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【 1日5分だけ -11】 源氏物語の原文を読む・・読みたい箇所をすぐ読めるデジタル時代-3・・原典・与謝野源氏・谷崎源氏・瀬戸内源氏・田辺源氏・・合わせ読み-1

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

旋回のつづきです。
源氏物語でずっと気になっている、巻25「蛍」の「物語」ついて光源氏が持論を吐露する箇所です。

原文を読み下しながら、
与謝野源氏 (青空文庫)
谷崎源氏 (電子書籍)
瀬戸内源氏 (電子書籍)
田辺源氏 (部分自炊PDF)
を合せ読みいたします。


デジタル時代バンザイ!

デジタル化してありますと、
読みたいとき、すぐ読めますし、かさ張リません。寝っ転がっても読めるし、いいことづくめです。

kindle版ですと、ある程度、コピペができます。
楽天Koboはコピペができない(今回はやっていませんので【シランケド】過去の経験で出来なかった記憶です)

部分自炊PDFは、
1 iPhoneカメラで撮影(文庫本の見開きが安定しないのでiPadで撮影できず、iPhone片手で撮影しました。
2 iPadにて「写真の翻訳」でOCR化
3 テキストをメモに貼り付け
4 Macbookへいき、プレビューでPDFを作成、まとめる。

iPhoneの片手撮りで相当画像が不細工ですが、今回は読めればいいので、そのままつなぎまとめしました。
きちんとOCRしたいとか、あとからPDFを読みたいのであれば、面倒でもスキャナーでスキャンした方が後処理が楽で、まさに、Walk don’t run ! です。

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片手撮りの不細工な画像ですが、「読めればいい」ということでOKカットです。
このような状態の画像あつめPDFにします。【あぁ、しんど!】

原文の読み下し

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sony Z-4 tabletでtaskbarを使って3画面表示。
原文はXodoアプリ、自作変体仮名字典もXodoアプリ。
参照の現代訳は、谷崎源氏(原文の語句を多く採用しているから)
原文の引用

その人のうへとて、ありのままにいひ出(いづ)ることことこそなけれ。
よきもあしきも世にふる人の有様の、ミるにもあかず・・・・・

「世にふる」人・・・この箇所は、

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「ふる」はややこしい・・・が、
小町の「花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに」を思い出して、「ふる」の当たりを付けました。【うん、ほんまやで!】
江戸版本解読大字典の「仮名編」で確認。

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文豪の現代訳

与謝野源氏
「だれの伝記とあらわに言ってなくても、善(よ)いこと、悪いことを目撃した人が、見ても見飽かぬ美しいことや、一人が聞いているだけでは憎み足りないことを後世に伝えたいと、ある場合、場合のことを一人でだけ思っていられなくなって小説というものが書き始められたのだろう。
谷崎源氏
「一体物語というものは、誰それのことと、きまった一人の上のことをありのままに写すのではありませんが、いいことでも悪いことでも、世間にある人の有様で、見るにも見飽きず、聞いてもそのままにしておけない、後の世までも伝えさせたいことのふしぶしを、心一つに包んでおくことができないで、書き留めておいたのが始まりなのですね。
瀬戸内源氏
「一体物語には、誰それの身の上といって、ありのままに書くことはない。それでもいい事も悪い事も、この世に生きている人の有り様の、見ても見飽きず、聞いても聞き捨てに出来なくて、後世にも言い伝えさせたい事柄を、あれやこれや、自分の胸ひとつにおさめておけなくなり、書き残したのが物語の始まりなのです。
田辺源氏
ただ、この世に生きて、人生、社会を見、見ても見飽きず、聞いて聞きのがしにできぬ、心ひとつに包みかねる感動を、のちの世まで伝えたい、と書き残したのが小説のはじまりですよ。

少しづつ違って興味深いものです。
ほんの一部の引用です。「物語論」はまだまだ続きます。
誰がいいとか、悪いとかじゃなくて【本歌トリ】
しっくりいく方の作品を見つけられるといいですね。【うん、ほんまやで!】

漢字に挑む!「出」と「聞」

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くづし字解読事典(児玉幸多編)を使用しました。
けっこうたいへん【うん、ほんまやで!】
まず、「出」の部首がわからん!【シランケド!】

goo辞典で調べる

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「うけばこ」?知らん!
「シュツ」でひく・・・【あぁ、しんど!】辞書を引くって久しぶりです。
何年か前の「類語辞典」以来かも?

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さて、「聞」の方が難題

ここは、谷崎源氏の手助けで、「見るにも見飽きず、聞いてもそのままに」
この字が「聞」とあたりをつけて・・・

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無事、「聞」を読み下しできました。

まとめ

源氏物語 巻25「蛍」の「物語」ついて光源氏が持論を吐露する箇所です。
作者の紫式部が、光源氏の皮をかぶって、「物語論」を展開する箇所ですが、
まったく千年の時の流れを感じさせない秀逸な箇所です。

アリストテレスの詩論を後生大事にいまだに読んでみたい【うん、ほんまやで!】

源氏物語の超ロングセラーの一面です。

追記

ここは、谷崎源氏の手助けで、「見るにも見飽きず、聞いてもそのままに」
この字が「聞」とあたりをつけて・・・

と、すっとぼけて、まるで「聞」が分からず、探したように書きましたが、
実は、「門がまえ」のくずしは知っていました。

どうして知っているか?
次回記事にしたいと思います。 
「覚えておきたい古文書くずし字200選」「覚えておきたい古文書くずし字500選」(柏書房編集部編)をぶらり目を通したからです。


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