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【化学】2024年度共通テスト(化学)所感と分析 その2

・・・はい、今更です。

おはようございます。Wizです。
すでに共通テストから3か月。というか、もう新年度ですっ>_<
春休みが欲しかった…なぜこうも年度変わりは、もとい年度変わり”も”忙しいのでしょうか。

ということで、共通テスト(化学)の分析、第二弾です。

前回、各問題についてまとめてみました。
【化学】2024年度共通テスト(化学)所感と分析 その1|wiz (note.com)
今回は出題内容について違う視点で見てみたものを、私個人の備忘録的に書いてみたいと思いました。なおこの資料はとある勉強会で発表した際に使用した資料の一部を利用しています。

1.全体平均点、化学基礎からの出題、計算問題の数、他

まずは平均点、化学基礎からの出題、計算問題、ほかについてです。

これらを調べようと思ったきっかけは、
・「化学」なのに「化学基礎からも出題」されてるじゃん。
・成績中間層以下に対して、計算をバッサリ切って、知識問題のみに特化させたらどのくらい行けるのだろう?
と考えたことです。

「化学基礎」からの出題については、あっても2問、6点までですね。ただし、第5問(いわゆる思考力問題に、酸化還元反応などが出題された場合には話は別です)は除きます。そしてその出題内容は、原子の構造もしくは分子式構造式の問題でした。

計算問題については、全解答数の半数に迫る出題数があるので、やはり切り捨てるわけにはいかないようです。逆の見方をすると、知識問題だけで55点分くらいあり、平均点が50点前後なので、平均点まではとれるとも見れそうです。

2.大問別出題範囲と、計算問題の配点


次は大問別出題範囲と、その大問のなかでの計算問題の配点についてです。

・大問別の出題範囲について。
 ざっくりいうと「理論、理論、無機、有機、思考力問題」となりますね。
ただ、見てわかるように「第3問」は無機化学の他に理論化学(例えば電気分解の問題)が入っているような出題になっています。これは言い換えれば「無機化学の問題が純粋に減ってきている」といえます。
 そして第5問は(後述しますが)「何でもあり」です。
 以上から、分野別配点は「理論50,無機10、有機20,その他20」といったところでしょうか。徐々に無機化学の学習が減らされていきそうですね。世の中では”材料系の人材にとても需要あり”と言われているのに…。

・計算問題の配点について
 まず表の見方ですが、たとえば表の左上「理論 12」とは、「2021年度の第1問は”理論”分野からの出題で、全体で20点のうち、計算問題が”12点分”あった。ことを意味します。
 全体として”計算問題は切り捨てるわけにはいかない”と前述しましたが、このように大問ごとにみてみると、違う面が見えてきました。それは「無機化学と有機化学では計算問題は少ない」ということです。この二つに関しては、化学反応式や物質と物質の関係式が分かれば、あとはmol比で解ける問題が多いので、そこまで計算問題を意識しなくてもいいのかもしれません。
 高得点を目指す人にとっては「第2問の計算問題」が一番のハードルになるかと思います。化学のなかでも”気体・溶液・化学平衡”といった、受験生にとって難しいといわれれる分野からの出題がここにあたるので、ここの攻略が高得点へのカギとなりそうです。

3.教科書の”参考”や”発展”からの出題


 次は教科書の参考や発展、つまり本部以外からの出題がどのくらいあるのかを見てみました。もちろん各社、若干ですが記載の仕方や場所が違うのであくまで参考まで。
 これも見てみようと思ったきっかけは「教科書を使った指導はどこまですればよいのか(掲載しているもの全部を扱わないといけないのか?いやいや、そんな時間は無い。本文内容だけでも時間がないのに。)」と思ったのがきっかけです。

 こう見てみると各年度10点分は、本文以外の記載内容(参考や発展)から出題されていることがわかりました。ちょっと意外だったのは「光ファイバーに二酸化ケイ素が使われていること」「2つ直列回路の電気分解」が参考もしくは発展内容であったということ。これらは「知ってて当然よね」と思い込んでいましたがそうではなかったということをこの調査で知りました…。思い込み、よくない>_<

4.第5問の出題内容


 最後に、第5問の出題内容についてです。
 ま、はっきり言って「なんでもあり」ですね。こんなん対策のしようがないやん。紫外線透過率とか質量分析(スペクトルピークの読み取り)とか。ここのことに言及しだしたら愚痴ばかりになりそうですが、やはりこういう出題傾向を見ると「共通テストを解くための”受験テクニック”を教えざるを得ない」し、また別の見方をすると「こういう問題を解けない人はいらない」とも受け取れますよね(私だけかも)。というか、国公立大学二次試験より難しい”共通テスト”って…。はい、分析ではなく愚痴でしたm(_ _)m


というわけで、共通テスト「化学」を違う視点で分析してみました。
なにかのお役に立てたら幸いです。
さて新年度、また気持ちを新たに迎えましょう。

皆さんくれぐれも、心身の調子を崩さず、日々ご安全に(_ _)

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