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小説 松戸のゲバラ

彼女がゲバラの顔を知ったのは、対して好きでもない男の部屋を訪れた夜だった。
酔った上のすったもんだで部屋に上がったわけだが、心はとうにゲバラに奪われてしまった。
部屋に貼られたポスターの中のゲバラはまごうことなくハンサムでワイルドでどこか懐かしさを感じた。
「この人、誰?」
「ゲバラだよ、ゲバラ、革命家。ウィキで調べれば?」
男は果てたあと寝た。
いつもだったら不機嫌になるところだが、今回は好都合

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