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【 1日5分だけ -13】 源氏物語の原文(影印)を読む・・繰り返し記号(くの字点・一の字点)がわからん!・・・

相変わらず、源氏物語の影印を読んでいます。
てこずっているのが、
「大返し」とか「くの字点(くのじてん)」、一の字点(いちのじてん)です。
書写以外にコピーする方法がない時代には「繰り返し記号」は必須で、読み手も慣れているから苦もなかったでしょう。

(背景色が白っぽい)「青表紙本源氏物語」 (新典社)
(背景色が茶色っぽい)早稲田大学図書館・古典籍データベース「三条西実枝(写)・源氏物語」


このところ「繰り返し記号」は、日本語が「横書き」が主流になってしまって姿を消しつつあります。
肩身が狭い感の「繰り返し記号」ですが、つい最近(数十年前)までは、当たり前に多用されてました。しかし、最近は・・・・・・

ひらがな一文字の平仮名返しでは、「mama」と打つと「まゝ」も選択できます。「kakaru」では「かゝる」。「はばかる 」では、「はゞかる 」を選択したいところですが・・・・・

いずれにしても、ありがたいことにユニコードでは、「々」、「〃」、「ゝ」、「ゞ」などがあります。根気よく探せば表示できます。【うん、ほんまやで】

大返しでは、「iyoiyo」と打つと「いよいよ」と出力されます。「yareyare」では、「ƪ(˘⌣˘)ʃ」や「ʅ(◞‿◟)ʃ」が選択できるのは・・時代ですね【ヤレヤレ】

繰り返し記号を使うと、「いよ/\」と表現するか!【シランケド】
※ 同じ「iyoiyo」を漢字変換すると「愈々」と漢字返しも選択できます。

上記の画像には、2種類の「源氏物語」、「青表紙本源氏物語」 (新典社)と
三条西実枝(写)・源氏物語」(早稲田大学図書館・古典籍データベース)から
引用しましたが、実際は何冊ものデジタルアーカイブと比較しています。

何冊も比較すると、読めない字の字母が見えてきます。
「繰り返し記号」発見では、何冊もの比較が効果的でした。
発見だけではなく、これで繰り返し?も見えてきます。
いきなり、「翻刻」を参照すれば済むハナシですが、
何しろ「謎解き」に重点をおいて「一日5分だけ」楽しんでいます。

発見といえば・・・・

みっけ!発見!一行抜けている!!

(背景色が白っぽい)「青表紙本源氏物語」 (新典社)
(背景色が茶色っぽい)早稲田大学図書館・古典籍データベース「三条西実枝(写)・源氏物語」

青表紙本源氏物語」 (新典社)と「三条西実枝(写)・源氏物語」(早稲田大学図書館・古典籍データベース)を比較していて、

青表紙本源氏物語」にある「御おほえなりもろこしにもかかる事」の一行が
三条西実枝(写)・源氏物語」は抜けています。
三条西実枝(写)・源氏物語」では、「いとまはゆき人のおこりにこそ世もみたれ・・・」となっています。
「御おほえなりもろこしにもかかる事」がなくても文は流れますから、
「三条西実枝はん、ボーとしてはりましたかいな」とは、いえなくて・・・・
むしろ、三条西実枝「いわづともがなを書き加えたるは、いけませんなあ・・・」
と、のたまかれてはるかもしれへんなあ【シランケド】

見つけただけでおもしろい! 
「楊貴妃」がいきなり登場するより、「もろこしにも・・・」と親切に前フリを加筆したかもしれません。
あるいは、「ボーと」していたか、「いらん」と意図的に削ったか・・・・・
ミステリーよりおもしろい・・・原文(影印)読み【うん、ほんまやで】

源氏物語の「影印」と「翻刻」を読むなら、新典社の三点セットがおすすめ

「影印」と「翻刻」が同じ行替えになっていて、参照しやすい


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