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レネサッカーの目指す位置〜最終章〜

久しぶりの投稿です。

シーズンも残り半分を切り、シーズン序盤から取り上げてきたこのシリーズも一区切りしようかな、と。

というのも、最後まで見てまとめを総括するより、考察や予測を取り上げたものなので、

ちょーどシーズン半分のこの時期あたりで締めるのが良いかなと思いまして最終章としました。

さてさて昨日行われた天皇杯ガンバ戦

その前のリーグでは上手くいかず、

札幌戦は声出しならブーイングが出てもおかしくない内容でした

それがガラリとガンバ戦

つなぐつなぐつなぐ

縦ポンサッカー以外もできるやん!!

とポジティブな試合内容でした。

そこで、最終章として取り上げるのはこちら

レネが序盤からずーーーーっと用意していたであろう

「じゃんけんの準備」

こちらを取り上げて締めます。


さてさて

シーズン序盤を振り返ると

岩政さんによる繋ぐサッカー

ビルドアップ重視のサッカー

そしてレネに変わり

スプリント強化、スイッチの入れ方

守備の整理や、前へ1秒でも早くのサッカー

いろいろなものを各章で取り上げました

天皇杯ガンバ戦を見て気付いた人もいるでしょう

以前書いたように、やはりレネはじゃんけん戦術を用意しているみたいです


はてさてジャンケンとは?

