ワールドトリガーいっき読みの感想
ワールドトリガーのアニメ作品以降、196話から241・242話の最新話までを単行本 22巻から27巻、ジャンプSQ 3月・4月・6月号で思ったこと。
ワールドトリガーの設定上、キャラが中学生から大学生という部分を除けば、人間観察に似た面白さが理解できるよね。
特に、ストーリーの随所で、次のストーリーへの伏線が仕込まれており、196話以降の内容で那須隊・諏訪隊・香取隊のランク戦まで、次の閉鎖環境試験編に続く布石になってる。
この流れに至るまでブランクも数年あったので、作者の中ではイメージが既に作られているのだろう。
本当なら小説にしてストーリー展開を先に出しても、漫画が描ける状態になってからでも、この漫画の先を知りたくなる。
僕が46歳の時に連載が始まり11年、最新の242話までの間に色々と病気の為の休養期間があり、頸椎ヘルニアや胆嚢炎からの腸閉塞など、僕らの世代が罹った病気と同じものを経験して細々と続いてる。
実際にワールドトリガーを読む世代は、少年というよりも30~40代以上の大人だろう。
当時、小学生だった人達が、20歳を超える世代になってる筈。
特に閉鎖環境試験において、水上敏志のモデルになった人物とか、俺なんじゃないか?と思うくらい、色々な人を参考にしてる。
俺の場合、諏訪洸太郎と水上の両方に見える部分があるので、40代の頃の自分と50代からの自分に二人の人物を比較してみてる部分がある。
ストーリー展開において、シャッフル部隊という急編成部隊で、それぞれの能力を測るという趣旨の部分。
芦原先生は大阪にいた事があるみたいなので、似た事をやってる企業としてダイキン工業が岡野幸義さんが社長だった時代、外国のリーダー制を導入した事があったけど、シャッフル・チーム的な要素があったよね。
部署全体の作業を一通り理解して実技と研究の両方ができないと、化学薬品を扱う部署は、作業に携わる事ができない部署だった。
色々な企業を見て、一番素晴らしい経営者だったのは、ダイキン工業の岡野幸義さんだったと思う。
トヨタやデンソーにキヤノンなど経営者のトップダウンにおいて、スズキ自動車の鈴木修氏以外の社長で、現場の声を拾って改善する方法で最も優れているシステムを導入してるのが、ダイキン工業以外に存在しなかったから。
平社員から企業幹部に至るまで、企業の問題点を社内サーバーで目安箱的な内容を報告して、全ての従業員が情報を閲覧して共有できるというシステムを作り上げてる企業が、ダイキン工業以外に見当たらないから。
今日、起きたトラブルやトラブルの内容、対策と対処法など、どのように対処したのか等、改善の為に必要な方法と材料や経費など、見積もりまでその場で報告し、次年度に改善できる内容や予算の回らないもの、絶対に必要となる予算の目安など、売上を伸ばすだけではなく、コストの必要性やカットできるものを見える化した。
要は、平社員やパートのオバサンの意見までパートタイマ―を管理する係長たちが意見をまとめ、具体的な解決策や改善方法を拾い上げる企業というのは少ない。
批判ではなく、どうして問題が起きるのか、その改善策やパートタイマーの人達が思う意見まで、社長が目を通して1月後くらいに現場を視察に来る企業というのは、経験上、見たい事がない。
おそらく、机上論的な役員会議しかやってない人達には、こうしたアルバイト的なオバサンの意見を拾うという事はしないだろう。
化学のトップ企業の社長が、大阪のオバサン連中が思う愚痴的な井戸端会議的な意見を拾って、従業員や作業者が効率よく作業する環境を整えていたのは、岡野社長時代のダイキン工業だけだろう。
そういう風な人間模様を監視カメラの閉鎖環境の中で、一人一人の動きや考えを見て、上司や部下の処理能力や発想とアイデアを読み取り、個別に人物を評価するという発想が、漫画ワールドトリガーのボーダーという組織運営の部分に、ダイキン工業で実際に経験したものを感じた。
例えば、おっちょこちょいのキャラクターの別役太一のトリオン兵を作るシーンで、彼の個人の個性が、チームリーダーが自由に何かをやらせる事で、いつも失敗ばかりしてるイメージの隊員に、2E(ギフテッド)的な要素が含まれている部分が描かれていたりする。
昔、ブレストする時に、今の60代の方々が40代だった頃に感じたものが、ブレストの意味を理解せずに頭ごなし他人の意見を否定から入るパターン。
