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辻村ファンになったので”かがみの孤城”を読んだ話

 ”傲慢と善良”で相当魅せられた僕は、辻村ファンとなりお正月休みに入ると辻村さんの本への渇望を抑えきれず、早々に本屋で物色を開始した。上巻・下巻あるので若干のためいもあったが、休みも長いので本をとりページをめくり始めた。

あらすじはこんな感じ。
「中学1年生のこころは鏡に吸い込まれ、不思議な世界に迷い込む。同様に集められた6人の少年少女に、狼のお面をかぶった謎の少女・オオカミさまは城に隠された鍵を探せば願いを叶えると告げる。」

時系列で4月から物語は始まり、主人公のこころが不思議な鏡の世界に迷い込んで、そこで出会った人たちとの交流をしながら物語は進んでいく。不登校のこころが人との交流をしながらたくましい人になっていく、そういう成長の物語としてライトに2月まで読み進めることができた。

3月を前にして、ページが割と残っていたことを感じ、ここからアクセル全開、怒涛の辻村ワールドに魅せられることになった。物語の中で腑に落ちない点や気になる引っ掛かりがあり、最後のページに進むにつれてすべてつながっていく、気分爽快系の小説だった。

どちらかというと人の内面を掘り進め、内面の奥の奥にある葛藤や生ぬるい気持ちややるせない気持ちの描写が辻村さん得意分野(、且つそこが個人的には好き)と思っていたが、この小説は”物語が面白い・すがすがしい”という読後感を得るようなまた別ジャンルのような小説で合った。こういう本も良いと素直に思う。

”傲慢と善良”よりは前に書かれた本のようなので、今度は”傲慢と善良”以後の小説を読んでみることにする。

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