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今年読んだ本の中から "おすすめ本 トップ10"

2020年色々ありましたが、今年も本を楽しく読めた一年でした。
その中でも特にこれは良かったな〜っと思った本をご紹介。

本の面白さというのは、その人と本とが出会うタイミングというのもとても大事な気はするのですが、色々な本を読んでみた中でどこか琴線に触れたり、何かしらの価値を自分なりに感じた本をピックアップしてみました。

ちなみに "今年読んだ本" なので、新しい本も古い本も売ってる本も絶版になってる本もあります。そして小説も絵本も知識本も大人向けの本も子供向けの本も、一見するとバラバラなラインナップかもしれませんが(笑)、誰かの心に引っかかれば幸いです。


[絵本] 大事なことはみーんな猫に教わった

いろんな時に読んでいろんな発見があるそんな猫の絵本。
たしか神田の古本市で見かけ速攻買った一冊なのですが、それ以来とても大切な本の一つ。もはや私にとってのお守りのようになっています。

なんとなしに開いては「あぁ、分かるな」とか。くすっと笑えたりだとか。硬くなった心がほぐしてくれるような、心に寄り添ってくれるような、そんな絵本。

大人が読むからこそ伝わる何か。
そんな何かに触れたくて、飽きずに何度も本を開いてしまいます。

この本ずっと絶版だったんですけどね。また出版されないかなって思っていたら、径書房さんから今年の7月に再販されました。

判型 & 装丁が変わって再登場↑。英語でもOKな方にはこちらも↓。



[小説] 帝国ホテル建築物語

「こんな良い本を、なんで今まで読んでいなかったの?」
と、自分を殴りたくなった長編小説。ライト館の建築に懸けた男たちの熱い闘いを描いてるんですが、めちゃくちゃ良かった...です。ほんと。胸熱でした。

ライト館建設が実現した立役者である林愛作、そして彼と出会いライトの弟子となる遠藤新、フランク・ロイド・ライトやアントニン・レーモンド…その他さまざまな人々が関わり、戦い・造り・守っていく姿に心を打たれます。

中でも愛作の義父の言葉が印象的でした。
「ある場所に素晴らしいホテルがあったと言う記憶は、人の心に刻まれる」

建築を好きに限らず、物を作るすべての人にお勧めしたい一冊。です。



文房具語辞典

文具王 "高畑正幸" さんの本。これぞ読んで楽しい辞典!!!

辞典の前にまずは基礎知識から始まり、万年筆の仕組みだったりボールペンのインクの種類だったりまぁ色々イラストで図解がまず楽しい。正直楽しい。

そして個人的にポイント高いのが、中扉(内容の区切りや、章が始まる入口となるページ)にも雑学が埋め込まれているところ。ここがまたトキメク。

もちろん辞典だからあ行からわ行まで文房具に関わるいろんな言葉が出てきて、これらを読むのも楽しくまた発見もあったりで、最後まで飽きずに読めること毎違いなし。文房具マニアではないけれど、文房具ってやっぱりいいよね。

ちなみに付録で文房具年表とかもあったりするんですが、これがまたぎっしりマニアックっで楽しいのでぜひ。



人体解剖図 -人体の謎を探る500年史

人体解剖ではなく人体解剖図の歴史についての本。

もう絶版本なんで、古本で買いました。歴史本で読み物としても楽しいんだけど、図版も多く収録されてて眺めているだけでも楽しい一冊。
解剖図好きにはたまりません…。

ちなみに昔はスケッチしている側から死体が腐敗していくので、素早く描かねばならなかったそうです。ってちょっと考えればそりゃそうなんですが、その時間・腐敗との戦いの中で磨かれていく画力を想像すると凄いなぁと。

集中力とか相当なものだったでしょうね。
改めて昔の人たちのその環境の中での探究心に、頭が下がる思いです。



タコの心身問題―頭足類から考える意識の起源

タコの本。だけどタコだけじゃなく、頭足類、そして生命の話まで多岐にわたるお話にワクワクする本。

タコ賢いな!っていうか頭足類すごいな!そして面白いな!ってなること間違いなしのこの本ですが、読んだ後はタコが食べれなくなるかもしれません…。

(たこ焼き食べちゃったけど)



