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化学工学

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#DWSIM

DWSIM:Compound Separator、Recycle Block(操作シンボルの説明その6)

DWSIM:Compound Separator、Recycle Block(操作シンボルの説明その6)

プロセスにおいて、原料の消費効率を上げるために、原料を回収し入口側に戻す操作、リサイクルがあります。

そのプロセスのプロセスシミュレーター上での表現を整理します。

DWSIMの紹介は以下を参照ください。

設定ファイル取り扱いは、自己責任でお願いします。

課題背景アンモニアの合成を例にします。

N2 + 3H2 -> 2NH3

N2とH2を反応器に供給し、反応器内で、上の反応が起こるとし

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DWSIM: Specification Block、Controller Block(操作シンボルの説明その5)

DWSIM: Specification Block、Controller Block(操作シンボルの説明その5)

以下の記事で、塩素製造プロセスの反応工程を例にして転化率反応器の説明を整理しました。

供給ガスは、2種類で、供給ガス間のバランスは、量論式と過剰率で関係付けられました。製造量を変更した時には、供給ガス両方の修正が必要となります。

このような時に、製造量に応じた探索作業を実施するときに毎回値を計算して入力しなおすのは手間であるので自動計算する方法の紹介をします。

DWSIM:v6.4.8(執筆

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DWSIM:転化率反応器(操作シンボルの説明その4)

DWSIM:転化率反応器(操作シンボルの説明その4)

塩素製造プロセスの反応工程を例にして、転化率反応器の利用方法について整理します。

DWSIM:v6.4.8(執筆時)

DWSIMの紹介は以下になります。

プロセス条件ディーコン法での塩素製造を検討します。乾燥した塩化水素ガスと空気を触媒層に流通させて反応させことを考えます。量論式は以下の通りです。

4HCl + O2 -> 2H2O + 2C;2

塩素の目標製造量を1,000kg/hrと

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DWSIM:蒸留塔計算、エタノール濃縮-供給段の影響

DWSIM:蒸留塔計算、エタノール濃縮-供給段の影響

DWSIMでのエタノール濃縮プロセスについて供給段の影響についてのCase Studyを整理してみました。

DWSIM v6.4.7(執筆時)

以前に整理したエタノール濃縮の検討内容は、以下になります。

DWSIMの紹介は、以下になります。

プロセス状況を整理5%エタノール水を70%upまで濃縮することを以前に検討してみた。

蒸留塔のプロセス構成としては、22段(コンデンサー、リボイラー

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DWSIM:PH図の書き方(ヒートポンプの補足)

DWSIM:PH図の書き方(ヒートポンプの補足)

DWSIMでのPH図の書きかを説明します。PH図は、X軸に比エンタルピー(orモルエンタルピー)、Y軸に圧力をプロットしたものです。

以前に書いたヒートポンプの話で登場した図です。冷凍サイクルなどの検討をするときには、TS図よりもPH図のが、直接、エンタルピーをもとめれるので一般的には利用されると参考文献にあります。

DWSIM v6.4.7(執筆時)

以下は、DWSIMの紹介です。

以前

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DWSIM:蒸留塔計算、エタノール濃縮

DWSIM:蒸留塔計算、エタノール濃縮

DWSIMの蒸留塔モデルで、エタノール濃縮プロセスを計算してみる。

DWSIM v6.4.6

DWSIMについての紹介は以下を参照ください。

計算条件供給条件は、5%エタノール水を温度は25℃で供給する。供給量は2000kg/hrとする。

これを70%付近(できればup)まで濃縮することを考えてみた。

DWSIMでの条件設定今回設定したファイルは以下になる。取扱は自己責任でお願いします。

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DWSIM:蒸留塔(操作シンボルの説明その3)

DWSIM:蒸留塔(操作シンボルの説明その3)

DWSIMでの蒸留塔の計算方法について整理します。操作シンボルの蒸留塔の説明です。

DWSIM v6.4.6

DWSIMについては、以下を参照ください。

シミュレーションのシンボルメイン画面のFlowsheetの下側に操作シンボリタブ切り替え画面がある。

Columnsタブ

このタブには、4種類のシンボルがある。ChemSep Columnは、DWSIMをインストールするときに、同時にイ

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DWSIM:ヒートポンプ

DWSIM:ヒートポンプ

DWSIMでヒートポンプを模擬してみました。

水道水を井戸水を利用して温水にすることを例として考えてみました。

DWSIM v6.4.6

DWSIMの紹介は、以下になります。

検討状況以下のような装置をイメージしています。(流れのみです。機械、ハードの詳細は未検討です。)

地下水は、豊富にあるとします。地下水の温度は、25℃、水道水も25℃としました。

熱を組み上げてくる媒体は、イソブ

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DWSIM:操作シンボルの説明 その2

DWSIM:操作シンボルの説明 その2

DWSIMに設定されている単位操作(操作のシンボル)の説明です。

DWSIM v6.4.6

DWSIMの概要は以下を参照ください。

シミュレーションのシンボル
メイン画面のFlowsheet下側にタブがあります。

Exchangersタブ

Cooler シンボルは、Material Streamから熱取り除ける。熱量は、Energy Streamをつないで計算される(外部とやりとりできる

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DWSIM:操作シンボルの説明 その1

DWSIM:操作シンボルの説明 その1

DWSIMに設定されている単位操作(操作のシンボル)の説明です。

DWSIM v6.4.5

DWSIMの概要は以下を参照ください。

シミュレーションのシンボルメイン画面のFlowsheetの下側に操作シンボリタブ切り替え画面がある。

Streamsタブ

Material StreamとEnergy Streamがある。量、組成、自由度に従った示強性変数を入力することで、状態が計算(シミュ

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DWSIM:気液平衡、Pxy図をよむ、その2

DWSIM:気液平衡、Pxy図をよむ、その2

Pxy図の情報について、整理します。2回目です。

DWSIM v6.4.5

逆行凝縮(Retrograde Condensation)、逆行蒸発(Retrograde Vaporation)以下のグラフは、メタン(1)ーエタン(2)の250K(-23.15度)での等温沸点ー露点曲線になります。

グラフは、Chemical Thermodynamics for Process simulati

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DWSIM:プロセスシミュレータ

DWSIM:プロセスシミュレータ

DWSIMというプロセスシミュレーターの紹介です。

プロセスシミュレーターを始めて触ったのは、学生時代の授業でした。当時は、Hyprotech社のHysys plantが使えました。当時は価値がわからず授業で言われるがままに触って終わった程度でした。

COCO/ChemSepというフリーのシミュレーターもあります。こちらは、化学工学会で紹介記事があります。ここではDWSIMの紹介になります。

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DWSIM:気液平衡、Pxy図をよむ、その1

DWSIM:気液平衡、Pxy図をよむ、その1

Pxy図からよみとれることを整理します。例として、窒素-メタン系を検討しました。

DWSIM v6.4.5(執筆時)

DWSIMでの設定Compounds:Nitrogen, Methane

Property Packages:Peng-Robinson EOS

FlowsheetにはMaterial Streamを一つおきます。

Pxy線図最初に窒素とメタンの基本情報を確認します。メニ

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DWSIM:気液平衡曲線

DWSIM:気液平衡曲線

DWSIMでの気液平衡曲線(推算)の確認をする方法を整理します。混合物性としてはまずはこれが見たいとおもうます。ここでは、水とエタノールの気液平衡データの確認を例に説明します。

DWSIM v6.4.5(執筆時)

基本情報の設定DWSIMを起動し、File >Create Newで新たなシミュレーションを開始します。画面の誘導に従います。

物質の選択をする。EthanolとWaterを選択す

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