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【4コマ】公任さん(一) 三舟の才(前編)

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 今日から気まぐれ連載で、私の好きな貴族、藤原公任(ふじわらのきんとう)について紹介します。
 目標としては、週1か週2くらいで更新できるといいなあと思っています。

 最初は数回の記事にしようとまとめていたのですが、この人、当時の超有名人で、めちゃめちゃ活躍していた人なので、書ききれないほど面白いエピソードが残っており……せっかくなので連載にしよう!と。
 簡単な4コマ漫画+解説という形で紹介していきます。(平安貴族の服描くの難しいですね)

【注意事項】
・漫画の外見は、基本若いままで描いてます。キャラクターイメージですね。当時の実年齢の参考にはなりませんのでご注意ください。
・古典がベースですが、厳密に正しい現代語訳ではありません!わかりやすくなるように訳しているのでご注意ください。

 では早速今回の話についての解説に入ります!

【大鏡】三舟の才~前編~

 第1回のお話は「大鏡」がベースです。公任さんといえば三舟の才。ぜひ、「三舟の才」という言葉だけでも覚えていってください。

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 ある秋の日、藤原道長が大井川で舟遊びを開催しました。(※漫画では若く描いてますが、本文ではもう出家しており「入道」と呼称されています)
 漢詩の舟、和歌の舟、管弦の舟と、三種類の舟を用意し、それぞれに自分がチョイスしたその道のスペシャリストを乗せていました。
 すると、そこに公任さんがやってきます。

道長「大納言(=公任)はどの船に乗るだろうか?」

公任「私は和歌の船に乗りましょう」

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 本文はもう少し続きますが、今回はここまで。

 漢詩、和歌、管弦は、平安時代の宮中で必須の教養でした。その一つでも才能があれば、天皇や偉い貴族に気に入られて出世する道も開けます。

 道長が「どの船に乗る?」と聞いたということは、公任はどれに乗ってもいい=管弦・漢詩・和歌のすべてに優れていると認めていたということになるわけですね。 そこに呼ばれた人達の中で、唯一公任にだけ、どの舟に乗るかの選択権があったわけです。

 原文では、「乗らるべき」となっており、「べし」を適当で訳すケースもあるようです。その場合は「公任はどの舟に乗るのが良いかなぁ」、と迷ってる感じですね。どっちでも解釈できるので、今回は推量で訳しました。「べし」はややこしいですよね。

 さて、次回は後編。和歌の舟に乗った公任さんの和歌と、その感想は、どんなものだったのでしょう。

 

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