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アニメ平家物語を解説する 7話

 前回の記事はこちら。

 今回のタイトルはズバリ「清盛、死す」。「城之内死す」を彷彿とさせるドストレートタイトルですね。毎度ながら、ガッツリアニメのネタバレも入っているので未視聴の方はお気をつけて。また、『平家物語』のこの先の展開についても言及しています(史実や古典にある展開についてはネタバレにカウントしてません)。もし気になる方は一通り御視聴のあとでご覧になっていただいた方が良いかと思います。

 冒頭、毬杖(ぎっちょう)をする清経と敦盛。
 「僧兵たちがおじいちゃんの頭に見立てて遊んでるんだってー」と言いながら「敦盛殿も打ってみては?」という清経君、そりゃ敦盛もびっくりするよ。
 この毬杖の話は『平家物語』巻5「奈良炎上」に書いてあります。ついでに「清盛は今上帝の外祖父なのに、そんな無礼なことよう言うわ」みたいなコメントが地の文に書いてあります。僧兵批判されてる。

 前回福原に遷都していましたが、半年で京に帰ってきた皆さん。『平家物語』だと富士川の戦いのくだりの後にある、巻5「都帰」にあたりますね。「奈良炎上」の直前の章段でもあります。
 「やはり都はここですね」という清経にヒヤヒヤしてしまう。絶対天然なんでしょうが、おじいちゃんのこと間接的に批判してるぞ!!
 ちなみに清経の「清」は清盛の「清」から取っていると思われます。
 維盛の息子の六代の元服名は「高清」と言いますが、これの「清」も清盛から取っているとか。本当は「高盛」にしたかったけれど平家色が強すぎて親戚の藤原氏から反対されたので、清盛の清から取ったという話です。
 宗盛の息子の清宗も、清盛から取ってます。平家内では「盛」と同じくらい人気(?)の字だったようです。

 OP後、高倉上皇の看病をする徳子。
 ここからの興福寺関係の話は、毬杖と同じ「奈良炎上」にあります。
 ここで出てくる妹尾兼康は、ここではちょい役ですが『平家』的には非常に良いキャラでして、巻8に「妹尾最期」という章段をまるっともらっており、親子の悲哀が描かれています。
 使者を立てて興福寺に討つ気がないことを、非武装で伝えるように命じる清盛でしたが、非武装の使者たち60人は全員斬られて晒し首になってしまいます。ひどい話だ。
 宗盛の「父上、どうか落ち着いて」はかわいかった。こういう愛嬌があるとこずるいですよね宗盛は!!! 
 対興福寺対策の総大将に任命されて絶望顔の重衡。対寺院戦トラウマなんだろうな……。そして、また不穏な風と夜の戦。

「民家を燃やし、明かりを取るよう。十分に気をつけよ」

 そうは言っても風が強い日に火をつけたら、そりゃよく燃えます。気をつけても燃えます。
 うっかり東大寺まで燃やしてしまいますが、清盛はご機嫌。でも時子に「祟りがないと良いのですが」と言われてちょっとしゅんとするのはかわいい。言われないと思わんかったんかい、とツッコみたくなりますが、だからこそ清盛の出家が信心によるものではないことがわかりますね。死ぬ時まで神仏に縋っていた重盛との差がよく出ているわけです。
 ちなみに、『平家』でも、「入道相国だけが、激おこだったのが晴れ晴れと喜んでいた」と書かれています。清盛……。この時期の貴族日記を見ると、『玉葉』や『山槐記』では藤原氏の嘆きが尋常ではなく、転げ回って号泣みたいなことが書かれてたり、火事で焼失したものを箇条書きで書き連ねてたりしてました。個人的には、焼失したものを一つずつ日記に書き連ねている時の気持ちを考えると辛いですね……。「悲しい!! 平家嫌い!!」とか書くより淡々と失われたものを記録していく方が、恨みが深い感じがする。表現の勉強になる。
 この「奈良炎上」をもって巻5が終わります。

 小松家会議。兄弟を比較すると、維盛が悲観的で清経は楽観的、資盛は現状は把握しているけど悲観的でいるのはやめよう! みたいなスタンスって感じですかね。
 お正月にも敦盛君がいるのがかわいいですね。入り浸っている。

