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ずるい

皆、ずるい、僕に。

大学の留年が決まり1人で散歩をして帰宅すると、友達がアレンジした袋麺を作って僕の帰りを待ってた時、ずるいなと思った。

身勝手な理由で音信不通にしていたコミニティに久しぶりに連絡を取り直したら、事情を納得してくれた上で心配事があるなら何でも聞いてねと優しくされてしまい、ずるいなと思った。

高校生の時、当時好きだった女の子から連絡すらとらなくなり想いも薄れかけた時にバレンタインチョコを渡され、舞い上がる感情と共にずるいなと思った。

優しくされたくない時に優しくされてしまったから。欲しくない時に本心では欲しい言葉を受け取ったから。そうなるべきでないのに、そこに帰着してしまったから。
とにかく嬉しい感情とは裏腹に「ずるい」という言葉が出てしまうのだろう。もっと素直になりたい。

そしてここ数日でも「ずるい」と言うことが何度かあった。もういっそ、その人達のずるさに少し甘えて過ごしたい。そう思い立った時に限って、僕はなんてずるい奴だと感じてしまう夜であった。

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