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星めぐりの悪い恋人たち

3月23、24日。
舞台「ロミオとジュリエット」無事終演致しました。
私の札幌での最後の舞台。
12月下旬から稽古が始まって3ヶ月。
こちらも本当に色々な思い出があった。

「札幌で最後だから」
思い入れが他の舞台と特段違う。

本格的に稽古が始まった時には無事に卒業後の進路も決まっていたので心置きなく稽古に励むことができた。
今までは学校を言い訳にしすぎてましたね…

だからこそ今回は言い訳なんてものは通用しないのに、
期限までにセリフを覚えられなかった。
なんなら役決まる前から練習始めてたのに。
シェイクスピア作品はセリフが長すぎるのを改めて感じたけど、やっぱり自分も練習不足だった。

…でも、前回のヴェニスの商人よりはセリフ覚えれました。

だが正直!今回私が1番苦戦したのはセリフ覚えではない。

稽古期間、
自分の気持ちとの向き合い方が分からなくなった。
病んでた、とかではなくて。
(割と病みそうではあったけど)
稽古に行きたくない時もあった。

稽古してくうちに、
自分のやりたいことがこれなのか(将来的な話じゃなくて、稽古中において)、とか
どうやったらいいのか、とか
あとは言葉に出来ないようなもどかしさや不安がずっと心の中にあって、
何が分からないのか分からない、みたいな状態がずっと続いて。

でも
私はジュリエット役だし、
私が休んだらみんなに迷惑かけるし、
主役が弱音ばっかり吐いてたらダメだと思ったし、
主役なんだから1番頑張らなきゃいけないって、
自分で勝手に自分にプレッシャーをかけて。

だからほんと些細なことでも手を抜くことを許せなかった。
弱音を吐くのも、吐かれるのも嫌だった。
言葉よりも行動が全てだと思ってた。
もっと前向きに取り組みたかった。

1人だけ頑張るベクトルが違ったなって思った。
考え方が様々な人達が集まってるのが演技講座の良いところだけど、
それ故に学ぶことも困ることもあった。

どうしてか無性にイライラすることも多かった。
(これはほんとに私だけの問題なので講座は悪くないほんとに良いところ)

このままだと嫌いになっちゃう、と思った。

私だって演劇歴は長くないから、弱音を吐きたかったし誰かに安心させて欲しかった。
でも自分の悩みなんて人に相談したって自分が変わらなきゃ結局意味ないから、だからそういう意味では1人で頑張らなきゃいけないと思った。

そのせいで純粋に演劇を楽しめなかった部分もあった。

色々悩んでるせいで視野が狭くなったんだろうな、

だからとりあえず期待することをやめた。
私がうだうだ悩んだところで変わることはない。
変に期待してたから、
そうじゃなかった時のショックは大きいし余計悩む。

まぁそんなもんそんなもん、
くらいに思ってれば少しは楽だった。
もちろん、
心の中では許せなかったけど。

そのせいなのか、はたまた関係ないのかは分からないが

自分の演技も納得いかなかった。

本番は全てやりきった、出し切ったけども。

稽古期間、
「私だけのジュリエット」に異常なこだわりを持っていたが、
やっていること全て誰かがやっていそうなことばかりで。
別に個性を出せとか言われたわけじゃない。
私にしか出来ないジュリエットを演じたかった。でも
個性、だとかオリジナリティ、だとかがよく分からなくて難しかった。
後半は正直、
そんなものくそくらえ!って感じでしたが。笑

もうちょっと自分自身に集中出来ていたら、
もうちょっと自分と向き合えていたら、
もっといいものができたかもしれない。
って思うとちょっぴり悔しい。

小屋入りしてからは不思議と時間の流れが早く感じ、気づけば一日が終わって気づけばもう4ステ目。

これで札幌で最後なんだなぁと思うと
やっぱり今までの分の思い出も込み上げてきて泣ける。

これまでにも演技講座に参加していて東京や違うところに旅立っていった人たちはいると思うけど、やっぱり私は演技講座が大好きなので離れるのは寂しい。

寂しいです。
東京にいってしまったらもう、
街中でばったり会ったなんてことがなくなるんだなあと思うと、
すっごく寂しい。

みんなのおはようございますの声を聞くことも、
みんなとプランクすることも、
しばらくないんだと思うと…


またいつか、大きくなって帰ってきます。


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