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元Shopify日本第一号社員が、Twitterでマジレスしてみた結果

はじめに

私がShopifyと出会ったのは2017年の一月。LinkedInに一通のメッセージが届いた。

「Shopifyの国際事業を管轄していて、日本での事業立ち上げメンバーを募集している。興味があれば連絡してほしい。」

メッセージをもらった時、私は実はシリコンバレーにいた。(当時働いていた会社に「どうしても...!」と頼み込み、お休みを取って地元である福岡の起業家養成派遣プログラムに参加していたのだった。)Shopifyのカナダ本社(アメリカ東海岸タイムゾーン)から送られたメッセージに即答した訳なのだけど、こんな早いレスポンスは相手も期待してなかったはず。なぜなら日本時間でその時間帯は朝の5時だったので、「おや?」ときっと相手は思った事だろう 笑

そんなひょんな出会いを果たし、Shopifyのビジョンとその秘められたるポテンシャル魅せられた私は、出会いから早々に日本第一号社員として2017年に入社する事を決めた。(入社後の話に関しては、別の回に紹介する事にしようと思う。)

Shopifyを離れた後にもやって来るShopify

さて今回は私が去年Shopifyを卒業し、独立した後のお話。特にコロナの影響もあり、Eコマースの領域の中でも独自オンラインショップ(D2Cブランド)に特化したShopifyの勢いは、もう誰にも止められないくらいの成長を遂げている。もう既に現役社員ではない私にさえ、友達や友達の友達などの繋がりで直接連絡をもらう事が絶えず、相談に乗っているうちに私が持っている知見で誰かの役に立つのであれば...と、結局のところは現在個人でShopify関連事業のコンサルティングを行うまでに至った。

これまで支援してきた内容
- D2Cブランドさんのオンラインショップ開設支援
- 古く長い歴史を持つ伝統文化や老舗のお店のオンラインでの収益作り/ PR
- Shopifyを使ったECサイト構築代行での独立の支援
- Shopifyを使った新規事業の相談/ 立ち上げ支援
- ShopifyとのAPI連携を目指した事業設計支援
- 海外ブランドの日本展開支援
- EC人材の育成(EC人材の需要は高まっているが、EC人材の養成のエコシステムは出来ていない。またファッション領域に羽ばたく学生さんにデジタルな感覚を持ってほしくて、バンタンデザインスクールでEコマースのクラスを担当させていただいた事も。同じくキャリア観や、デジタル領域でキャリアを積み重ねていく利点などを就活前の学生さんにお話させていただく事もあった。)

全国放送で特集されるShopify

そんな爆発する需要と多方面からの支援のお陰もあって、ここ最近は特に世の中のメディアでShopifyを見かける事が増えてきた。

例えば、先日のワールドビジネスサテライトでもコロナ禍でEコマースがどのように人々の生活を支えているのか、日本全国の事業のオンライン化の役割をどう担っているのかなどが紹介されていた。

今まで店舗で売り上げを作っていたお店や、オフラインでの大規模な集客で売り上げを作っていたイベントなど、オンラインにシフトせざるを得なかった際に活躍したのがEコマース。特にShopifyでは日本にも海外に対しても手軽に販売する事ができるのに、その導入コストは異常にお手頃で、提供している内容とこれまでの業界と相場や導入障壁を考えると、破格としか言えないというのが正直なところ。

それを個々人が実感値として上の画素にあるように語ってくれたり、且つ飲食店や観光業界、地方の慣習だったイベントなどでも役に立っている事をこうやって見ていると、3年前に日本にこのプロダクトを持ってきてローカライズさせたいと決心し、走り回った日々がようやく目に見えた役目を果たせているような気がして、嬉しくてたまらない。(私の家にテレビは置いていないので、テレビがある友人宅に押しかけて、テレビの前にずっと座って張り付いてた 笑)

TwitterでもトレンドになるShopify

そしてつい昨日、Twitterでトレンドになっていたのがこの記事

一瞬目に入ってきた時には、アマゾンというキーワードと緑の植物の色合いで「環境問題の記事かな?」と思ったのだけれど 笑 それは紛れもなくShopifyに関する記事だった。(なかなか尖ったタイトル 笑)

私が3年前にShopifyで働き出してから何万回も聞かれている「Shopifyとは?」と「他とは何が違うのか?」という問い。同じく気持ちは既にもう何万回も答えてきた気持ちになっていた。ただ、今になって騒がれている事を見ていると、”自分の周りの人々で構成された経済圏で知られる”という事は、”一般的に知れ渡る”という事とはまったく異なる事なのだと痛快する。

というのも、今年出会った方で「地方のトラックの運転手として働く方にあなたを知ってもらうという事と、あなたに関する前提知識がある友達にあなたを知ってもらうことはまったく別物だ。」と教えてくださった方がいた。「確かに...いつの間にか出会う人は自分の興味関心で出会った時には既に幾分か最適化されていて、見えていないエリアがある事に気が付けてなかったのかもしれない。」と思った。(誰もが予期していなかったにも関わらず、トランプ氏が過去の大統領選で勝った時にもまさに同じ事を思った。)

