3日間で売れてない芸人100組のネタを見て気づいた、笑いにくさの原因

先日「東京のお笑いを見にいかなければ!」という突然の使命感にかられ、3日間かけてお笑い旅行をしてきました。

見に行ったお笑いライブは以下の通り。普段は大阪のよしもと漫才劇場やなんばグランド花月に行ってばかりなので、吉本以外のライブを多めに選んで見に行ってきました。

・ブレナイ(K-PRO)
・ケイダッシュゴールドライブ(ケイダッシュステージ)
・若手ネタストリート(吉本興業)
・NEW COMER!〜Friday NIGHT〜(ワタナベエンターテインメント)
・ゲレロンステージ(K-PRO)

数えてみるとなんと100組以上の芸人さんのネタを見たのですが、その中で私が名前を聞いたことがあったのは、トム・ブラウン、ハマカーン、まんじゅう大帝国、土佐兄弟、はなしょーだけでした。

残りはテレビに出たことない人ばかり。いわゆる、売れてない芸人さんです。

少し前に「本当に面白い人ほど面白いと思えることが多い」という記事を書いたくらい、お笑いを楽しむために積極的に笑うことを心がけている私ですが、

この売れてない芸人さんたちのネタを見て思いました。

「おもんない!!笑笑」

え、3分しゃべってこんなにひと笑いも起きひんことある?

最初のうちは、おもんないなぁと思って見ていたのですが、何組も何組も見ているうちに気づいたことがありました。

面白くないというより、笑いにくいのです。

自分なりに「なぜ笑いにくいと感じたのか」をまとめてみました。素人意見ですが、すごく基本的なことかなと思います。

・日本語の文法的な間違いが気になる

話の文脈や流れがおかしかったり、言い回しが変だったりすると、やはりそこが気になってしまい、ボケの内容で笑いにくいことが多いです。コントやフリップネタと比べ、漫才は言葉に集中して楽しむものなので、そこは完璧にしないといけないところだと思います。

・お客さんとテンションを合わす人が1人は必要

ワーっと騒いで笑いに持っていく人がいますが、大きな声を出せばいいってもんじゃありません。売れている人で大きな声だけでやり通してる人はいないです。もしも、1人が勝手に盛り上がってる(というボケ)なら、ツッコミは絶対お客さんと同じ温度でつっこまないといけないと思います。さや香、とろサーモン、アンタッチャブルあたりは、そこのバランスが取れているので、ボケがどれだけ暴走しても面白く見ていられるのです。

・手の動き

去年のM-1で見取り図の盛山くんがナイツ塙さんに注意されているのを聞いたときはピンとこなかったですが、売れてない人を見たらその意味がすごくわかりました。頻繁に髪をかき上げてたり、無駄なジャスチャーやったりはすごく気になります。そういうフリなのかな?と思ってしまうし、気が散って内容に集中できません。

・トリオ漫才は2人が同時に動きでボケ始めてはいけない

トリオ漫才ではボケが2人いることがほとんどですが、2人とも動くと目線が泳いで集中できません。視界がうるさくて内容が入ってこないです。そういう点で、四千頭身の前半にたたみかけるネタは、とても優秀だなと思いました。たたみかけてるのに、順番に動くから見やすいですよね。そして、うまく行っていないトリオの多くは、2倍でボケちゃってるからツッコミが追いつけてないことが多いです。処理されてないボケは、ずっと気になって、それ以降のボケで笑いにくくなってしまいます。

・売れてない人ほどやっぱり漫才の冒頭で自己紹介はすべき

「高校の同級生でやってまして」みたいなセリフってど定番ですが、一気に漫才が見やすくなります。また、顔や身体に特徴がある人はそこをいじっておいてほしいです。「おもろい顔してるなぁ」とか、「いやめっちゃ背高いなぁ」と思ってしまい、ネタの内容が入ってきません。または、ネタの中でそこを早めにいじるべきだと思います。これは、今売れている芸人さんでも最初の頃はちゃんとやっていました。アインシュタインは稲ちゃんの顔が浸透するまではずっと顔いじりを入れていた(入れざるを得なかった)し、去年のM-1のオズワルドが漫才の冒頭に自己紹介を入れたのも大正解だったと思います。

・コント漫才をするなら演技力を磨け

「じゃあ、ちょっとやってみよか」と、漫才の中でコントに入るパターンのネタは、演技力がないと、何も伝わってきません。特に一人で何役もするパターンのネタの場合、人の変わり目なども丁寧にやらないと違和感しかなく笑いにくくなってしまいます。

以上、ただのお笑い好きが感じたことでした。お笑いの高度なことはわからないけど、これってお笑いじゃない場面でもとても大切なことだと思います。

お笑い界発展のために頑張ります。スーをいただけると嬉しいです。