見出し画像

「大人になったら2人で行こうね」と約束してくれた君へ

自分の気持ちをどこかに残しておきたいなと思い、書いてみます。

非常に長く、駄文ですが、最後まで読んでくださるとうれしいです。

ー*ー*ー*ー*ー

出会い

君と出会ったのは、小学校の入学式でしたね。五十音順で並べられた出席番号が近く、隣の席になりました。お互いの両親が、「せっかくだから」とでも言ったのでしょうか。撮った記憶の無いかわいい2人の写真が残っています。

それから特に、君とは何もないまま小学校を卒業しました。

小学生時代の中で特筆すべき点を挙げるならば、学級崩壊、学年崩壊を経験したことですね。悪さをしなかった私たちにとっては、もう笑い話にできていますが、人に話すとよく驚かれます。

あとは、6年間のうちで4年間くらいを同じクラスで過ごしましたね。出席番号も近いので、新学期はだいたい近くの席で始まり、早々に嫌味を言いあった思い出があります。

中学生に上がると、周りではチラホラと”中学生の恋愛”が始まっていました。

勉強面ではお互いに優秀な方で、よくテストの点数を競い合っていましたね。なんせ中学生でもよく同じクラスになりましたから。

何となく、君との距離の近さを感じてはいましたが、義務教育9年間のうち、ほとんどを同じクラスで過ごしていたから、話しやすいのは当然で、お互いのことをよく知っていたからこその距離の近さだったんでしょうか。

私もいくつか恋は経験しましたし、彼氏?もできました。すぐに別れましたけど。君の恋の話もうわさで回ってきていました。私の話も君の耳に届いていたでしょうか。


ー*ー*ー*ー*ー

変化

同じクラスになった中学3年生の秋。私の中で、君への思いに変化があったのは中学3年生の文化祭です。

3年生は劇をすることになっていたので、高校受験と並行して、割と真剣に取り組みましたよね。

君は監督、私は主役。

どうやっても君と話す時間が増えていきました。さらに、この主役は男役だったから、衣装として服を貸してくれましたよね。なんとなく君に惹かれつつあった私にとっては、もう十分でした。

なんでか覚えていないけれど夜遅くまで学校で作業した後に、「暗いから」って家まで送ってくれたりしましたよね。

もうこのあたりから、私は君のことが好きなんだなと確信しました。

文化祭当日は、まぁいろんなことがあったような気がします。とにかく君に夢中になったのは、紛れもなく文化祭がきっかけです。


ー*ー*ー*ー*ー

受験

文化祭を終えてから、学年全体が受験モードに変わり、優秀な方だった私たちは、本格的に勉強に集中し始めました。私も君も同じくらいの偏差値の、別の学校を目指していました。

もう好きと気づいてからは、授業中に少し離れた君のことを見てしまうようになっていました。わからない数学の問題に困っているときに、ふと君を見ると、たまたま君と目が合って、

『わからないの?』と口パクをするあざとい君。赤面するしかない私。

そんなこんなで君への気持ちを持ったまま受験シーズンへと突入。第一志望の高校とは別に、滑り止めで受験した高校が君と同じでした。お互いに第一志望の高校に受かることが一番だけれど、滑り止めが同じってだけで、もしものことがあってもいいかもしれない、なんて考えていました。

さて、私の第一志望の高校の受験前日、学校の掃除時間の終わり頃、君は私にこっそり声をかけてきて、廊下で二人きりに。

君は「これ、お守り、明日頑張って」と、時計を渡してくれた。

私の顔は一気に赤くなり、うれしくてうれしくて、「あ、ありがとう」しか言葉が出なかった。さらにそのあとに、君は

「こっちむいて?笑うとかわいいね」

私はもう大パニックでした。家に帰って、明日に向けて準備をして、制服の胸ポケットに時計を入れて、家に帰ってからもドキドキしてしまうのは、反則だなって思いました。


ー*ー*ー*ー*ー

「大人になったら」

受験後のことは慌ただしかったからか、あんまり覚えていませんが、お互いに第一志望の高校に合格しました。つまり、高校からは別の学校に通うことが決まりましたね。

私は合格と同時に自分のスマホを買ってもらい、君とLINEで連絡を取るようになりました。他愛もない話をしていると、ある日、君は好きなアニメを教えてくれましたよね。

4月1日、新学期初日、まだまだ春休みを満喫していると、この日も君からLINEが来た。いつものように適当なことを話していると、突然君が、

『そうそう、大人になってからでいいから、一緒にあの祭りに行かない?』

このLINEが届いた瞬間は、君の言う「祭り」が何の祭りかわからなかったけれど、君が教えてくれたアニメに出てきた「あの祭り」のことを言っているんだな、とすぐにわかった。

教えてくれたアニメは、ストーリー自体はフィクションだけど、”聖地”は日本のとある地域をノンフィクションで描いている。

そして何より、この”聖地”で行われる「あの祭り」は、私たちの住む田舎から遠い場所にある。行くとなれば、1泊は確定である。だから、このお誘いは私にとって、近所の祭りに行くようなテンション感で受け止められる話ではなかった。

でも、それを言われたのは4月1日。いつもこうやって私を困らせる君だから、「エイプリルフールで冗談で言ってる?」と聞いてみた。すると君は『いや、違うよ』と。

続けて、『2人だけがいい?それとも人数増やす?』と。

もうこうなったらと吹っ切れた私は、「2人で」と。

この約束は、『どちらかが覚えていたらね』ということになりました。


9年間も同じ学校に通い、学校には常に君がいて、君がいるのが当たり前だった。でも、君の存在を強く認識して過ごしてきたわけではなかった。なのに卒業してから、こんなにもよく話したり、LINEしたり、旅行の約束をしたり。

ああ君と同じ高校に進学すればよかったな、と少し後悔した春休みでした。


ー*ー*ー*ー*ー

決意

この年の4月はまるで師走のように早く進んでいった。

入学式を終えて、高校の授業が本格的に始まる前に、君とは一回、海で会いましたね。覚えていますか?