ご存じグーチョキパーの3つを用意して

相手の出方に合わせるやり方です

さて鹿島のじゃんけんの手札として、現状なにが準備されているのか

まとめてみました

①縦ポンサッカー

このじゃんけんは、ハイプレスを前提として行われています

その中で、一つでは縦ポン

さてこちらのメリットとデメリットを見てみましょう

メリットとして、

やはりすぐに前にボールを運ぶことができる

こちらがボールを持てる場面においても、持てない場面においても、

ボールを奪ったら、まず前線へハイボール

その処理をサイドであればカイキ

中央とサイドがゆーま

中央がエヴェ

以前であれば、中央の役割はあやせが行っていました

勝率ですと、背の低い相手SBと競らせているカイキ

そしてスーパーなゆーま

この2人は頭で繋いでくれる

これをきっかけに相手の最終ラインを一枚剥がし、

そのスペースに2列目の選手、ボランチの選手が走り込む

この繰り返しを行うことで、空いたスペースに流れ込んだ選手を使って、できる限り早くシュートシーンを創出する

そんなやり方でした

しかし、当然のようにデメリットは、

このやり方はアップダウンの繰り返しが常に行われ、

消耗するスタミナはかなり大きく、夏場や連戦で毎回行うことができる戦術ではないのが一般論です。

しかしレネはこれを繰り返し繰り返し行いました

この結果、ピトゥカから不満が出てしまいましたが…

要するに、ボランチがボールを支配して、組み立て、

というのは無縁となってしまいます。

しかしこれをやられて嫌なのはむしろ相手で、

相手もアップダウンに付き合わされてしまう

だからこそ、そのギャップとしてスペースが空きやすくなり、

チャンスメイクがしやすくなる

そういった意図を第一として考えられているようにも思えます

相手を混乱させやすいが、こちらのスタミナの消費が早く、夏場や連戦だと精度が落ちやすく怪我人も出やすい

カウンター返しを食らうデメリットもあり、ハイリスクハイリターンのサッカーでした

②ボールを持って回すサッカー

こちらでは奪う位置は、センターバックやボランチの、いわゆる中央で取るパターンが鉄則です

そこから奪い、片方のサイドにまず敵味方問わず寄せます

相手のサイドハーフやサイドバックが担当するであろうエリアに、少なくとも3人を配置

そこでトライアングルを形成し、多くてもツータッチ以内でどんどん回す

相手にボールウォッチャーが生まれ、背後にスペースが出来次第、極力そちらのサイドの裏からクロスを入れる戦術です

いわゆる、見てて楽しいサッカーってやつです

相手は短距離内でのアップダウンや、サイドに振らることを強いられます

そこから、ボランチやセンターバックが食いついた途端、そのスペースを使って中央突破を図ることも可能なやり方となります

こちらのメリットとしては、

ボールを回すことでリズムを掴みやすい

見てて楽しい、やっていて楽しい

よってサポーターからの圧を最も相手に与えることができる

ボール回しをすることで、相手のメンタリティにも付け入るようならやり方です

サッカー経験者なら分かると思いますが、

相手に好き勝手回されてボールを奪えないのは、時間が長く感じてとても辛いんです…

しかしデメリットも当然あります

鹿島の選手は基本的に技術は高いと思います

ですが、世界的な選手はいないのも事実です

そこで生まれてしまうのが、ミス

鹿島の場合、こちらのサッカーを選択したとき、ボランチではなかなかロストをしません

しかし、サイドの深い位置や、サイドでのロストが見られます

当然ボランチでのロストよりはリスクは少ないですが、問題はこのあも

ロスト後、サイドバックが詰める、もしくはボランチが詰める

そこで奪い切れば結果オーライですが、

取り切れなかった時のピンチはかなり大きいものになります

よって、自らのミスで、むしろ相手にペースを握らせてしまうリスクがあります

しかし、①と比べ、フィジカル面でもメンタル面でも、スタミナや気力の消耗は多くありません。

③欧州的サッカー

欧州的サッカーとはなんぞや

そもそもここからですよね

これはいわゆる、カウンターやポゼッションといった単純なやり方ではありません。

まずどのようなものか説明します

こちらのサッカーは、いわゆる空いている逆サイドを有効活用する、というものです

たとえば、鹿島がセンターバックやボランチの位置でボールを奪います

そこから右サイドバックを使い、ボランチや右サイドハーフを使って、右サイド奥への侵入を試みます

しかし出しどころがなく、一度センターバックまで下げます

この瞬間です

この瞬間に、左サイドハーフが中に入り、

左サイドバックが大きくワイドな位置を取りつつ、

左サイドハーフが中に入ることでノーマークとなった左サイドバックに向けて、

センターバックがロングボールを送ります

はてさて、ここで疑問です

なぜ、左サイドバックが定位置で、グラウンダーのパスを受けるわけではなく、

高い位置でのハイボールなのか

理由として、左サイドバックが高い位置でグラウンダーを受けるのは危険です

なぜかというと、パススピードが遅い、方向がずれてる

このどちらかが発生した場合、相手に取られるリスクがかなり高いです

ハイボールの理由は、

左サイドバックが上がるとき、そこには左サイドハーフが中に入ったことによるスペースが生まれます

これがなぜ起きるのか

左のボランチがど真ん中へ前進

左サイドハーフが中に入る

これをやると、相手の右サイドからすると、

相手右ボランチは当然、中の選手を警戒します

そして、相手右サイドバックは左サイドハーフについて行きます

その動きによって、左サイドバックがフリーとなります

いやいやいや、その左サイドバックを1人付けばいいじゃない

それをやらない理由がちゃんとあります

サッカーの鉄則として、全ての相手の人やスペースを埋めるのは、無理なんです

そこで、どこかを捨てなければならない

そして捨てやすいのは、中より外なんです

なぜかというと、真ん中で好き勝手持たれるより、明らかにリスクが少ないからです

じゃあ最初から捨ててるなら、そこで持たれても怖くなくない?

