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レネサッカーの目指す位置〜3章〜


5月も終わりを迎えるこの頃

鹿島アントラーズは2位の位置につけ、ここ数年では見られなかったスタートダッシュの成功を切ることができたと言える結果となりましたね!

広島戦の大敗後、札幌に勝ち、浦和に引き分け

間のルヴァンでのガンバ戦では、消化試合であったもののしっかり勝利をして首位通過を達成しました

さて、今日取り上げる話題は

ここ最近の鹿島の試合を見ていて、明らかにターンオーバーができていないという課題が出てきましたね

そこで、レネがなぜターンオーバーしないの?という点と

なにが求められているのか

を考察してみようと思います!

今シーズンは特に、横浜戦や広島戦で見られたような明らかな疲労によるボロ負けが目立っていますね

今も絶賛連戦中なのですが、メンバーはあまり変わらず、週末の東京戦においても同じような負け方するんじゃ…と不安になるこのごろ

ではまずレネさんがスタメンを変えない理由についてずばり考察しましょう

まぁ、変えたいけど変えられないんですよねきっと

試合を見てて分かる様に、明らかにスタメン組とその他の差が激しいです

では試合に出られていない選手は何ができていないの?

なにが足りてないの?

からツッコんでいきましょう

まず、選手自体のポテンシャルは高いですし

去年まではやれていた選手がいまのサッカーだとできていない点があります

それは、僕がつらつらと今までに書いた内容に通じてます

一つ目は、攻撃スイッチの入れ方を共有できていない点

二つ目は、守備タスクの戦術理解度が達していない点

三つ目は、レネの目指すヨーロッパ的スプリントサッカーをやる体力がついていない点

とりあえずはこの三つかな、と思います

ではまず一つ目から

攻撃のスイッチとはなんぞや?

っていうのは前に書いた通りです

まぁ一つ目と三つ目は同じ感じではあるのですが、

スイッチって聞くと簡単そうに聞こえますよね

チームとして仕掛けるぞ!って時に前へベクトルを持っていけるか

これ自体はサッカー選手なら誰でもできるんです

では何が足りないか

ベクトルの大きさが弱いのが要因です

たとえば、チームとして攻める時に誰かがスイッチを入れますよね

真ん中でボールを奪ったり、ボールがなかなか持てない中で刈り取ることができたり

この場面ではスイッチだ!というのはチームとして共有されているはずです

ではベクトルとは何か

直近で言うと、浦和戦が参考になります

自陣中央でボールを奪った時の和泉選手がとても良い例となる動きをしていました

ピトゥカが奪い、前線に向かって走る和泉にボールを渡しましたが、

結果それが合わずボールをロストしてしまいました

ただ今回取り上げるのは、そのロストした問題ではなく、和泉の走り方

彼ですね

ボールを持つピトゥカを背中に

一才後ろを振り返ることなく前へ全力ダッシュしたんですよね

後ろを気にしながら前へ走る選手と

来ると信じて前へ全力で上がる選手

どちらがチャンスゾーンでいい位置に立つことができるかはもう明白ですよね

和泉の狙いとしては、

ピトゥカがサイドへボールを捌き

和泉はクロスのターゲット、もしくは、デコイ(囮)になる選択を予測して走り始めていたと思います

和泉の狙いを考えれば、サイドへ展開してからのほうがチャンスが生まれる確率は高かったとは思います

結論として、

ボールを奪ってスイッチが入るぞ!ってときに

なるべく早く縦に、チャンスを広げる

この動きができる選手とそうでない選手がスタメンとベンチの差です

その動きをするためには、三つ目とスプリント体力が必要となってきます

苦しい時間でもスイッチを入れて、前へのベクトルを大きく推進できるか

ではなぜこの和泉のやり方が正しいとされるのか

ヨーロッパのサッカー、とくにプレミアリーグを見ているとそうなのですが

攻める時ってボランチだろうがなんだろうが

数的有利になるなら上がりまくるんですよ

相手の陣形が整っているのであれば、少し時間をかけることもありますが、

基本的には真ん中で奪って、サイドへ開いて、仕掛けるなり、中を経由するなりして

最終的にはシュートで終わるか、少なくともコーナーを取りに行く

終着点として、これで完結できる攻撃を繰り返し行うことができれば

まぁ勝つでしょうねどんな試合でも

例えばリヴァプール

今の鹿島のサッカー、スイッチの入れ方はレアルマドリーが模範じゃないかと以前触れましたが

やってるサッカーの内容でいえば、スタイルはリヴァプールに似ています

まぁリヴァプールのサイドが強力な点、そこは追いつけていないのですが

どちらにせよ、取る姿勢とそこから繋げるこの動き方はリヴァプールっぽいと言えます

じゃあリヴァプールも前に上がるの?