 そして上皇様が危篤。両親に呼び出される徳子。上皇様が崩御された後の話をするのは流石に早すぎるし不敬すぎてビビります。そりゃ徳子も怒るよ……。
 一応清盛としては、自分のためというよりも娘・孫かわいさがゆえの提案だったんでしょうけどね。今まで自分の意思を関係なく道具みたいに使われてきたと思っている徳子からしたら、それは建前に聞こえてしまうでしょう。
「無理にでもとおっしゃるなら出家いたします」と言うときの徳子は、清盛の血を引いている勇ましさでしたね。この話、貴族日記の『玉葉』の記録にあるのでおそらく実話ですね。徳子強い。
 上皇様は結局亡くなってしまいます。『平家物語』巻6の始まり「新院崩御」によれば、高倉上皇は平家の屋敷である六波羅の池殿で亡くなったとのことです。御年21、若すぎる死でした。
 琵琶が別れる際に、死者が見える方の目で徳子を見ると、高倉上皇の魂が徳子と安徳帝を包み込むように抱きしめていました。ここ切なくてしんどいですね。他の女性とも子供を何人も作った高倉上皇ではあったけれども、最期に徳子の愛情と献身に気がつくという解釈をしてくれたアニメは素晴らしいと思いました。
 一方『平家物語』では高倉上皇の崩御の章段の後に、上皇が愛した女性たちのエピソードを連続で入れてあり(「葵前」「小督」)、徳子のこと考えるとなんかスンってなってしまう。多分だけど、徳子と結婚させられ、平家に翻弄されて、自分が愛していた女性と普通に恋をすることも叶わなかったんだねって感じで、一応高倉上皇に同情した配列になってるのかなあとは。『平家物語』って、最終の「灌頂巻」以外、あまり徳子の心情について触れている章段がないんですよね。一応女院だから下手に掘り下げられなかったのでしょうか……? またはラストで、今まで沈黙を貫いていた徳子に初めてガッツリと話をさせることで、よりクライマックスとしての効果を上げるためなのかもしれない。「灌頂巻」は『平家物語』完成後に後から追加された巻という説もあるけれども、もしそうだとしたら、「徳子について全然語られてないじゃん」と思った人が書いたのかもしれないなとも。

 さて、清盛。知盛から木曾義仲が兵を挙げた報告を聞いています。木曾義仲が挙兵したらしい、と言う報告が上がってくるのは『平家物語』では巻6「飛脚到来」という章段です。
 各地で反乱が起こり、徳子にも嫌われてしょんぼりしているところを知盛に叱咤され、宗盛に励まされます。宗盛は「平家にあらざるは人にあらず」をエールみたいに使うんじゃない笑
 「宗盛殿が総大将やるらしいよ」「大丈夫かなあ」って清経と敦盛が噂している。宗盛が大将やるというのは巻6「入道死去」の冒頭に出てくるお話です。
 その噂の流れで宗盛に場面が切り替わりますが、清盛が病気という知らせを受けて六波羅に向かえば、清盛はひどい熱を出しています。木曾義仲の報告を聞いていた時に冬なのに暑がっていたのは病の兆候だったわけです。「入道死去」の記述によると、宗盛が総大将として出立しようとしたら清盛がやばい病気だって聞いて行くのやめたそうです。源氏だったら「パパが病気だからって戦やめるなよ」って鼻で笑われそう。ここで戦に行けないのが平家であり宗盛であるって感じですね。
 清盛の死因は「あっち死に」と言われています。『平家』の描写では、体の中で火を焚いているように熱く、清盛は「あついあつい」としか言えないし、ひどい高熱で水をかけたら湯になってしまったり蒸発してしまったと、本当に文字通り「焼け石に水」ってやつですね。アニメでもバッチリ再現されてました。驚きすぎてる宗盛がここでもちょっとかわいい。アニメのお笑い担当、またはほっこり要員ですね。
 一説によると清盛の病はマラリアだったのでは? という話もあるらしいです。

