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さよならを言い忘れたのは理由(わけ)がある(2)

演劇と外国語

このnoteは、劇団なかゆび『さよなら、を言い忘れた』千秋楽までの作業日誌である。

昨年9月から、「小劇場で使えそうな英語勉強会」というイベントに関わっている。名前の通り演劇や制作に絡めた英語を勉強する会で、京都では劇団衛星の植村さん・黒木さん、柴田さんのお力を借りてAKIKANにて、大阪では尾崎商店さんにてそれぞれ2回開催した。

事の発端はこのツイート。

これはただの思いつきですが、
・受付にいて「これ何のイベント?」と英語で聞かれたとき
・演劇の話をして「スタッフってどんな仕事をしてるの?」と英語で聞かれたとき
みたいな、演劇や制作に絡めたとっさの一言英会話ワークショップをやってみたい。どうでしょう。(2019年7月30日)
https://twitter.com/chi_drama/status/1156209949560590336?s=21

予想外の反応の大きさに驚いた。海外のアーティストやお客さんと接する機会も増える昨今、留学やインターンで得た知識を共有できないか、少しでも役に立たないかと思ったのは後付けだった。ちょうど劇団衛星さんの『珠光の庵』インターナショナル版上演を控えていたこともあり、vol.1、vol.2と連続して開催した。1回目は単語とフレーズを中心に練習、2回目はロールプレイング。ざっくり打ち合わせをしながらもその場で様々な時間ややり方を試すことで、非常に有意義な時間を過ごせたように思う。

その後大阪でも2回開催してみて思ったのは、(ありきたりだが)試してみないと分からないなあ、ということだった。舞台に関する知識は参加者全員多少あるとはいえ、得意な分野や英語力はバラバラ。その中で同じ英単語・フレーズ集を使い、実践的なお客さんの案内までたどり着くのは、正直英語の講師でも難しいのではないだろうか。しかし、特別な技能はいらない。演劇や制作に関する英語、あるいは接客業で使う英語は正直「実践」でしかないので、自分の英語力維持のためにも継続的に場を設けられるようにしたい。

ちなみに、『珠光の庵』に直接関わる「韓国語勉強会」また「中国語勉強会」も開催されている。個人的には中国語を身につけたいのだが、興味がある方は是非今後もチェックしていただきたい。

外国語、といえば。

いよいよ目前に迫ってきた第5回全国学生演劇祭。劇団なかゆびは、22日(土)18時からのAブロックにて『45分間』を上演する。 エキシビションだから20分ね、短編作品ね、と主宰には再三伝えたのにも関わらず、タイトルは『45分間』。 審査員賞を頂いた第2回全国と同じタイトルであるが、名古屋という土地で上演するにおいて脚本・演出を一新した2020年版である。

舞台には、日本人と韓国人がそれぞれ一人。日本国籍を取得するための「同化試験」が行われる。最終となる言語試験、通常は45分が与えられるはずだが、韓国人の彼には20分しか与えられない。彼は驚き問いただすが、すでに試験は始まっている…。

劇団なかゆびが送る、一夜限りの問題作。
はりねずみのパジャマ(東京)、南山大学演劇部『HI-SECO』企画(名古屋)と合わせて楽しむだけでなく、立ち止まって考えてほしい。


第5回全国学生演劇祭
エキシビション枠参加作品
『45分間』
学生演劇祭は、45分間だと思っていた。20分間だったなんて聞いてない。いや、45分間でなければならない。20分間で、45分間をやらなくてはならない。なぜなら、私は韓国人だからだ。

[日程] 2月22日(土)18:00 Aブロック
[会場] 名古屋市中村文化小劇場
[キャスト]
히이라기 미키
정지수(극단 시련)
[スタッフ]
각본・연출:칸다 마스구
詳細▶︎ http://jstf.jp/stage/fes2019/



そういえば「小劇場で使えそうな英語勉強会」Twitterでの終了報告だけで詳細はまだ記せていなかったので、開催レポートおよび英単語・英語フレーズ集は別の記事にて残しておくことにする。

画像:花(2020年2月11日)

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