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初心者のための天文講座~天体について その1 恒星~

ここは初心者の方に向けてお話をしています。
中には細かいところの説明を省いたりしているところが多々あります。
そこのところご了承ください。

前回、ごく簡単に天体の分類について少しだけお話ししました。
では、ごく簡単に復習しましょう。

天体とは、「宇宙空間に存在する天然の物体」のことです。
そして天体は恒星・惑星・準惑星・小惑星・衛星・彗星・外縁天体などに分類されています。

それでは今回はひとつひとつの分類について、数回に分けてお話していこうと思います。


・恒星とは?

太陽の事です。以上。

これで済ますのは乱暴すぎでした。
気を取り直して、恒星とは、自らが光やエネルギーを発するガスでできた巨大な高温の塊です。

夜空を見上げるとたくさん星が輝いて星座を構成していますよね。
自ら輝くあの星たちのほとんどが恒星です。

特徴としては、夜空に見える恒星たちは地球上からの見た目ではほとんど動きがありません
東から西に動いているよ?と思った方、それは錯覚です。動いて見えるのは地球が自転や公転しているためです。

ここで、専門用語が出てきました。
自転とは、天体が一つの軸を中心としてが回転している動きのことです。コマのようにくるくると回っています。
ほとんどの天体は自転しています。太陽や月も自転しているのです。見た目上はわかりませんけどね。

そして公転とは、一つの星を中心に円・楕円軌道で周回する動きのことです。例えるならハンマー投(ハンマー投げじゃなくてハンマー投が正しい表記だそうですよ)でしょうか。
選手が回転の中心にいて、その周りを(ワイヤーで繋がってはいますが)砲丸が回っている、このイメージです。

自転と公転のイメージはつかめましたでしょうか。
話を戻しまして、夜空の星たちは、それぞれの位置関係は変わりませんよね。
ある時間帯はオリオン座で、1時間後にさそり座になってることはありません。
恒常的に固定された星、という意味で恒星と名付けられています。
でも、実際はそれぞれの恒星も動いています。しかし、動いていないように見える理由は、果てしなく遠いところにあるからです。

・恒星までの距離

地球から一番近い恒星はもちろん太陽ですが、地球から太陽までの平均距離は約1億4960万kmです。東京駅ー新大阪駅間を走る東海道新幹線の実距離が515.4km(営業キロは552.6km)ですので約14万5130往復できる距離です。

次に近い恒星はどれくらい離れているのでしょうか。
それはケンタウルス座のα星系プロキシマ・ケンタウリで地球からは4.243光年離れています

ここで、用語が二つ出てきました。ひとつはα星、もう一つは光年です。
ひとつめのα星とは、一つの星座を構成する星の中で最も明るい星、または星系のことを言います。星系とは互いに影響しあう複数の星の集まりのことです。
もうひとつの光年とは、光が一年間に進む距離のことで、距離の単位です。
9,460,730,472,580.8km、つまり約9.46兆kmです。途方もない距離ですね。

話を戻しまして、ケンタウルス座α星系プロキシマ・ケンタウリ。この星にたどり着くまでに光の速度で約4年3か月かかります。
旅客航空機は巡航速度がマッハ0.8~0.9くらいだそうなのでマッハ0.85(時速約900km)で飛び続けたとして、800万年以上かかります。
今から800万年前はまだ人類は誕生していないそうですよ。
計算間違ってたらごめんなさい。

近い恒星でこれだけ離れているので、遠い恒星となるとどれだけ離れているのでしょうか。ACS J1149 Lensed Star 1、通称イカロスという恒星で、その距離実に144億光年!
まさに天文学的数字です。

・恒星の分類

ここまで、ひとくちに恒星と言っていますが、恒星にも分類があります
ですが、今は特に覚えなくても大丈夫です。
でも書いておきますので、難しかったら読み飛ばしてください。

分類はふたつで、光度階級(星の明るさ・大きさ)で分けるものとスペクトル型(星の温度)で分けるものです。

光度階級はⅠ~Ⅴに分類され、Ⅰ超巨星、Ⅱ明るい巨星、Ⅲ普通の巨星、Ⅳ準巨星、Ⅴ矮星となります。
さらに細分化するために、a,bなどつけられます。

スペクトル型では温度が高い方ものから低いものへ、O-B-A-F-G-K-Mと分けられます。
星はその温度によって色が変わります。
Oー青、Bー青白、Aー白、F-黄白、G-黄、K-橙、M-赤という感じです。青いほど高温、赤いほど低温となります。

そしてこの二つの分類を合わせたもので星を分別しています。
表にするとこんな感じで、

HR図Wikipediaより

青色巨星とか、白色矮星、赤色超巨星などと言います。
この中で左上から右下にかけて白い線が引かれていますが、この線の付近にある星を主系列星といい、太陽は主系列星に位置します。

余談ですが、スペクトル型の並びのO-B-A-F-G-K-Mですが、語呂合わせの覚え方があります。それは、

Oh, Be A Fine Girl, Kiss Me!
おお、いい娘でいてくれ、キスしてちょうだい!

というものです。

・太陽系

先に星系という言葉が出てきたのを覚えているでしょうか。
地球も他の天体と影響しあって存在しています。その影響の中心にあるのが太陽で、太陽が影響を及ぼす範囲、大雑把に言って太陽の周りを周回している天体群を太陽系と言います。
この言葉は今後非常によく出てくるでしょうから必ず覚えておいてください。

恒星ひとつで非常に長くなってしまいました。
ここまで長くなるとは思っていませんでした。
次回は惑星についてお話していきたいと思います。

ここまでご覧いただきありがとうございます。
ぜひ次回もよろしくお願いします。

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