思考する豚

豚っていうかイノシシの話。タイトルがまた良いですよね。
英題は「THE WHOLE HOG(豚の全て)」です。

タコの本 ↑ を読んだ後だったので、豚(イノシシ)も賢いのか!ってなった本でした。イノシシの遺伝子すげーのでオススメ。

ちなみに、豚とイノシシの差。

「ブタ」というのは単に「家畜化したイノシシ」を指す呼称であって,ブタという単一の系統がイノシシとは別に存在するわけではない ー via. ブタとイノシシの遺伝子の違いは?|Web医事新報|日本医事新報社

家畜化したイノシシが豚であって、遺伝子的には豚という単一の系統が存在するわけではない。というわけで、この本では 豚 = イノシシ です。そこちゃんと理解しないと「ん?」ってなるかもなので念の為。

残念ながら絶版なんですが、あの福岡伸一さん(好きです)が訳してらっしゃるし、ぜひ再販してほしいです。なんならKindleでもお願いします!!!



[こどもの本] きかいのしくみ図鑑

こちらは子供向けの図鑑(とはいえ自分用に買いましたが!)。

この手の本はワクワク感が半端ないんですよね。仕組みを知れるって本当に幸せ感あります。子供向けなので難しくないし、でも図解が分かりやすく必要な情報がちゃんと載っているところがミソです。



[絵本] ねこは るすばん

今年1番はまった絵本。町田尚子さんの「ねこは るすばん」。

「猫は留守番している時に何してる?」

猫と一緒に暮らしていると誰しもが一度は考えそうな疑問が、とても可愛く楽しい絵本に。一度読んだら、即座にこの絵本の大ファンになってしまいました。

絵がとにかく上手...。そして猫の表情や動きの一つ一つが丁寧で・あったかくて・笑えて・幸せな気分になれる、そんな絵本です。

ほんっと可愛いので。相当可愛いので。オススメです。



[漫画] るきさん

雑誌『Hanako』で1988年6月2日号から1992年12月17日号まで連載された漫画。

バブル時代の気ままな独身生活を送る女性を描いており、もうこういう言い方しないよなぁ...なんて時代を感じさせるセリフもあったり。でも、なんだか心地の良い独特な雰囲気が魅力的な漫画です。

イラストレーターの "ヨシタケシンスケ" さんが「ものは言いよう」という本の中で、好きな本の一つとして紹介していたかと。

で、個人的に何がオススメポイントかっていうと、その色使い。とてつもなくお洒落...なんです。色の組み合わせももちろんのこと、その色を使う配分もこれまた絶妙。漫画の内容も好きなんですが、この色使いはぜひ真似したいっ!!!



絵を描いて生きていく方法?

冒頭読んで胸をぐっと鷲掴みにされちゃったので、これは紹介せねばとこの記事を書いている途中で慌てて読み終えた本(笑)。

イラストレーターの寺田克也さんがどう考え、どう描いているのかを語り尽くすインタビュー形式のエッセイ本。イラストも、もちろん載ってます。仕事用の絵を一から描いていって、塗りまで見せてくれるとかもうたまりません。

絵だけでなくデザインの仕事などにも通じるような話もあって、全力で肯きたくなる話の多いこと。寺田克也さんのファンでなくても、とても有益な本だと感じたのでご紹介させていただきました。

ちゃんと観るってことは、見えてなかった隙間をなくすってことですね。隙間を見落とすとは、つまり細部が見えてない。隙間に気づけば気づくほど、情報が増えて、そのたくさんある情報の中から取捨選択できて、自分の絵になっていくんじゃないかと。(P185より)

"ちゃんと観るってことは、見えてなかった隙間をなくすってこと" これですこれです。こんな大事な言葉が本の至るところに潜んでいます。

絵を描いてる・描きたい方へオススメしたい一冊です。

Kindleもありますが、実物いいよ…。


みなさま良い年末年始をお送りくださいませ!





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