見出し画像

ピアスを開けた【大学生日記】

5月、初めて自分でピアスを開けた。
両耳に一つずつ増やそうとして片方失敗した。
すぐさまニードルをくれた後輩にLINEし助けを求めた。

「すぐ閉じればまた開けられますよ!」
その返事にほっとして左の穴を塞いだ。

それから1週間。バイト終わりに再チャレンジした。
3度目の針が刺さっていく感触に変な汗が止まらなかった。
けれど、その感覚に妙な興奮を覚えていた。

そうそうこれこれ、この感じ。これだからピアスはやめられない。

3本目のニードルにしてこんなことを考えている自分がこわい。
それと同時に、もうしばらくピアスなんかはいいかな、なんて思っている自分もいる。
変な気分だった。

それから1ヶ月と少し。
今度は14Gの針を持って鏡の前に立っていた。

その日は夜に後輩と出かける以外の予定はなく、朝起きたときには「今日ピアスを開けよう」と考えていた。

その決心がついたのは昼ご飯を食べたあと。
今度は軟骨。
耳たぶと違って皮の次にすぐ軟骨が待ち構えている。
さくっと、思っていたよりもすんなりと通すことができた。

同じ14Gピアスとの接続も上手くいった。
幸いなことに腫れもせず、無事におニューの耳に更新できたわけだ。

それからさらに2週間後。
2本目の14Gを構えて鏡に向かっていた。
もう3つも増やした。これが最後。

針を刺す前の緊張と、流石にもう大丈夫だろうという少しの慢心があった。
消毒も完璧にしてあるし、手順はばっちりだ。

刺すところまでは順調だった。
前回同様14Gで接続しようとしたら、針の軌道からピアスが迷子になってしまった。
アクリルの透明ピアスにしたのが間違いだったのか。
やっぱりゴリ押しが良くなかったか。

そこから格闘すること約1時間。

開けたそばから閉じようとする穴との闘い。
14Gどころか16Gでも通らなくなってしまったので、さらに細いスタッドピアスの力を借りた。
真っ直ぐに差し込んではルートを確認し、挑戦する。

途中で諦めるわけにはいかないと思った。
何故なら、これを成功させれば自分の思う理想のピアス数になるから。
なにより、ニードルが1本1,000円もするから!

もはや最後は意地。
変な汗と少しの痛みと初めての出血を乗り越えて、ピアスホールを開けることに成功した。


その日の夕飯で、流石にこれ以上はやめておきなと両親から止められた。
最初からそのつもりだったよ。両耳で6個も開いたらもう満足。
ちゃんと本心である。流石にもう耳は増やさないよ。


だけど、舌ピも最近いいんだよなあ…。

※開けすぎ注意※

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?