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専門性の儚さについて

どうもお久しぶりです、自分がこの世界に必要とされているのかを疑う日々でございます。

専門性は大事、専門性を活かして大活躍だとか言った言葉があります。私も専門性が仕事や趣味など何かしらの分野で活躍して富や名声を集める為に欠かせないものであることは重々承知しております。

しかしですね、専門性を身に着けられるか否かは各々の素質に起因するものだと考えます。私は高専から院にかけて化学を8年以上学び続けました、これだけ聞くときっと多くの方が高度な専門性を身に着けた理系のエキスパートだと思うことでしょう。正直私も自分と似たような経歴の人をみた時はそう思います。

でもね、現実は甘くないんです。センスがない人が専門性を身に着けようと必死に勉強して様々な情報を収集して、実際に行動したとしてたかが知れているのです。考えてみてください、魔法使いがレベル上げて剣スキルを鍛え上げたところでたかが知れているでしょ?戦士が少しレベル上げて剣スキル鍛え上げればとうてい敵わないわけです。

私は理系としての自分を演じる為にとても頑張りました。自分で自分に対して頑張ったって言葉を使うのは正直おかしなことだと思いますが、気持ち的にそう吐き出さないとやってられないのです。正直私は今を楽しむと言う行為が分かりません、将来の不安に駆られて無理して勉強して課題を熟す、そんな日々でしかありませんでした。

大学院に進学したとき私は限界を悟りました。有機化学を極限にまでかみ砕いた参考書を精読して有機化学の講義動画を板書しつつじっくり眺めて、量子論や図形の性質など周辺知識まで網羅した。それでも有機化学の反応機構は一向に描ける気がしません。電荷密度が部分的に少なくなっているカルボニル炭素などのルイス酸性を示す部位に対して電荷密度の高い非共有電子対を持つ中性またはアニオン性の分子が求核付加反応を起こすなどの原理を説明することはできます。しかし反応機構は一向に描けるようになりません。

数学系YouTuberの動画をたくさん見て、数的処理の空間把握の演習を通じてなんとか図形を克服しつつあります。それでも有機化学の反応機構も古典力学の力のつり合いやモーメントも単純なものしか処理しきれないのです。それに加えて実験やそのデータの解析も全然できません。実験はそもそも実験室の空気と臭い、そしてゴーグルの触感すべてが耐えきれないのです。実験室に30分いるだけで吐き気と頭痛に襲われます、高専時代は班の人に丸投げしたり休憩を小まめに挟みつつなんとか実験を熟していました。

私には根本的に理系に必要な素養が欠けているように思えます。この世界のこの現象を人生掛けて解明したいといった気持ちが分かりません。この世界はシミュレーション的なアルゴリズムに沿って動くのであり、どんなに細かい構造を解明したところで本質には到達しえないとすら考えてしまいます、理系失格です。

エンジニアや研究者の人たちを見ていると正直凄い嫉妬心が沸き起こります。しかし、それと同時に自分がその職に従事したいともまったく思えないのです。自分で手を動かすよりも脳内の直観に任せた方が楽しいし、手を動かしている時間が非常にもったいなく感じてしまいます。試行錯誤は苦手です、それよりも脳内で全体像をイメージしてから行動する方が好きです(というかそうじゃないと動けない)。

恐らく面接官の方々も私の理系に対する素養の無さを察していたのでしょう。経歴や筆記試験の成績から一次試験に合格することはあっても面接で悉く落とされました。正直落ちて当然だと思います、技術のことなにも語れないしそもそも考え方がどこか非現実的であるからです。長年その分野で活躍してきたプロの方からしてみれば苦笑したくなるような発言しかしていないのでしょう。そして自分がその分野に対して一切の愛着を持っていないことや負のイメージを持っていることも見透かされてしまっているのでしょう。

正直自分の専門性を貫くつもりはないです。今年残っている公務員試験は軒並み事務系ばかりですし、来年度公務員試験受ける羽目になったとしても自分の専攻と関係のない区分を受けるつもりです。自分の専門性に囚われる気は一切ないです、望んでも不可能なのでしょう。

専門性を身に着けるとすればまず己にスペシャリストとしての素養はあるか、そして向いてる方向性は正しいのかを精査することをお勧めします。方向性が合致していれば専門性を活かして活躍できる可能性は高いでしょう。また、ありとあらゆる分野に精通しているゼネラリスト的存在もそれはそれで需要があります。その代わりマルチタスク能力が必要不可欠ではありますが。

私の適性、全く分かりません、もしその適性を活かせる方向性があったら教えてもらいたいものです。しかし、自分の人生を切り開くのは自分自身でありますしそれは己の力で切り開いていくのしかないのでしょう。うえゑん・・・

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