 時子が見た悪夢も「入道死去」に出てきます。燃え盛る車は火車という罪人を地獄に迎える時に使う車で、閻魔様の使いと言っているのは「牛頭(ごず)」と「馬頭(めず)」という地獄の獄卒です。ファンタジー風にいえば異形頭ってやつです。
 「あの方は寺や大仏を焼いたので身を焼かれています、この後は無間地獄コースが待ってます」と言われたところで目が覚めました。『平家』によれば、時子はこの夢をみんなにお知らせして、聞いた人はみんな怖がったそうな。病人の耳に入るかもしれないところで、「この後地獄らしい」って言うのどうなの? って思いますけど、「金銀財宝であったり、馬や武具を霊仏霊社と言われる寺社仏閣に奉納して祈ったけどどうしようもなかった」と『平家』には書いてあるので、時子は寺社にそのような対処をするために報告したんですかね……。
 アニメで危篤の清盛が板の上に寝ているのも、『平家』の描写通りです!! 拾ってるとこ細かい!!
 徳子が遺言を聞くのも『平家』にあります。(福原に散骨してねという遺言は覚一本にはなかったです。)ここの清盛の遺言は『平家物語』でもかっこいいんですよね。各地で源氏が挙兵してるし、貴族とはまだ揉めてるし、寺のことも解決してないし、世間からも嫌われ始めてるし、全然心残りもありそうなんですが、「今生の望み一事ものこる処なし」と言い切るのがかっこいい。でもやっぱり「思い残すのは頼朝の首を見なかったこと」という。「死後の孝養は必要ないので、頼朝の首を墓前にかけよ、それが孝養だ」と言う清盛。平治の乱の時に、継母の言葉を聞いて頼朝を助けたことを何回後悔したんでしょう。
 アニメでは、そのように強い執念で遺言を言い終えた後で、「徳子はまだへそを曲げておるのかのう」と「父」としての一言、少し心配げな顔で終わったのがとても切ないですね。「平家の棟梁」「諸悪の根源」みたいな終わりではなく、清盛も「一人の人間」という描かれ方なのがすごく好きです。
 「へそを曲げている」と言う表現で、死に際までも徳子の気持ちを完全に理解できなかったということもわかり、ここに徳子がいても親子として分かりあうことはできなかったかもしれないねという意味でもまた切ない。多分、自分は親として徳子のために動いていると思っているからこそ、徳子がそれを望んでいないことが理解しきれていないんでしょうね。つらい。

 無言のまま粛々と進む葬儀の様子。『平家』によると、これは福原に清盛が防波堤として築いた「経の島」という島だそう。
 西の空を見て「燃えておる」って言う重衡のトラウマがひどい。それは夕焼けなんだよ。朝焼け見ても思い出してそう。重衡は、なんかもう火難の相でも出てるの? ってくらい火と相性悪かったね。
 と言ってたら本当に実家が火事でした。清盛の西八条の屋敷が燃えた、というのは「入道死去」の次、巻6「築島」に書かれています。清盛の葬儀の後で不思議なことが色々あったよ、といううちの一つですね。寺を燃やすと怖いぞってのはよくわかりました……。『平家物語』自体仏教色が強い作品なので、自然とそうなるわけです。正義の人として描かれている重盛が信心深いのもその影響でしょうし。

 さて、重盛の魂とお話する琵琶。そこへ維盛が息を切らしてやってきます。「父上も亡くなってお祖父様も亡くなった平家はどうなるのか教えろ!」と琵琶に迫る維盛。不安で不安で仕方ないのがよく表れてます。
 維盛を責める資盛。富士川のことを引き合いに出すのは反則だよお……。一応清経がフォローしてくれるけど、「疲れてたんです!!」って。あのもっとメンタル面をフォローしてやってくれって気持ち……いや、これは推しへの偏愛による感想なのですが。資盛から見たらどうしようもないことを琵琶にあたってるみたいで印象良くないもんね、仕方ない。
 冷静になった維盛が去った後で、資盛は琵琶に出ていけと言います。「お前のことなんか最初から嫌いだったんだよ!!」的な、少女漫画の気持ちすれ違ってる時のヒーローみたいなことを言います。傾いた平家にいると琵琶にとって良くないし、小松家にいるとまた維盛や他の平家の人が「未来見ろよ!!」って言ってくるかもしれないから琵琶を遠ざけたんですよねー。
 でも琵琶ちゃんはには全部お見通しでした。すれ違わなかったのは安心。

