Affinity Designerでギャルゲタイトルロゴを作ってみる

AIを使って架空のギャルゲを作ろう
と思い立ち、設定などから考えた前回

作るものも完成形のイメージも大体あるので早速作業に取り掛かってもよかったのだけど
形から入るタイプなので、絵より先にロゴから作って己のテンションを上げることにした

とはいえ、ロゴ制作というか、デザインはかじった程度で専門外
知識はあるけど技術はないほぼ素人なので手探りでアレコレこねくりまわしてみるしかない

Adobe Illustrator代わりのAffinity Designerを持っているのでツールは十分
……のはず
せっかく買ったツールを腐らさないように勉強もかねて作っていく

いっちょまえにコンセプト決めから

せっかくロゴを“デザイン”するので、なんかいい感じのタイポグラフィではなく、世界観やストーリーを表現できるものにしたい

コンセプトは
・狭い世界で窮屈に暮らすドラゴン
・人を抱きしめたら傷つけてしまう爪を隠す
・色々な含みをもたせた『秘めた心』

架空なくせに色々とストーリー展開は浮かんで(しまって)いるので
「アレも表現したい」「コレもどこかに入れたい」
などと欲張りになっていくが
こういうのは要素を盛り込むと大体失敗するので、引き算しながら作っていくというのを頭の片隅に置いておく

ということで、次はフォントを決め

フォント決め

当然ながら0からの作字は無理ゲーなのでフォントをいじる方法で
(大体そうだよね?)

まず最初に考えるのは『ゴシックor明朝』
ゴシック:ギャグやポップ、明るい雰囲気を連想させる
明朝:シリアス、センチメンタルな印象を与える

もちろんもっと幅はあるけど、ざっくりそんなイメージ

想像の中でのコイツメは泣きに寄せる展開ではないので、ゴシックベースにしようというのはすぐ決まったが
コンセプトにある『爪を隠す』『秘めた心』といった
プライドと誇りが高く高貴なドラゴンの中に芽生える女の子らしい部分を表現するために、後でところどころに違うフォントを散らそうとだけ決めた

タイトルを入れて、手持ちのフォントで色々と試してみて
廻想体というフォントに決定

少し癖の強いフォントではあるけど、窮屈な中にも尖った爪のようなハネと
見方によってはモンハンライクな古代文字っぽく見える箇所があったので
これをベースにいじることに

ザザッと並べて全体の雰囲気を作る

ロゴを作る上で最初に覚える
『大きくしたり小さくしたりしてズラす』
を実直に実践
“爪”だけフォントを変えて、尖った印象を持たせる
ドラゴンのシルエットから炎を吐かせてアンダーライン風にしつつ、文字とつなげてタイポグラフィっぽく……

この時点ではかなりアンバランスだけど
大体の全貌から作っていきたいので、いったんここで一区切りに

文字をいじっていく

狭い世界で身を寄せ合うイメージ

隠された爪の鋭利なイメージ

この2つを基調にして文字を変形させる作業
テキストをカーブ化して
窮屈すぎない程度に文字を詰めて
ところどころに爪の雰囲気をもたせた尖りをつける

ここまできて思った
うーむ……

なんかダセぇ」

きっとここが素人とプロデザイナーの違いなんでしょうな
行き当たりばったりで完成図が明確じゃない私のようなペーペーだと、ふんわりしたイメージはあっても上手く具現化できずトラエラが発生
プロはラフや早い段階でいい感じのビジョンが構築されてるので、こういう
「なんかダセぇ」を経由しないでスッスッスっとタイポされていくのだろう

失敗の繰り返しがいつか自分をプロにしてくれるのだとポジティブに捉えて
頭を切り替えることに

ボツではあるけど一応保存し、ファイルをコピー
フォントとコンセプトは変えず、全体のレイアウトを見直すことにした

第二案へ

何がダサく感じるのか自分なりに見直してみて
とりあえず“爪”がイキりすぎてるなと感じたので、ひとまずフォントを統一
絶妙なアンバランスさを生んでいたドラゴンも文字の後ろに置き
これまたよくみる英文字を添えてバランスを取るアレに変更
オマケ要素で最後の「す」の中にハートを仕込んで、乙女の秘めた心を表現

調整前なのでバランスは悪いものの
“爪”のイキりをヤメたことで全体のまとまりはよくなりそうな印象
やっぱり欲しがってはいけない、芸術は引き算だ
と己を戒める

第二案の再配置とバランス調整

第一案と同様、文字を詰めてズラして動きをつけて
やや太めゴシックだった“爪”も少しスマートにしてややトンガリ
右上の空いたスペースを埋めるようにドラゴンを配置、火も吐かせる

と、ギュウギュウになりつつも、流れが分かりやすくまとまった印象に

英字タイトルの『DRAGON HEART IN THE CLOSET』
直訳すると「龍の心は押入れの中」みたいな感じだけど
“秘密にする”とか“本当の気持ちは隠しておく”みたいな意味のスラング

マイケル・ジャクソンの『In the Closet』という曲からインスピレーション
この曲、マイケルには珍しくセクシャルで官能的
MVもめちゃくちゃエロカッコイイのでマイケル興味ない人にもオススメ


ブラッシュアップして完成に

字間がさすがにギュウギュウすぎると感じたのでもう少し隙間を作る
ただ、狭い世界にひしめき合ってる感を損ないたくなかったので、ガイドの枠線を引いてバランスを調整
古龍のふりがな『おとめ』を、あえてコテコテな可愛いフォントにして
かたい雰囲気を緩和するようなギャルゲ感を演出
右にドラゴンがいることで左側がやや寂しくなったので、爪っぽい何かを自作して背面に配置
『恋』を大きくしようとも考えたけどイマイチだったのでボツ
結果的にはこれで良かった気がする


爪っぽいなにか

最後に、背景を白と黒にして極端な違和感が出ないかチェック

最終的な配色は他のビジュアルが出揃ってから再調整するとして
形としてはこれにて完成
個人的にはそこそこ満足できる仕上がり
デザイン素人ながら、ゲームのコンセプトを落とし込めたのはよかった

また、色々なサイトでたくさんのロゴを見ると
動きやバランスの取り方が参考になって、作ってて面白くなってくる

モチベーションにも繋げたので、この勢いのまま他のビジュアル制作もしていけそうだ
ぜんぶ架空のモノだけど

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