がんがんいきます

スイッチ入れた時は

ボランチだとチアゴやヘンダーソンが挙げられますが

彼ら2人はタイプは違えど、スイッチを入れて点を取った際には

スペースを空けた、繋いだ、捌いた、剥がした

なにかしら貢献しています

まぁあれができたら最高ですね

ですが、鹿島からすると

先ほど言った終着点まで辿り着けていないのが現状です

と言っても、ここ数年と比べれば明らかに良くなっているとは思います

このサッカーを完成させるためには、一つ目のベクトルの大きさを強くできるか、三つ目の体力があるか

この二つはどちらも重要となります

ではベンチメンバーはこれができていないの?という点

わかりやすく言えば

70分から出た選手と、スタメンの選手を比べて

残り20分でどちらがより多くスプリントできているか、で見ることができます

おそらくですが、その時間帯においても、ボールを奪って決定的なシーンの創出に貢献しているのはスタメン組です

ここが大きい差です

もちろん、交代メンバーに何かしらレネからの指示があるとは思いますが

今のところ、交代で入ってきた選手がスプリントで貢献できたシーンは少なく感じます

途中から出てきたならそれくらいやれよ!スタメン組のほうが頑張ってるじゃねえか!
と言いたくはなるのですが

おそらく、まだできない

むしろ、交代メンバーからするとスプリントしたくてもできないんです

それがなぜかというと

先ほどの二つ目の要素に繋がってきます

そう、守備のやり方が分かっていない

交代選手がスプリントをできない理由は、

奪うための守備より、スプリントすることによって陣形が崩れることを恐れているから

と推測されます

よって、レネさんもそれを見越して

交代選手にスプリントを指示していない可能性が出てきます

そもそもスプリント守備というのは

フィールド10人が、スペースが空くのを覚悟で前に寄せて奪い切る守備です

1人ずれたら、相手からするとボールを通すのはすごく楽になってしまいます

あっという間に決定機です

それが顕著に見られたのが、横浜戦や広島戦です

疲労が溜まり、行かなきゃいけないところに1秒遅れた

その負の連鎖で、スペースを与えてしまった

そこを繋がれて、決定機

ボールを奪えないとこうなりますが、

そもそも連動の歯車がどこかで狂った時点で一気にやられます

ハイリスクハイエネルギーともいえるこのやり方ですが、

10人が連動すれば最強の守備となり

一つ狂えば諸刃の剣です

ここの精度はシーズン通して上げていくしかないです

今の時期では、3試合に1回狂うペースですが、よくやっているとは思います

むしろここが熟成できれば、無敗優勝ができるチームになる可能性も大きくなると思います

それくらい、今の守備は、現代サッカーにおいて最強です

もちろん、サイドバックの背後を取られる心配もあります

ですが、フットボールタイムの篤人が言っていた様に

プレスをかけて蹴られる方が悪い

この認識は、ドイツのゲーゲンプレスの根底としてある考え方です

それをチームとして共有できるかが肝心となりますね

いやさすがにハイリスクすぎるだろ…と思うかもしれませんが

これってどこのチームでもできるわけではないんです

この守備をやるためには、センターバックの能力に依存する傾向があります

サイドバックの裏のケアができる、奪ってから繋ぐことができる、空中で勝てる

この三拍子は揃っていないとそもそも成立しません

だからこそ、鹿島というセンターバックのポテンシャルが高い選手がいるチームだからこそ

このサッカーにチャレンジできる、という点は見過ごせません

鹿島だからこそできる守備、これから楽しみです

さて、最後に結論を

ベンチメンバーに足りていないのは、先ほど挙げた3つ

・スイッチのベクトル
・守備の理解度
・スプリント体力

ここを強くするためには、本当に才能がないと難しいです

ですが、いまの若手達

走れるベテラン

ここが更にこの3つを習得すると

誰が出ても勝てるサッカーの出来上がりになりそうです

しかし、問題があります

リヴァプールやレアルマドリードのサッカーをやることは大賛成なのですが、

彼らにはなくて鹿島にはあるもの

引き抜きです

ヨーロッパチャレンジ

鹿島は彼らの様に、軸の選手を100パーセント留めておくことが難しいです

これはJクラブであれば全てそうなのですが、

だからこそチーム全員がこのサッカーをできるようにならないと、

栄光の時が来たとしても一瞬で終わる恐れがあります

幸い、ベンチメンバーは才能が溢れているくらい豪華だとは思います

そのためにも、引っ張っていけるリーダー格の選手や

若手が夢見る欧州の舞台を経験している選手

実績や声で、若手を感化させられる選手がもっと入ってくれると頼もしい限りです

今のメンバーでの成熟度を上げるのはもちろん、

特にベンチメンバーがスタメン以上のことをできるようになれるかどうかは

レネ含めスタッフの手腕です

伸び代がありすぎるチームなので、これからも期待ですね

以上、今回はこのあたりで

長文失礼しました!

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