黙って見ているのか、口を挟んでみるのか

そう、ここで思い浮かんだのが「元Shopify日本第一号社員の私がTwitterでバズっていた記事にマジレスしてみる」というチャレンジ。

Shopifyが話題に上がっているタイミングに合わせて、Twitterでこの記事について意見を書いている方々に突然元Shopify日本第一号社員の私がマジレスしてみるというチャレンジに挑んでみた。(と言いつつも、真なる動機は、この記事に付いてたコメントを見ているうちに、誰も答えられなさそうな質問やコメントを見付けてしまったので「答えてあげたい...🥺」という昔のカスタマーサポート魂に火が付いたから🔥というのはここだけの話。要はただのお節介とも言える。)

果たして、何の接点もない初見のTwitter界の皆さんは私の突然のレスにどんな反応をしてくれるのか...?生きて帰れる事を祈って、さっそくチャレンジスタート!

第1試合: Shopifyの仕組みについて

確かに、普段「物を売る側」という目線は意識しないので、どうやって「物を買う側」の仕組みも特別変わった方法があるのだろうかと思いそうになるところである。Shopifyを説明する時は「表立っては見えないけれど、ブランド公式のオンラインショップの裏側はすべてShopifyで作られている事はよくある。もう既にShopifyで作られたサイトでお買い物した事があるかもしれませんよ。」とよく言っていた。

第2試合: Shopifyという会社の名前について x2

これはリアルに海外でも同じような事が起こっている。毎日音楽をSpotifyで聴いている人が、日頃の生活で馴染みのないどちらかと言えばB2B向けのShopifyの人に突然会おうものなら、話している途中で「Spotifyは....」とよく先方が無意識で企業名を間違えるのはあるあるだった。

なんなら、私も最初の採用面接のプロセスで、何度かSpotifyと言ってしまいそうになった事がある。また、本社で昔催された社内のクリスマス会でも “Welcome Spotify!”とどこかのイベント業者が間違って書いてしまった事があったとか、なかったとか...笑

そして会話は続く...!意外と返信が来るのは嬉しいもんだ😌(コラボの件はあくまでも私個人の意見です。個人的にSpotifyで、Shopifyについて語るPodcastでも作るのは大アリ。ゲスト出演したいブランドさんやパートナーさんご連絡ください!笑)

第3試合: Shopifyの株について x2


2015年にIPO(ニューヨーク取引市場上場)をしているShopifyは、日本でも米国株として運用する事が可能。ついでにその成長率を見てみると...

上場した5年前は一株17ドル。 2020年12月頭現在はなんと驚きの一株1,090ドル。BFCM(Black Friday Cyber Monday)という、サンクスギビング後のEコマース商戦の後という事もあり上昇気味のよう。

第4試合: サーバーについて

AWSというのは”Amazon Web Service”の略で、アマゾンが提供するサーバーシステムの事を指す。本来ウェブサイトを構築する際、それぞれの構築者がサーバーシステムを別途準備して、取り付ける(実装させる)というような流れが必要となる。しかしShopifyの場合だと、すべてShopifyが代わりにやってくれるので、そもそもユーザーがサーバー自体の導入や管理さえも行わずに済むというのがポイント💡月額3,000円台でサーバーもデータも商品数の制限もないというのは、Eコマース業界でいうと破格過ぎる待遇とも言える。

第5試合: エールの言葉

コメントを重ねる中、エールの言葉を贈ってくれた方もいた。それにはもう、ただただありがとうという気持ちばかり🥲

第6試合: 日本での実際の動向について

Shopifyは日本に上陸する前から日本の方からも実は使われていた。ただ、当時は越境EC、つまり海外に何かを売りたい人が使うツールとして認知され、eBayと並んで密かに使われていたのだった。

ただし、ここ数年でのローカライズ(日本に根差したプロダクト改善)を進めてきた甲斐もあって、言語は英語から日本語のインターフェース(見た目)となり、日本独自の配送や決済サービス、在庫管理システムとのAPI連携などが進んでいった。そのため、日本国内向けにでも販売ができるツールとして認知されている。

また、昔は「やれる事が多い分、なんだか難しそう」というイメージが先行してしたのに、今ではお手軽簡単でオンラインショップのBaseやStore.jpとShopifyで最初から迷う人が多い。それだけ「私でも出来そう!」というような手軽な存在として認知が進みながらも、一日で億を売り上げるブランドも存在するくらいパワフルな機能を兼ね備えている、という事でShopifyがリーチする層(レンジ)の幅がより一層広がっている。