私はこの日、君に告白するつもりでした。

どうしてもLINEや電話で伝えたくなくて、とにかく直接会いたくて、話したくて、呼び出しました。もう私の気持ちは固まっていたのに、どうしても「好き」という言葉だけが出ませんでした。

結局、LINEと変わらないような他愛もない話をして解散しましたね。

君の通う学校には、私の大親友も通っていたので、心理的距離があまりにも遠いわけではなかったけれど、君との連絡頻度も減っていきましたね。

私は、なかなか忙しい部活に入部したこともあり、早寝早起き、夜更かししてLINEする元気も残っていないくらい、全力で高校生活を過ごしていました。

LINEの一番上に君の名前があったのに、いつの間にかスクロールしないと見れなくなっていきました。私は君への思いを持ちつつも、どこか君と結ばれることはもうないだろうな、と徐々に諦めの気持ちのほうが大きくなっていきました。


ー*ー*ー*ー*ー

心機一転

高校1年生の1月、新年とともに君への気持ちを思い出にしようと決意しました。もう君とは結ばれない、あれは淡い思い出として心にしまっておこう、そう決意して、髪を切りました。今までなかった前髪を作って、ロングだった髪をボブにして。

髪型というのは不思議なもので、新年度になってすぐ、よい出会いがあり、とんとん拍子で同級生の男の子とお付き合いすることになりました。

君への思いを捨てきれたわけではなかったですが、毎日会えないし連絡も取っていない人よりも、毎日会える人のほうに心が傾いてしまいました。

物理的距離と連絡頻度は大事だなと思わされました。そして何より、長い片思いに終止符をうったばかりの傷心者同士だったのが大きかったかもしれません。


高校3年生になった頃でしょうか、私の大親友から、君に可愛い彼女ができたことを聞きました。

ここで、私の君への片思いが完全に終わりました。それと同時に、すごく身勝手な考えだけど、私よりも素敵な子がいてよかった、私よりも君に似合う子がいてよかった、と少し親心のような気持ちもありました。


ー*ー*ー*ー*ー

思い出にするということ

年齢的にも、もう大人と言える年齢になった。私はいつまでも君との約束を覚えている。私しか覚えていないんだと思うけれど。

お互いに高校を卒業してから3年。成人式がありました。コロナのせいで3年後の開催になってしまいました。

私は予定があり、地元に戻れず、不参加で、みんなの晴れ姿をインスタで見るという寂しい一日でした。そんなインスタに、不意に君の自撮りがあがりましたね。

大人になった君を見て、少し鼓動が早くなったのを感じました。君への思いを私の中で思い出にできていると思っていたけれど、まだ整理はついていなかったんだなと思いました。

大親友にこのことを話すと、本当に大恋愛だったね、って言われました。

このnoteを書くに当たって、君とのLINEを見返してみた。そういえば、そんなことを言っていたな、とか、私恥ずかしいこと言っているな、とか。

君が、『先に寝落ちした方が、明日の朝、好きな人言おう』なんてこともやっていた。今となっては、もう確信犯だなと思えるけれど、その時に勇気が出なかった私、何やってんだよって思ったり。


ー*ー*ー*ー*ー

思い出にしたことにしよう

ただ、自分にとってあまりにも淡い思い出過ぎて、整理するのにだいぶ時間がかかりました。さらに、この恋は失敗も成功もしなかったから、心の中で整理をするのに、成功体験とするべきか、失敗体験とするべきか、どちらとも言えない経験だから余計に時間がかかったように思います。

君への未練はもう全くないと自信をもって言い切れない自分が憎いです。時間が解決するとは言いますが、私にはもっと時間が必要で、さらに、この話を誰かに話して、消化していかないといけないのかな、なんて思っています。

ー*ー*ー*ー*ー

最後に

おそらく私の中、最初で最後の大恋愛。ここに書いたこと以外にも、たくさんのエピソードが記憶に残っています。

私が片思いしていた「君」の現在について、大親友を通じて少しだけ知っています。でも、詮索する気もないし、お互い、それぞれの人生を歩んでいます。

約束はずっと覚えているだろうけど、思い出の一つとして心にしまいます。何年たっても詳細に覚えていて、忘れられない思い出。もっとちゃんとした大人になったときの中学校の同窓会で、君にこの話をして笑い話になっていればいいな、と思います。


ひとつ言えるのは、この「成功も失敗もしなかった経験」が活きて、同級生の彼と付き合うことになりました。彼との関係は、私から連絡先を聞いたことが始まりでした。

君との関係は私の恋愛の基礎を作ってくれたことには変わりなく、そんな過去も含めて私は私。だから過去を否定したくない。すべての過去をありのままの姿で受け入れたいと思うからこそ、整理に時間がかかります。


ステキな思い出をありがとう。またどこかで会いましょう。


『映画みたいにはいかない結末に僕は何を想う』

mol-74 ー エイプリル


ー*ー*ー*ー*ー

こんなに長く、拙い文章ですが、ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。











この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?