 琵琶が小松家を出て行ってから、後白河法皇と徳子がお話している場面へ。この二人が話している場面も良く出てきますが、徳子が舅に尽くしている描写でもあり、これもまた「灌頂巻」というラストシーンへの布石なのかもしれません。
 後白河法皇は、清盛について憎まれ口を言いますが、憎さだけではないような感じも滲ませているような……。かつての盟友みたいな気持ちがあったりしないんでしょうかね。ないかなあ……。
 後白河法皇の後宮に御子姫君(みこのひめぎみ)が入ったという話。これは『平家物語』巻6「廻文(めぐらしぶみ)」の冒頭にあります。「廻文」は木曾義仲の話題が出ていた「飛脚到来」の一個前の章段なので結構前後しました。高倉上皇が崩御後間もなくそのような対応をとった清盛を、貴族たちはささやきあって批判していたそうです。
 アニメでは「そなただったら良かったのに〜」みたいなことを言っちゃう後白河法皇はほんと後白河法皇ですよね。実際に後白河法皇は御子姫君の後宮入りは辞退していたそうです。でも御子姫君のお付きの女房に手は出したらしい。そういうとこ!
 「望まぬ運命が不幸とは限りませぬ」と言う徳子はその根拠を「望みすぎて不幸になった人たちを多く見て参りました」と言っていますが、実際言いたかったのは「元々は望まぬ運命だったけれど、自分は現在不幸ではない」ということだったのかも。高倉上皇と安徳帝と家族であったことは不幸ではない、と思っていたと思いたいですよね。
 そして今様を歌ってくれる徳子。年下の異母妹、御子姫君のところへ行ってお話相手になる様子は、御子姫君目線では理解者としての頼もしさ、徳子目線では同母妹の盛子にしてあげられなかったことをこの子にしてあげようという姉としての慈愛が感じられます。
 今様を歌ってくれたのでご機嫌チョロ院になったかなと思いきや、珍しくシリアスモードのまま「徳子は無間の泥の中に引き摺り込まれているんだよなー」と独り言を言うところで今回のお話は終わりです。

 強く生きて不幸にはなるまいとする徳子ですが、これから平家がたどる運命に巻き込まれて逃げられないフラグが立っていますね。今回は清盛メイン回のようですが、実は徳子のための回って感じがします。

 さて、お待たせしました。今日の維盛のコーナーですよ。

・小松家会議
 興福寺・東大寺が燃えた件についてちょっとイライラしていますね。やはり将来的に自分が平家を継ぐ可能性を見ているからこそ、世間の対平家感情には敏感なんでしょう。

・清盛の葬儀
 顔が美しすぎて誰かと思った。二度見してしまった。清盛の子供たちの列には入れないけど、その他若い衆と親戚筋(清盛の弟一家)の筆頭って感じの位置ですね。本当は重盛の代わりのポジションだから葬儀では前列に入ってても良さそうですが……。

