見出し画像

🇮🇳【きっと、うまくいく】心はいつだって臆病だ。だから騙してやらないと。

私は毎週のようにインド料理を食べ、インド映画を観て、図書館に行ってはインド関連本を借りているのだが、そこまでインドにハマったきっかけが何だったのかと聞かれれば一つのインド映画を答える。

そう、この『きっと、うまくいく』である。

インド映画の登竜門

インドにハマるきっかけとして、私より前の世代だと『ムトゥ 踊るマハラジャ』という映画だという人は多い。1998年の南インド・タミル語映画だ。

『ムトゥ 踊るマハラジャ』1998年 日本公開

日本で最初にインド映画ブームを作ってくれたレジェンド的存在の映画である。内容まで話すと『きっと、うまくいく』の話に永久に辿りつけないので、そこはスルーさせていただく。

私はこの時に生まれてないので、次のインド映画ブームを待つことになる。
その第二次インド映画ブームin JAPANが今回のテーマだ。

『きっと、うまくいく』2013年 日本公開

私の場合は公開時に劇場に行って観てきたわけじゃないが、20歳の時に観た『きっと、うまくいく』が私の人生初・インド映画になった。

テレビをつけていたらとある番組で「芸能人がオススメする好きな映画ランキング100選」みたいな企画が放送されていて、結構上位の方に『きっと、うまくいく』が取り上げられていた。番組にはフワちゃんも出演していて、「これめっちゃ好き!3回観た!」と言っているのが印象的で、気になったので観ることにした。

ストーリー

めちゃくちゃ期待して観たわけではない映画だったが、期待とは裏腹にすごく面白かった。
ストーリーとしてはこんな感じだ。

  • 2人の男性が、大学卒業後に姿を消した友人をさがすミステリー

  • 主人公含む3人を中心に、幾度となく危機が訪れる波瀾万丈の大学生活の様子

の2つが同時に展開する。

インドの教育問題について描かれる

重苦しいシーンがあるけど、ミュージカルシーンもあるし、主人公ランチョー持ち前の明るさ・ユーモアが描かれることによって作品全体が暗くなりすぎない。

主人公ランチョーはやりたいことに真っ直ぐで、勉強熱心で、人を笑顔にするのが得意で、そして仲間思い。この作品を観てると主人公ランチョーに何度も笑わされ、何度も泣かされて忙しい忙しい。

ランチョーは教科書そのまま覚えること、なんでも競争させること、などなど大学の教育方針にいちいち口を挟み教授からはウザがられ、大学のやり方にただ従う学生に非難される。

その学生から「10年後、お前と俺どっちが成功しているか勝負だ」的なことを言われる。ラストシーンで2人がどうなったか明かされて、映画は終わる。

見終わったらスッキリした気持ちになるし、頑張ろう!って気力が湧いてくる。元気が出る社会風刺コメディインド映画はこれの右に出るものはないと、個人的に思う。

主演はアーミル・カーン

大御所俳優だ。
主人公を演じたのはボリウッド3カーンのひとり、アーミル・カーンだけど、なんと40歳で大学生役を演じたそう。なんかちょっと老け顔なのかな、この人、と思ったらまさかの40代!

アーミル・カーンは役作りのために半端ない努力をすることで有名である。
この映画のために減量して水を1日4リットル飲む生活をしたらしい。

流石すぎるぜアーミル=カーン。

ヒロインはカリーナ・カプール

大御所女優だ。
太い眉にぱっちりとした目の、インディアン美人だ。
真面目で気の強い女性を演じてることが多い気がする。『バジュランギおじさんと、小さな迷子』でもそうだった。

聖地巡礼

北部にあるパンゴン湖

ラストシーンで出てくる北部パンゴン湖はインドでは「スリーイディオズレイク」と呼ばれている。『きっと、うまくいく』の原題が『3idios』なのだが、そのタイトルからとって付けられた。聖地巡礼地として有名なようだ。

琵琶湖に匹敵する大きさのパンゴン湖は、天空に一番近いとまで言われるほどの絶景らしい。検索してどの写真を見ても綺麗だ。

首都デリーからだいぶ離れているから、たぶんそこまで辿り着くのは大変だと思うが、是非死ぬまでに行ってみたい場所だ。

ひとつだけ、腑に落ちないこと…

これは流石にイジメじゃないか…。ってところがある。

サイレンサーと呼ばれるウガンダ出身の学生がいる。サイレンサーは外国出身ということでヒンディー語が完璧ではなかった。

ある日、サイレンサーは学生たちの前でスピーチをする機会があったのだが、教員に作ってもらった台本を丸暗記して挑んだ。
しかしその台本の文章は主人公ランチョーによって書き換えられ、文章を丸暗記して意味をよく理解していなかったサイレンサーは下品な単語を何度もスピーチの中で言ってしまった。

「丸暗記はよくない」を伝えるための場面だったにせよ、酷くないか。ヒンディー語が達者でないことを利用して恥をかかせるなんて…。いくらサイレンサーが嫌味な奴だったとしても、それはやっちゃいけないだろって正直思った。

それがこの映画の唯一の疑問点である。🥺
視聴者の笑いを誘うシーンでもあったが、私は笑えなかった。

あのシーンが嫌だと思うのは私だけなのか?分からん、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?