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イモづる読書【その111】 ・・・『テルマ&ルイーズ』から『「書き出し」で釣りあげろ』へ

「書き出し」で釣りあげろ』〜1ページ目から読者の心を掴み、決して逃さない小説の書き方〜(フィルムアート社)・レス・エジャートン著

2・3年前に出版され、気にはなっていたんですが・・・タイトルが気に入らなくて・・・「書き出し」で釣りあげろ・・・【うん、ほんまやで】

書き出し」という言葉から、その昔の受験勉強を思い出します。

ひとりブレストで「出だし」を書き出してみた・・・・・
記憶では・・・「トンネルをぬけると、そこは雪国だった」
正解は・・国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
記憶では・・・「情に棹させば流される」
正解は・・山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
記憶では・・・春はあけぼの・・まで
正解・・春は、曙。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこし明りて、紫だちたる雲の細くたな びきたる。
記憶・・・つれづれなるままに、日ぐらし・・・まで
正解・・つれづれなるままに、日ぐらしすずりにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、
記憶・・・月日は百代の過客にして、又旅人なり
正解・・月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人なり。
記憶・・・親譲りの無鉄砲で損ばかりしている。
正解・・親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。
記憶・・・山の手線に跳ねられた
正解・・山の手線に跳ね飛ばされて怪我をした



ひどい答は、
「先生と呼んでいた」
「珍しい旅人たち」
「大門の見返り柳」
「なんとか島」
「高瀬舟」
「日記は男が書く」



まともな答は、
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
木曽路はすべて山の中である。
の二つだけでした・・・・・・・・・・

「出だし」は覚えていてもあやふやで・・・何も支障はないけれど・・・
試験勉強となると苦痛になってしまいます。

さて『「書き出し」で釣りあげろ』を読む気になったのは、『テルマ&ルイーズ』を引用しての解説があったからです。

この「シド・ フィールドの脚本術1」で、ネタバレどころでなく詳細に分析がされプロットがわかり、続編の『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2』でも繰り返し解説があり、ずいぶん年数を経て日本語版が上梓された『最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術3』でも取り上げられています。

イモづる読書【その106】

シド・ フィールド先生の徹底解説で『テルマ&ルイーズ』大好きになり、『テルマ&ルイーズ』を引用しているから読んだ【うん、ほんまやで】

感想:読んでよかった!

この書籍の柱は「オープニングシーンを構成する10の要素」です。

「出だし」・・・オープニングは・・・
主人公の「日常生活」、「最悪の日」、「悪役の日常」、「アクションの危機的状況」「Bストーリーのイメージ」・・・さまざまな始め方があります。
どのようなオープニングシーンにも適応する主な要素があり、その詳細の解説書です。
書き出し「10個の構成要素 」、特に重要な4要素とあります。

そのひとつに当然「伏線」があります。重要な4要素に入ると思っていたのですが、最後のひとつが「伏線」とは意外でした【うん、ほんまやで】

こういう「意外なこと」があると、読み続けてしまいます。

ストーリーのはじめ方の「ル ール」は、ほんの数年で変化するため 、注意しなければいけません ・・・過去の名著の多くは、現在の市場で通用する構成のお手本にはならないと言っておきます。ボ ディランのことばを借りれば、「時代は変わる」のです。

「書き出し」で釣りあげろ

よく出てくるフレーズに「メロドラマ的なシーン」と「ドラマ的なシーン」があります。
この書籍は、いかに「メロドラマ的ではないドラマ的なシーンを作り出す」がいい変えれば、メロドラマ的な展開になりがちな傾向をどう修正すれば、ドラマ的なシーンになるかを多くの引用を用いて解説してあります

名言集:
「形容詞がひとつ増えるごとに、効果は二倍になるのではなく、半分になります」
「今日では、受動的な描写はほとんど使われなくなっています」
「文学の「トラブル」とは、主人公の世界がある出来事によって大きく変化することです」

まとめ

現代のストリー構成が異なっている点は、 この式の最初の項 安定 が大幅に短縮され、多くの場合、すっかり省略されていることです・
・・・・・・・・・
現代では、 ストーリーの焦点となる問題が発生した時点から作品がはじまります

「書き出し」で釣りあげろ

『「書き出し」で釣りあげろ』の副題は、〜1ページ目から読者の心を掴み、決して逃さない小説の書き方〜とあり、「小説の書き方」の指南書です。
しかし、映画『テルマ&ルイーズ』の引用があり、現在の「ストーリーのはじめ方」を読んでいくと、ずいぶん映画の影響を感じます。
著者(レス・エジャートン)が映画制作やTV制作のキャリアを経て小説家になった経歴から納得ができます。
また、「現代では、 ストーリーの焦点となる問題が発生した時点から作品がはじまります」とか「エピローグについても、ほとんどの場合、書くことはお勧めしません」というように、「今」「現在」を意識しています。
「シー ンの描写にもっと力を入れましょう。 描写そのものも、昔学校で学んだころからは大きく変わっています。今日では、受動的な描写はほとんど使われなくなっています」とまで言い切っています。

ちなみに『テルマ&ルイーズ』は1991年の作品、『「書き出し」で釣りあげろ』の原書の出版は2007年です。
最近、原書の出版年が気になって・・・


目次

序文 書き出しはきわめて重要

イントロダクション なぜ「書き出し」の本なのか
書き出しの定義

第1章 ストーリー構成とシーン
ストーリー構成の進化
現代のストーリー構成
シーンの基礎――初級編
オープニングシーン対それ以外のシーン
プロローグ

第2章 書き出し――そのあらまし
書き出しを構成する要素
書き出しの目的
よくなると思えた書き出しがうまくいかなくなるのはなぜか

第3章 きっかけとなる出来事、最初の表層の問題、核心の問題
きっかけとなる出来事
引き金としてのきっかけとなる出来事
核心の問題と表層の問題
ストーリーの問題と目的を作る
小説はいくつの問題を含むべきか
登場人物が核心の問題に気づく
内なる悪魔:核心の問題を探し出す

第4章 設定とバックストーリー
設定
バックストーリー
書き出しの設定とバックストーリーのバランス

第5章 構成要素を結びつけていく
重要な要素をつなぎ合わせる
すぐれた書き出しを解体してみる
自分の作品にまとめる

第6章 登場人物を紹介する
まず登場人物を確立させる
風変わりな登場人物による書き出し
登場人物の心の声ではじめる

第7章 伏線、ことばづかい、舞台背景
書き出しを伏線として使用する
書き出しでのことばの節約
書き出しで舞台背景を紹介する

第8章 はじまりの文章で心をとらえる

第9章 避けるべき書き出し
注意信号その一 夢ではじまる
注意信号その二 目覚まし時計が鳴っている
注意信号その三 意図していない笑いを呼ぶ
注意信号その四 会話が少なすぎる
注意信号その五 会話ではじまる

10章 書き出しの長さと場面転換の方法
書き出しの長さを決める
書き出しに求められること
場面を切り替えてオープニングシーンを確立する

11章 出版エージェントと編集者からのアドバイス
ブックスキャンの威力
進化する出版業界
出版エージェントと編集者からのアドバイス

エピローグ ゲームを進めよう



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