ブレストを潰す環境が、効率重視の人達に多く見られた。
ダイソンがリコールを発表した温風扇風機を処理した時に、本当にどうしようもないバカみたいな連中がクロネコヤマトが雇用した処理チームにいた。
スーパーバイザーの本当の意味を理解してないから、処理数が伸びない理由を「施設が広く使えれば」という言い訳にしてる阿呆を雇っていた。
単純に1月以上も先に作業を開始して、日産で 1,600台しか処理できてない人達が、急編成された処理チームに、日産 2,200~2300台の処理を行う人達がダイソンが雇ったチームから出てきて、方法論や考え方を変えられない人達が最初にすることが「言い訳」だった。
1日だけ作業者全員が参加して、どういう風に処理を行なってるのか、作業方法の違いを体験するシャッフルがあった。
作業者達が思ったのは、一つの作業だけに専念すれば良いので、全ての作業を覚える必要がないという部分。
少ない人数で効率よく作業できるので、梱包と開梱の二カ所以外の負担を除いて、作業が楽に行えるという意見。
現場の作業員が今やってる作業がどうして伸び悩んでいるのか、それを考えられないスーパーバイザーや管理職がクロネコヤマト側に見られた。
作業者達が感じとった意見を配置換えを行なってポジションを変更するなどの創意工夫に活かせなかったということ。
ワールドトリガーの閉鎖環境試験でいうと、柿崎隊3番隊の犬飼澄晴が別役太一を頭ごなしに否定した部分が、物事を決め付けてレッテル貼りする人達の特徴に似てるよね。
三雲修のような真面目で探求心や研究とかアイデアを自由な意見で言える環境は、部下が働きやすい環境だったりする。
僕も松本さんという上司に、お前の好きなように自由にやれと言われ、好きにやった結果が、機械効率の上限を設定して処理を止めないという発想だった。
エンジニアの二人がサポートに入り、ラインを作る際の考え方を参考にして昼と夜で作業効率を競争して処理数を伸ばすという、ブレストの良い典型が見られたケース。
例えば、生産におけるノルマというのは、機械効率により変わってくる。
1台の機械が処理できる上限能力を理解する事から始まる。
その処理を行う装置が何個あるのかで生産処理数が変わるので、先ずは機械の限界速度を計測する必要性がある。
クロネコヤマトのスーパーバイザーは、この部分を怠っていた事が処理数が伸びなかったという事に気付いてない。
導線確保を主眼において、処理数の最大効率を上げるというのは、生産(製造業)においては、当たり前の事なんだよね。
ワールドトリガーの内容で、三雲修が242話の「トリオン兵つくーる」のトリオン兵運用で、最大効率を何処に主眼を置くのかという部分が、まさにそういう部分。
製造業や効率というのは、キーケンスやデンソーに新明和など、生産効率だけではなく、作業員が行う作業を極力なくして自動化する試みがなされている。
その為のシーケンスを理解してる人材育成が、企業や人材が伸びる鍵だったりする。
ワールドトリガーでは、それらのタスク処理能力を的確に行う人材の能力を漫画の中で描いており、過去の事例に当てはめて考えると面白いほど当たってる物が沢山ある。
これまで500人近い職人さんや中国人から日本人など、多くの人々を見てきたけど、世の中には色々な人が居て、突拍子もない事をする人達が大勢いる。
時には、それらの人々をまとめ上げて一つの方向性に向かわせる必要もあるので、僕は、中国人の職人などでもグループのまとめ役をやってる人物などを何度か切り捨てた事もある。
ダメなものはダメだと割り切らないと、外国人労働者は扱えない。
特にタワーマンションなどの職人たちで、長期の作業が保障されてる場合、外国人の職人達は怠慢が起きる。
その人材の中で腐ったミカンを見極めて取り除くイベントが発生する事が多々ある。
そうした人を見極める能力の有無や外国人職人との調和を優先して作業が遅れに遅れ、取り返しが付かないイレギュラーに追われる人物も見てきた。
そうした人間模様の面白さを漫画で学ぶのは、面白い事だと思う。
戦闘シーンやチームワークなど、サポートやバックアップの考えなど、チーム戦や個人戦、スポーツ的要素を戦闘に置き換えて考えると、戦術などの多くの考えが見て取れるので、参考にするのは面白かったりする。
実際には、人を上手く意図的に動かすのにもテクニックとして、聞き上手になったり、叱ったりも必要になる。
報酬と罰の使い分けが大事だよね。