみてください」。

こういった経験に疑問を抱いた主人は、新たな取り組みを始めました。

できあがった決算書から融資をするのでなく、次回いくらの融資を引っ張るためにこんな決算書を作ろう。
当たり前ですが、粉飾のすすめではありません。本業支援です。

銀行融資の審査では、内部ルール・基準があります。

内部基準を正確に理解し、どんな決算書が基準に合致するのか?
合致する決算書を作るために、「御社の営業マンへはここを意識して営業させてください」「この勘定科目は使わないで」「期末のこの科目は、○○円になるようにこうしましょう」といった、具体的な行動アドバイスをするようになりました。

これが今の事業を始めるきっかけとなりました。

「お客さんの仕事が面白そうだから、儲かってもらいたいじゃん。」

主人のモチベーションはここにあるみたいです。


会社を辞めたタイミング

こういった活動を続けていくうちに、報酬を頂けるようになっていきました。

「弊社のCFOになって欲しい」「もっとこういう仕事を手伝って欲しい」など、お客さんからの要請は高まります。
企業の基幹部分を手伝っている以上は、いつまでも片手間で仕事をするわけにいかなくなってきました。一度関わったからには責任があります。

そして、銀行を辞める決心をつけさせる、一つのタイミングがやってきます。
個人の報酬が、銀行からのお給料額を超えたのです。

平日の日中を費やして稼ぐお給料額を、平日の夜や休日といった限られた時間による報酬が上回りました。
それも、夫婦二人のお給料分です。

夫婦で銀行を辞めることを決意しました。


わたしの今の働き方

「ご主人が独立するなら、奥さんは勤めていた方が収入が安定するんじゃないの?」 そう言われることもありました。
わたしもそう考えたことがあります。

しかし、わたしたち夫婦の場合はそれが良い選択とは言えませんでした。
一番の理由は、夫婦の安寧のためです。

朝早くから晩まで週5日出勤するわたしと、フリーで働ける主人の間にはきっと溝が生まれます。
「わたしは我慢しながら仕事をしているのに、主人は自由そうで妬ましい!」 そんなことを考えしまうのではと思いました。

そして何より、価値観のずれが生じてはいけないと思っていました。

サラリーマンと独立して働く人、どちらが偉いということはありません。
しかし、お金に対する考え方や将来の見据え方など、随所に違いがあります。

経営者を相手に仕事をする主人と、固定給をもらうために事務仕事をせっせとするわたしでは、考え方に差が生まれてしまうはずです。

わたし自身、何ができるかもわからない中でしたが、主人と一緒に銀行を辞めることにしました。

幸いにも商業高校時代に簿記を学んだおかげもあり、現在は主人のクライアント企業で経理代行をしています。
経理の仕事は毎日あるわけではないので、週2回程度を目安に出勤しています。

経理以外にも、スポットのお手伝いもあります。
急ぎの納品物があるから来て欲しいとか、休暇の人が重なって人手が足りないから電話番をしていて欲しいとか、さまざまです。

それら以外の日は、自分の会社の経理やその他の事務全般を行っています。
士業の顧問はいないので、決算申告労務関係もわたしが担当しています。

それでも時間は余りますので、自宅で可愛い金魚を愛でながらYouTubeの動画作成をしたり、行きたい美術展を探しては、平日の日中に行かせてもらったりもしています。

自社の仕事は、直接的にはお金を稼いでいないかもしれません。
しかし、顧問を雇うためには費用が必要ですよね。また、主人の機会費用を考えたら、その分をわたしが稼いでいるのだと思うようにしています。


夫婦で役割分担

わたしたちが仕事をするうえで大切にしていることは、役割分担です。

正直なところ、わたし一人ではお金を稼ぐ力はないと思っています。
主人にはその力があります。でも、一つ欠点を挙げるとすれば、パソコンがあまり得意ではないのです。

クライアント企業さんから、新入社員研修を依頼されたことがあります。
研修内容を考え、パワーポイントにまとめますよね。しかし、主人はパワーポイントが使えないのです。笑

なので、主人が研修で話すことを羅列したメモを、わたしが順序の校正や加筆をしながらパワーポイントにまとめたりしています。

普通にパソコンが使える人であれば、ぜんぶ自分でやった方が早いと思いますよね。
しかし、主人が苦手なことに時間をかけて取り組むよりも、時間をかけずに大枠を作り、わたしが時間をかけて作成する方が効率が良いのです。

主人はその時間の分、他のクライアント企業について思いを巡らせることができます。そうした方が総合的に利益が高いのです。

「わたしの仕事はこれだけで良いのか?」と心配になったこともありますが、主人にとって苦手なこと、事務全般を吸い上げてくれるだけで本業に集中ができて良いそうです。

私「(パワポできないのに)どうして新人研修の仕事を受けたの?」
主人「ちあきんぎょがいるから、いけると思って」

一例ですが、こんな感じで夫婦で協力しながら仕事をしています。
まだこれから大変なこともあるかもしれませんが、支え合いながら生きていくつもりです。

今年度のお給料は月8万円でしたが、来期はしっかりお給料を取ります!


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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