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小説 カフェイン part1

風呂桶はノアの箱舟か、それとも棺桶か。
夜更け、微妙にオールドファッションのチョコがけが食べたくなったがそれはスルーするとして、ドーナツの穴は爆発しないためだね。チュロスがぎざぎざなのもそうなら。
ドーナツを最初に作ろうとした人は爆発と闘いながら意地で調理していたのか。
台所ボンボン爆発、生卵レンチンでボーン。黄身に楊枝で穴をあけておけばいいらしいですよ。イッツオーケー、伊東家の食卓でやってた?何でもかんでも電子レンジに入れればいいってもんじゃない、特に生き物は入れるなよ、あと殺すぐらいなら自分だけにしろ、そして総武線に飛び込むな、親が泣くぞ。
これぐらいでいいかな。私の言いたいことは。
辞世の句も浮かばないしそれだけ。
スマホからはクリープハイプの鬼が流れてきてテンション上がるう。誰も探しちゃくれない、永遠の鬼ごっこがはじまる。
あたまがくるっていく瞬間、来るか来るか来るか。言語感覚がまず、おかしくなってそっから行動もへんてこなのはいつも通りなんだけど、だから洋服来てお風呂入ってるところを見つかっても特に家族は何も言わないとおもうのだよね。普通は突っ込むけど。
 
カフェインが最後に残した言葉たちは全くもって意味不明で、はぁ、そうですかとしか言いようがない。自宅浴槽で洋服を着たまま湯につかりながら大量の薬を摂取していた彼女の遺書は濡れないようにジップロックに入れられて風呂の椅子の上に置かれていたという。

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