ファンレターという名の怪文書
「好きになって!もっと!私を見て!もっと!
恩返しは“愛のこもった投げキッスで”」
「お手紙も書いてください!
何度も読んで宝物にします」
これはご存知の人も多いでしょうけどHoneyWorksの「ファンサ」という歌の1部です。
私が初めてのファンレターを出すきっかけは推しがこの歌を歌ったからでした。
推しはとあるVtuberで、出会ってからまだ時間は長くたっていません。コロナ禍で気分が落ち込んでいた時にたまたまYouTubeのオススメに“推し”がいて、それを見たのがきっかけでした。元々Vtuberは初期から知っていたしそれなりに見ていたけど、本当に好きになれそうな人に出会ったのは初めてでそれから配信を見たり、アーカイブを見たりしてファンになりました。ずっと二次元のオタクでいた私からしたらリプライが送れること、配信でコメントを読んでもらえることがあること、リクエストに答えてもらえるかもしれないこと、全てが斬新でした。はじめてもらった推しからのリプライ、ありがちですか何回も何回も読み直してTwitterのヘッダーにして幸せな気持ちになっていました。
そんな中、推しが突然炎上しました。炎上は推しにも非があるわけですけど、パブサが趣味の私でもパブサを辞めるほど耐えられないほど誹謗中傷の嵐。いつもは配信絶対見てないくせに。推しのこと何も知らないくせに。推しのいいところ、沢山あるのに。何も知らないくせに引退しろなんて言わないで。
Vtuberといえば、いつ引退してもおかしくは無い存在。引退してしまったら、推しとのつながりは何も無くなってしまう。どこかで元気に生きていて欲しいなんて願うことしか出来なくなってしまう。エゴサをする推しだから、推しが心が折れてしまっていたらどうしよう。
推しが炎上して休止して、復活してすぐファンのリクエストで歌った歌が冒頭の「ファンサ」でした。
この歌を聴いてすぐファンレター、書かなきゃって決意しました。
推しにとってはなんでもないちっぽけな私だって直接ファンレターを書いたらもしかしたら、推しが辛い時に少しでもどこかにはこんなにあなたが大好きなファンがいるよって心の支えになるかもしれない。プラスの言葉よりもマイナスの言葉の方が本能的に心に残りやすいのであれば、大好きを伝え続けて少しでもマイナスをなくしたい!1マイナスな言葉があったら1000プラスの言葉をぶつければいいんだ!
推しに助けられてるんだから、もし少しでも力になれるならなりたい!
その一心でファンレターを書くことを決意しました。
オタクは杞憂しがちな生き物だから、全然ファン歴浅いのにとか、お金だって沢山払えているわけじゃないのに、とか悩みました。私が書いてもいいのか?って
でも、推しは素敵な人です。そんな素敵な人がファンレターを貰っていないはずがない。きっと多く届くであろうファンレターのなかの一通、私のものが混じっていたって推しの記憶にはそんなに残らない。しかも数は多く届いた方がきっと嬉しい。ならば早く書こう!
ファンレターを書くのははじめてだったからたくさんの先人のブログやTwitterをみてどんな風に書いたらいいのか沢山悩んだけど結局自分の言葉で正直に気持ちを綴りました。
『○○さんへ
こんにちは。ぽぽともうします。
あなたを好きになったきっかけは……
あなたの配信のこんなところが好きです。
いつも幸せをありがとう。お身体に気をつけてください。』
ファンレターを書くことで自分の中の好きがどんなところが好きなのか具体化できて、自分にもプラスになる行為だなと感じました。さらに推しが好きになりました。
Twitterのツイートやリプライ、YouTubeのコメントやスパチャはいつかサービスが終わってしまったら形が残らないものです。なんならその場で流れてしまったらもう二度と目に入ることはないかも知れません。
手紙は形に残ります。読んでもらえなくても、捨てられなければそこにあることであなたを好きな人からの手紙があるという事実が残ります。
私は推しのことを知らないし、推しは私の事なんて知るはずもない。自分の本名さえ書くことが出来ない怪文書。知らない人からあなたのこんなところが好きです!って手紙が来たらストーカーだし、怪文書以外の何ものでもありません。
それでも好きをつたえたい。いつも幸せにしてくれてありがとうって伝えたい。
バーチャルな“推し”とリアルの“私”を直接繋ぐ唯一のもの、これからも怪文書であっても書き続けて行こうと思います。
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