鹿島が現代サッカー相手に勝てない理由
天王山…あっさり負けましたね
鹿島は現代サッカーをコンセプトもする対戦相手に面白いくらい勝てなくなりました
思い当たるのは、ここ数年の川崎戦
そして、ついにダブルを食らうこととなった横浜戦
欧州でも最先端の現代サッカーとはそもそもなにか
そこから取り上げていきますね
【現代サッカーの基本は433】
さきほど欧州サッカーの最先端、とお話ししました
そこの基本的な布陣は433が主流となっています
以前の記事で、鹿島は
リヴァプールのようなボールの奪い方
レアルマドリーのようなメンタリティ
を取り上げましたね
この2チームを筆頭に、欧州サッカーでタイトルをとっているチームのほとんどが433の布陣を採用しています
もちろん臨機応変なポジションチェンジや、各ポジションの細かい役割はチームごとに変わってきます
ではなぜこの433が基本陣形となっているのか
・433のメリット
433は攻撃に迫力が増す布陣です
また、守備においても、リスクが大きい真ん中に人を割くことがやりやすい布陣でもあります
サッカーの守備は、コート全てを狙い目とするのがそもそも不可能なので、
どこかを捨てて、どこかを重視する
このやり方をどのチームも行っています
当然、リスクの大きい真ん中は重視し、サイドを捨てる
これが定番のなかの定番です
そこで433では
そもそも真ん中を厚くすることができます
それでは逆の視点で考えてみましょう
相手が433の布陣を組んできた時、
こちらとしては当然、可能性の高いサイドを起点に攻撃をしようと考えます
真ん中をずっと攻めていても、おそらくシュートにたどり着くことさえ難しいです
サイドを起点とするので、こちらもウイングと呼ばれる、
サイドのミッドフィルダーよりは高い位置にいるポジションを配置します
欧州サッカーを見ていると、サイドの深い位置でのウイングvsサイドバックの構図はよく見られます
そのゾーンが勝負の分かれ目となります
ドリブルで1人抜くだけで、真ん中の守備が1人寄ってくる
そのスペースを利用して、中央突破を狙うことができる
真ん中の守備が食いついてこなければ、サイドから中にえぐって決定機を作ることができる
よって、433を倒すための433
ウイングvsサイドバックで明暗が分かれる
見ててめちゃめちゃ面白いですよこの対戦は
よって、433の布陣は、433を倒すために効率的な布陣となります
また、ドリブルが好きな選手が躍動しやすく、
真ん中で捌く選手も活きる布陣です
聞いていると楽しそうな布陣ですが、当然デメリットもあります
・433のデメリット
こんなの最強完璧フォーメーションじゃん!
と思われるかもしれませんが、
この布陣を完璧にこなすためには、かなりの要求が必要となります
まず、先程言ったように、サイドが勝てなきゃ成り立たない
そして、攻撃時の繋ぎや守備時の統制において、
真ん中の選手がミスしたら全て崩壊する
それほど選手の能力が揃っていなければ成り立たない布陣でもあります
なので、止めて蹴る、といった基礎技術が重要となります
ミスったら全て崩れる
しかし、攻撃も守備も整えば最強
そんなフォーメーションです
さて話は鹿島に戻ります
じゃあ鹿島も433やれよ!
なんで442か451なの?
となりますよね…
【鹿島は433をやらないのではなく、やれない】
え?なんでやれないの?
理由は単純です
そもそも編成を組む上で433を想定していない
ですので、先程言ったように
勝負の起点となるウイングを務める選手がいない
この問題は2016年ごろからずーーーっと抱えていました
器用な選手はいるけど、サイドで勝負できる選手がいない
そんな鹿島でも、最近まで徐々にそのような戦力を獲得してきました
例えば、松村や須藤、海外ですね
サイドでボールを持った時に勝負ができる選手です
まぁカイキはそのようなタイプと少し離れているのは事実ですが…
さて、
そのような選手が揃ったとしても、リーグ屈指のドリブラーがいないことには成立しません
それとは別に、
そもそも鹿島が433やる気ないんじゃないかなって気もします
【鹿島の理想と433】
鹿島といえば442もしくは451ですよね
基本、2トップの陣形で
ツインタワーもしくは、タワー+シャドー
この442システムは、1994年ワールドカップアメリカ大会のブラジル代表が完璧な布陣として使っていました
ブラジルといえば442
ひと昔前でいえばそんな印象です
最もバランスが取れていて、
ファーガソン時代のマンチェスターUもこの布陣を使用してチャンピオンズリーグやプレミアリーグのタイトルを獲得していました
しかし難しいのはこの442からの脱却
マンチェスターUもタイトルが取れなくなってきて、442を捨てて徐々に433や451に変えています
サイドのドリブルを得意とする選手も獲得し、徐々に浸透させています
新監督も、アヤックスでは433を基本布陣としていたので、上手く浸透していきそうです
一方、鹿島
いつ変わるんだろう…
鹿島も欧州に比べては歴史は浅く
成功体験として、442のイメージは強く持っているチームです
日本では他にそんなチームないでしょう
うまく行かない時に、立ち帰る場所がある
鹿島のストロングポイントとしてよく言われますが、
442に還る
これの良し悪しの判断が今後の鹿島にとって大きく重要となるのは間違いないです
マンチェスターUも、それこそ442に還ることができる
でも、それじゃあ勝てないしタイトルも取れない
なにより、現代サッカー最先端のマンチェスターシティやリヴァプールの433に太刀打ちできない
だからこそ、433を極める方針に大きく舵を取りました
この状況…なんだか鹿島に似てませんかねぇ…
ですので、鹿島が433をやれない理由
これはチーム全体、特にフロント含めた上層部のプライドが原因というのは間違いないと思います
鹿島はここ最近、改革する、変える、作り直す
と言っていますが、
結局のところ、442に還っている
変革をするなら、マンチェスターUのように
伝統やプライドを一旦断ち切り、0から作り上げる
これくらいのことをしないと、王者奪還する未来は更に遠くなってしまわないか…
ただ、今までのスタイルを全部捨てろ、というわけでは当然ありません
還る場所がある、これは強みです
今は433の時代ですが、
今後442の時代がまた来るかもしれない
その時、還る方法を忘れていると、かなり勿体無いですよね
フロントの舵の取り方次第で、
レネヴァイラー含め、方針を変えることも可能なのかな…
いまの選手の能力からしても、足りないピースを補強するだけで
433をやること自体は可能だと思います
ただ、フロントもフロントで、補強する前に、
まずはベースを作らないといけない
いまの鹿島は、枠のないパズルを縦に横にずーっと繋げているだけ
枠を作らないとピッタリ収まりませんよね
その作業こそ、1番力を入れなければならないチームだと思います
現代サッカーを取り入れるためにも、
現代サッカーをやるチームに勝つためにも、
変革を恐れず、チャレンジする姿勢を見たいですね
今回はこのあたりで
長文ですが、ありがとうございました!
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