Dr.STONEのGPSは、実はラジオビーコン?

Dr.STONE で GPS を作ったんだけど、電波の種類までは説明がなく、宇宙を通りこして届く電波の場合、長波または超長波が必要になる。

無線で使用するのであれば短波を使う訳だけど、短波の場合、昼間よりも夜間の方が太陽の影響による電波の乱れが少なくなる。

実際に、太平洋戦争時代の GPS は、ラジオビーコンと呼ばれる一定の周波数の信号を送って、位置を特定するという考え。

2点間3点間の電波の受信速度のズレを計算して、現在位置を特定するという考え。

過去のレーダーなどにも使用された技術で、昭和のお店などの入り口に取り付けられていた赤外線が遮断されるとブザーが鳴って、お客さんが来たのを教えてくれる装置と同じで、日本のレーダー技術は始まってる。

GPS は、3点間の電波を受信し、その電波の範囲内で重複する電波の円の範囲を接点で現在地を特定する技術。

ラジオビーコンは、航空機でも未だに使用されるシステムで、飛行機の航法には複数の電波による誘導がなされている。

航空機の場合、長波でも問題はない。

通常、無線機などで使用される短い電波の帯域を使って高出力の電波で無線を飛ばす場合、日本からオーストラリア程度なら、短波無線(CB無線機)でも通信できる。

日本とオーストラリアのように、海を介して遮蔽物が少ない場合、電波の出力を上げれば夜間などでは普通に会話できる。

情報はダダ洩れだけどね。

船舶の無線電話など、1980年代の電話では、彼女や家族と通話してる会話内容を他の船舶などが傍受して会話を聞くことができた。

800MHz時代の携帯電話も実は同じだった。

1.5GHzの暗号送信が一般的になってから、携帯電話の通話内容が簡単には傍受されなくなった。

電波の速度は 30万km/sec ということで、目的の電波灯台を設けて自身が発した電波の反射速度を利用して、レーダーのように活用する事もできる。

同時に発信した3種類の電波を受信する速度の差異を計算するので、予め二進数の真空管装置(できるなら鉛系ガラスを使ったトランジスタ)で計算機を作っておかないと、瞬時に場所を特定するのは難しい。

真空管も全く同じようにコンピュータとして機能する。

トランジスタでも良いけど、信号の捉え方で2進数を活用するのが計算機の特性であり、16進数(4bit)の並び2個を1byte として、128個の byte を一まとめにしたのがパケットと呼ばれる単位。

回路としては、動画にもあるように8個の ± 信号を使って、更に11個の±信号と8個の信号で二桁の単位を出力してる。

ユニット数で言うと、16 + 11 = 27個の真空管が必要になる。

真空管にする必要はないので、電気の流れる回路にすれば良いだけの話
128bit(1Packet) 16³²
(16の32乗)「340282366920938463463374607431768211456」となる。

※ トランジスタなら回路も減らせるので、真空管よりも合理的。

レーダーの計算の範囲なら、この数値で足りる。

ちなみに、世界初のオールトランジスタ計算機は、日本のSHARPが作ってる。(現在、台湾企業の子会社になってるけど…)

世界初の電卓だね。(電子卓上計算機)

レーダーやGPSの話が出たなら、電卓がなければ計算に追いつく訳がないんだよね。

あとは、水晶の振動数と波長と時間と反射速度を計算して、3つの観測地点の電波速度の差異(誤差)で距離を割り出す。

また、おおよそ 1,852m(海里)を割り出す術もない。

海里とは…
地球の360分の1が緯度1度、1度のさらに60分の1が緯度1分です。
南極・北極を通って地球をぐるりと一周する長さの (360 × 6 =) 21,600分の1の長さが1海里ということになり、 メートルで表すと1,852mになる。

正確なメートル尺を定義できないと、全てのモノの定義が人間の五感によるものになってしまう。

※ 1mは地球の北極点から赤道までの子午線距離の1000万分の1とする

初期は、地球の中心点から9度の角度でフランスのダンケルクからスペインのバルセロナまでの距離でメートルが定義されていた。

現在は、光速の「299,792,458メートル毎秒」という定義値と、「秒」から導出される「299,792,458分の1光秒」が1メートルと定義されてる。

自分の身長にしても、関東と関西では約10mm以上も身長差が出てしまう。

朝起きた時間帯にもよるけど、複数名のおおよその身長を基準に平均値を割り出し暫定値を設定すれば、正確なメートル値が設定できるので、おおよその目安は作れる。

あとは、水晶の固有振動数などを元にクオーツを作る。

※ 機械時計に対し、クォーツ時計は300倍以上の高精度を得ています。
これは水晶振動子とICの発明の賜物であり、水晶振動子の代表的な周波数として32.768kHzがあります。
この32768HzをICにより1/2に分周し続けると、時計の基準の1秒1パルス(1Hz)ができてきます。

Dr.STONE では、水晶を使って電子の流れを周波数として見るレーダーを作っているので、トランジスタを使って周期から時計を作る事が可能。

3700年後の未来の周期だと24時間と 5分くらいの自転数に落ちてると思うけど…

従って、ラジオビーコンとトランジスタ計算機で、GPSは作る事が可能だという事です。

さすがに、Dr.STONE のやり方だと、どんだけ計算速度が速いんだってなるけどね。

船が潮で流されることを計算に入れてない。

実際に、僕が船舶に乗船していた33年以上前のGPSとビーコンを使った航跡などを見ても、潮や風の影響を受けるので、自動航行装置で何度も向きを補正しながら航行していた。

GPSで航跡が残らない昭和初期の船舶では、星の位置とビーコンによる現在地測定に、クロノメーターで(世界標準時)をベースに星の位置などで現在地を特定していた。

その際に六分儀が有効に作用する。

実際に太陽の昇る時間と方角、船が進む速度に合わせて、数名が並んで六分儀の角度を合わせて、それぞれの差異で進行方向や場所を特定する方法もある。

自衛隊などでは、3名ほどが並んで六分儀で方角と太陽の位置などで現在地を割り出し、航行する目安を時間ごとに計測して潮の流れなどによる誤差を確認する。

機械が壊れても人間の力で基地に戻れるように、訓練されている。

天体の方角や太陽の昇る時間など、最初に基準となるランドマークを設定して、時間の概念を持つことが必要なんだけど、Dr.STONE では、最も重要な概念が全く省かれている。

おそらく遠洋の海に出ることは、不可能だと思う。

むしろ、天体の位置や太陽の位置と水晶時計を作った方が、何百倍も航海に役立つ航法装置になると思う。

漁船の速度13~16ノット程度で日本の神奈川を出向してからパナマ運河までの到達時間が約2週間程度なので、帆船で低速時はエンジンを活用すれば、北回りのハワイ沖の北を進めば 10日前後で到達する。

帰りは、赤道よりも下の南半球側から流れる海流に乗ると18ノットほどの速度に上がるので、意外と赤道よりも下の海域を通ると早く船を走らせる事ができる。

同じように、12日前後でペルーやチリ沖から戻ってくる事ができる。


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