責任を負えない

僕は責任を負えない。僕はただただ悲しいままだから。

誰かと別れるとき、僕は悲しくなる。ただ、その人と別れるから悲しいのではない。自分と別れるから悲しい。

その時の事と離れてしまうから悲しいんだ。
ある人は、思い出のまま残るからいいじゃないと言う。
そうじゃない。思い出は、最も近かったはずなのに最も遠くなってしまったことの、一瞬の孤独の表現なんだ。

だから、思い出ってすごく寂しい。僕が思い出したいことは思い出にはない。だって思い出は、思いが出てしまったことを言うのだから。


寂しくならないためにはどうすればいいのだろう。思い出てしまったその思いは一体どこにいってしまったのか。

本当はどこにもいっていない。それらは本当に必要な時、忘れた頃にやってきてくださる(そのとき、僕は憑依され別の人間になっているだろう)。
でも、僕はそのことを信じられない。
人生ということが天職だとは思えない。
僕は僕の人生に責任を抱けていない。


責任を抱くには、どうにも時間というものを味わうしかないように思う。
経験をすること。
たくさん愛されること。
その思いの粒でハートがホカホカすること。

まずは、たくさん作る。作る作る作る。
そうして、将来糧となるだろう肥料を、人生という土にまいていこう。

そうしたらいつか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?