その他の変化としては、圧倒的にShopifyについて知っている人も増えたし、Shopifyについて日本語で語れる人も増えてきた。自己紹介で前職はShopifyだったと言うと、補足説明要らずに理解してくれる事が今は殆ど。また、都内のカフェに入ると、近くに座ってた人がそれこそちょうどShopifyを使ってストア作っていたり、ブランドさんに対してShopifyの商談を行っている導入支援会社さんに鉢合わせたりと、そんな状況を見て、思わずニヤニヤしてしまう機会も増えた。

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そうこうしているうちに、Twitterワールドにハマり込んでしまいそうになっていたので、我に返り、リアルワールドに戻ってきた🌎 Shopifyにいた時は、公式カスタマーサポートにくるお問い合わせから、Facebookグループ、個人のMessegerに無数に増えていくShopify関連グループ、Twitter、Facebookコメント、各社Slackなどなど、いつも質問を見つけると返答してしまう反射神経が付いてしまい、今回もその時のマインドが蘇った結果、今に至る。

「ちょ、おま、誰だよw」とか、回答し過ぎて「Shopify botかよw」とかとか、そんな辛辣なコメントを受けるかと思いきや、案外敬意を持って返信をくれる人やDMで直接「応援してます」と声を掛けてくれる人まで😢 (中には「私と一緒に働きたい」とか「今大学生でキャリアで悩んでいるので話がしたい」なんて言ってくれる方々まで...なんと誠にありがたや...🙏) 

終わりに


今回のチャレンジから学んだ事としては、同じ記事を読んだ後も各人でその反応は様々であるという事。Twitterで相互のやり取りをするという事は普段出会わない人と交差する事にもなり得る、と同時に予期せぬコメントを受ける事もあるので、反面教師として画面の向こうには人がいるのだという事を意識した言葉選びをする事。また、小さな事は気にせず、人にベクトルが向けた発信を続ける事。万人ではないかもしれないけれど、想いが伝わる人は必ずいるという事。多くのlikeよりも、ほんの少しのloveを大事にしたいと思う経験となった。

今回のチャレンジに使用した私のTwitterアカウントはこちら。日頃は海外Techスタートアップや国内スタートアップのイケてるサービス、毎日の日々で思った事などを徒然と綴っている。日本のあるあるなのに海外で知られていない事を英語で発信したり、海外の記事を日本語で要約して投稿したりも。断然褒められると伸びるタイプなので、残念ながらネガティブコメントには対応不可。だけど応援し合える人との繋がりは大歓迎!そんなTwitter。興味があればぜひチラッと覗いてみてほしい。

Twitterは私の個人的な備忘録のような位置付け ↓

おまけ

Shopifyでストアを作ってみたいという人がいたら、Shopifyでアカウントを作る前にコメントやDMで知らせてくださいな。私を経由してもらうと、トライアル期間を無期限に引き延ばす事ができるアカウントを発行できるのである。数に制限はないので、複数のブランドのECショップを作りたい場合にも対応可。最近はShopifyを使ってECサイト構築代行で独立したい方も支援していたり。特にコロナで事業が縮小している、今後新しいキャリアを模索したい、新規事業でECを始めたいなど、相談に乗ってくれる人を探している場合には一人で抱え込まずにぜひ私までご一報を〜👋


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上野 チェルシー 有彩
アメリカ生まれ、福岡育ち。Shopify 日本第一号社員を初めとした海外スタートアップ(Noom、米ユニコーン企業 StockX) の日本立上げに連続で従事。現在はフリーで国内外のTech企業の新規事業立上げやEコマースを活用したD2Cブランド立上げを支援している。また、自身の経験を活かし、パラレルキャリア女子としての講演活動やEコマース関連のカンファレンスなどでと登壇している。教育に大きな興味関心があり、スタートアップと掛け合わせたキャリア開発支援や、社会起業家教育と絡めたプログラム講師、高校や専門学校や企業向けのイベント登壇活動を行っていたりもする。(2019年度TOMODACHI ソフトバンクリーダーシッププログラム アメリカ現地講師、世田谷学園、三田国際高校、福岡県立香椎高校、バンタンデザインスクール講師、Red Bull 社内研修講師、国際社会起業家ビジネスプランコンテスト Hult Prize審査員など。)

Arisa Chelsea Ueno
Arisa was born in Virginia, the USA, raised in Fukuoka, Japan, and educated in Norway. She has built her expertise in branding marketing at an early stage and Japan market entry business development at international tech companies such as Noom, Shopify, and StockX (a US Unicorn company) as one of the founding members in Japan. Especially as the first hired at Shopify in Japan, she has devoted herself to cultivate a whole new ecosystem of eCommerce all over Japan and created a bridge between Japan and other countries to enable cross border businesses through eCommerce.

Recently, she has been engaging domestic and international companies as an independent advocate especially when they start up a new business or enter new markets in Japan. (ZeBrand, SPROUND, Shootsta) She also works as an eCommerce consultant. Arisa loves empowering and connecting people. She also works as a public speaker and has run entrepreneurship and career design workshops in high schools in Tokyo and Fukuoka, fashion design school Vantan and companies like Red Bull.

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