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小説 カフェインpart9
A4の一番大きな大学ノートにはこういったものがびっしり書き込まれている。わたしが驚いたのはカフェインがこんなにもたくさんの詩を残していたということ。あいつポエム野郎だったんだな。横書きで書かれたその詩の上にはCとかFとか書かれている、多分これはコードってやつだろう、ただの詩じゃない、これは歌詞なのだ。
ノートにはチラシが一枚挟まっていた。
CDのお求めはインキョドーレコードへ、と昔の犯罪者がやっていたような、大小バラバラな印刷物の文字を一文字一文字切り抜いて作られているチラシ。
インキョドーレコードというロゴと連絡先の携帯電話の番号が下の隅に載っている。カフェインの番号ではない。好奇心には勝てず、電話をかけてみることにした。レコード会社は何時からやっているの?まぁ午前十時ぐらいなら問題ないんじゃないかと思い、コーヒーを飲みながら待った。最近昼夜が逆転しているから十時まで起きているのがきつかった。
三回ほどコールして「はい、木下です。お電話ありがとうございます。」という妙にはきはきした男の声がした。
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