・琵琶に迫る
 ここの維盛は余裕なかったですねえ。全肯定botたる私でも流石に「それはダメだ……ずっと未来を見たくないって言ってる琵琶ちゃんにそれはダメだ」って思いました。
 でも大好きな推しなので敢えてフォローするなら、このとき維盛は琵琶にしか頼れなかったんですよね。前回の松林で琵琶に本音を吐露した時もそうなんですけど、維盛は資盛と違って琵琶に縋っちゃうところがあるんだと思います。資盛は琵琶とは対等、もしくは自分が庇護するくらいに思ってそうですが、維盛は子供の時から琵琶に「遊んでよー」と言ってたくらいですから、昔から琵琶のことを頼りに思ってるんですよ。重盛も清盛もいなくなってしまって、重衡は病んでるし、長男として弟たちは守らないといけない対象であって頼るわけにはいかない、もちろん妻子も守らないといけない。自分が頼れる人が全然いなくなってしまったのを清盛の葬儀で改めて感じて焦っちゃったんだと思うんです。清盛に頼ってたか? って思われるかもしれませんが、清盛っていうのは直接的に「おじいちゃん」として頼れなくとも「平家の大黒柱」として君臨していたわけなので、そこがいなくなったら平家そのものが潰れちゃうわけで。だから、琵琶に甘えちゃったんです。琵琶もそれをなんとなく察していたから、本人にとってはかなり嫌なことを言われただろうに維盛を強く拒否しなかったのかなとも。
 そういう点では、本編の方で「もうちょっとメンタルを……」とコメントした清経の「兄上はお疲れだったのです」というフォローがちょっと沁みるかもしれません。維盛は重盛が倒れてからずっと小松家の代表として、アウェーな時子腹のおじさんたちの中に入って色々と重要な行事に参加していたわけで。長男の義務といえばそれまでですが、弟たちとは違う気苦労や身体的な疲れもずっと溜まってるわけなんですよ。
 もちろん、戦だってその一環です。資盛は「そんなふうだから水鳥の羽音で逃げ出すんです」っていとも簡単に弱点をついてくるけれども、批判するだけなら簡単ですよね。いくら弟で、身内の恥に思っていても、その場にいなかった人が簡単に批判していいことではないのです……。まあ資盛はそれだけ維盛が琵琶にあたったことを怒ってたってことかもしれませんが。

 資盛は続けて「未来がわかったところできっと何もできません」と維盛に言うわけですが、これはまあ実際そうだろうなと私も思います。ごめん推し、今日は全肯定botになれない。
 と言うのも、アニメからはちょっと外れた話になりますが、維盛という人は割と平家の中では「未来を見ながら消えて行った人」というような印象もあるのです。いや未来見えてたら負けへんやろ、と思われるかもしれませんが、史実の方では富士川の戦いの時に「一刻も早く戦に行きたい」と主張していました。あのとき一番未来に備えていたのは維盛でした。
 『平家物語』の方ではどうなんだ、というと、この先の展開ではありますが、維盛は都落ちのときに妻子を置いて行きます。しかも宗盛に「どうして息子連れてこなかったの」と聞かれた時「行く末が頼もしいと思えませんでしたので」と言っちゃうんですよね。めちゃめちゃ批判されますが、連れて行ったら妻も子も辛い目にしか遭わない未来がわかっていたからこそ、自分が矢面に立つことになっても妻子を守ろうとしたんですよ。それはそれとして矢面に立ったことが原因でガッツリ病みましたがね。あと戦はしっかり負けてますがね。
 入水の時も(これについてはまた後の回でガッツリ書く予定ですが)ずっと入水に踏ん切れなかったのが、「あなたが先に死ぬことで、後からくる妻子を導ける」と聞いて飛び込むんです。それは、もはや自分がこの世にいない未来を見据えての行動でもあり、切なくなります。
 アニメの方でも、橋合戦の時に一瞬水鳥が飛び立つ未来を見ていましたね。あれは維盛のそういう面がちょっと現れているのかも……、と思ったり。
 維盛は平家の中でも結構情報が入りやすい立ち位置であり、責任感もあるので将来の棟梁の座を小松家に戻そうと奔走しているんですよね、実は。戦況の分析はともかく、世情や平家の立ち位置については客観的に分析できていたのではないかと。でもだからって何の役にも立ってなくてアニメの「未来を変えられない」という言葉が刺さる。本当にな……。何も言えなかったのか、聞く耳を持ってもらえなかったのか。維盛に足りないのは、行動力と人を動かすカリスマ性かな。維盛が人を動かしてる図ってほとんどないのでは。
 そういうわけで、立ち去る維盛の背中を私は複雑な気持ちで見ておりました。琵琶ちゃんにちゃんと謝れて偉いね!!!


 今回はここまでです。
 最後の推し擁護論が想定より膨らんでしまいました。清盛が死んでアニメの話数的にも後半戦になり、平家にとって辛い展開も続きますが来週もがんばりましょう……。今日の維盛コーナーもとい推し語り欄も頑張りますよ!!

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