はい、怖くないです

でも問題はその後です

怖くない位置で左サイドバックに持たれたとして、

そのあと、左サイドバックが縦に来てコーナーフラッグ付近まで来たとします

この位置は、捨ててはいけないゾーンです

また、サイドバックからボランチを経由して、中に攻めて来られる

これは先ほどのサイドの深い位置より、絶対捨ててはいけないゾーンとなります

これは欧州サッカーにもよく見られる例で、

自分がボールを持てていて、相手ブロックが整っている時、

片方のサイドで繋ぎながら相手の視線をそちらへ寄せる

そこから1発のロングボールで一気に逆サイドへ

そこで生まれた数的有利、スペースを使って、

ドリブラーにサイドで勝負をさせる

もしくは、サイドハーフとサイドバックの2人で連携してクロスまで持っていく

また、ボランチを加えて真ん中を使って攻める

やり方は多彩です

しかし、サイドチェンジしたからといって、そう単純にチャンスシーンなんて作れませんよね

なので、このサイドでの数的有利やスペースが生まれるまで、

左から右へ、だめならまた左へ、と繰り返します

すると、いつかはどこかが崩れてチャンスシーンを作れる場面が生まれます

このやり方は効率的ですが、

なによりロングボールの精度が要求されます

また、この供給元となりやすいセンターバックのその能力がかなり大事です

鹿島が足元のうまいセンターバックを配置する傾向に近年なりましたが、

結果としてこのサッカーをやるためには、そもそもそのセンターバックがいないとどうしようもないです

鹿島には関川、ミンテ、三竿

それに加えてブエノや林は、比較的そういったプレーができる選手を揃えています

上の3人はそのなかでもずば抜けているので、スタメンとして使われやすいのは納得ですね

さてこのサッカー、そもそも自分がボールを取れていないといけません

なので、奪う位置によって、さきほどの①とこの③を使い分けます

奪った箇所が高ければ、問答無用で①です

また、ボランチやセンターバックで奪った時、相手の数が揃っていれば、

③をするのが定番です


この3つのやり方、徐々に精度は上がっていると思います

天皇杯ガンバ戦では、②③のやりかたを徹底していました

さて最後に、それぞれのサッカーでどの選手が当てはまるか

考察していきます

この3つのやりかた

どれを選択しても、センターバックに求められていることは一緒です

関川ミンテ三竿、この三人なら誰でも良いでしょう

ですので、センターバックは、相手のフォワードの特徴や身長に合わせて配置しているように思えます

根底としているサッカーをやることだけを考えれば、誰でも成立するとは思います

この使い分けで大事なのは、ボランチとサイドハーフです

①では、サイドハーフでも空中線に勝てないと困ります

よってカイキは絶対ですね

ボランチにも求められるので、

ピトゥカやミンテ、三竿ですね

②では、ボールを地上戦で回せる選手

狭い場所でもダイレクトで出せる精度の持ち主が重要となりますので、

荒木や土居、和泉、アラーノ、樋口

ボランチでは、

樋口やふなばし、中村

③では、サイドで勝負ができる選手が大事となるので、

松村や、ドリブルができるようになったアラーノ

ボランチでは、なんでもできる選手が望ましいので、

ピトゥカや中村

こういった選手が当てはまります


じゃあ、それぞれのやり方に応じて選手を使い分ければいいんだ!!

もちろんそうなのですが、レネが求めているのはこれではないと思います

ではなにを求めているのか

背丈は仕方ないとしても、極力全員がこの3つをこなせる選手にならないといけない

これを望んでいるのが、今までの起用を考えると、予測できます

そりゃそれができたら最強ですよね

そしてこれに加えて、チャンスシーンでしっかり決められるフォワード

回収、バトルに負けないディフェンス

まだまだレネの求めている基準には達していません

しかしレネサッカーが始まってまだ半シーズン

ここから精度が上がっていくのは、間違いないと思えます

練習では基礎、試合を通して戦術理解度を上げる

このやり方は、今シーズン徹底して今後も行われると思います

そして、レネがこの要求を出して、選手に納得させる、実感させる方法

それは、試合に勝つことです

勝つことで生まれる自信が、チームとしても個人としても強くなれる1番のきっかけです

タイトルを取ることで、強くなる

これは鹿島が1番分かっていることです

普段の練習での進化、

そしてタイトルを取り切ることで深化

期待しながら見守りましょう

上手くいかないことも想定しつつ、サポートしていきましょう


【おわりに】

レネヴァイラー監督が就任し、クラブとしても新しく欧州出身の人が初めて監督として鹿島を率いることになりました

そこで、普段自分が見ている欧州サッカーを

どれくらい鹿島に取り入れるのか

欧州のサッカーとは無縁であったこのクラブに

どのようなステップで、

どんなアプローチで、

浸透させていくのか

シーズン前から、就任が決まった時から、ずっとわくわくしていました

その際に、せっかくなので、残る形で自分の考察をまとめてみたいなぁ、と思ったのが今回のこのシリーズのきっかけとなりました

シーズンが終わって、考察の当たり外れを見返すのが今でも楽しみです

自分は記事を書くのはまだまだで、文章を未熟ではあります

そんななか、自分以外の人が、このシリーズを読み続けてくれている

そんな事実は、自分にとってとても嬉しい出来事でした

決して自分はサッカーの専門家などではなく、たかが1人のサポーターではあります

ですので、こんな考え方もあるのかぁ、という気持ちで読んで頂けたら幸いです

自分は鹿島の試合を、ほぼ全試合YouTubeで配信しながら見ています

そこでは、見てくださっている皆さまと、和気藹々と色々なことを喋りながら見ています

この記事をきっかけに知ってくれた方には、ぜひ一度でも遊びに来て頂けると嬉しいです

殺伐とした雰囲気は無く、本当にのんびりと配信しているので、お気軽にお越しください!



今後は、また何か鹿島のサッカーを見ていて、

書きたいなぁと思ったら随時更新していこうと思います


長文となりましたが、読んで頂きありがとうございました!

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