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コロナ禍を踏み台にしてやれ。根性編

「食べる側としても、お気に入りのレストランの冷凍食品や持ち帰りの箱に入った料理が食べたいわけじゃない。サポートしたいから頼むけど。」そんな書込みを目にした。これはレストランに行く価値を引き合いに書かれた一部だ。確かにそうなのだろう。残念だがその通りだ。

州知事からレストランクローズオーダーが出された3月23日、お店での食事は禁止されたがテイクアウトやデリバリーは許された。もともとテイクアウトが出来るカジュアル系レストランは通常通りテイクアウトを提供し、顧客のサポートもあり通常売上をキープした。ではラグジュアリーなスクラッチから作る拘り満載なChefがいるレストランはどうだったのだろう。彼らはお客様の胃袋を満たすのみならず、空間から来る心地よさ、サービス、地域との繋がり、サスティナビリティ、多種多様な楽しみ方をチーム一丸となってレストランと言う舞台でエンターテイメントな演出を考え実行してきた。だからただの持ち帰りの箱に同じ価値を見出せない事を知っている。お客様にサポートして頂く事は本当に感謝に堪えないが甘えるだけではChefとして情けない。だって私達はお客様を笑顔にするために料理やサービスを四六時中考えているのだから。しかもそれは湧き出る泉のように自然な事なのだ。

あなたの家でChefの味

ポートランドにいるお客様は素敵な家(空間)に住まわれている方が多い印象がある。大きさの問題ではなく空間への拘り、アート、美しい庭などがそうだ。レストランより心地良い空間が贅沢に存在しているじゃないか。ここからはChefの料理へ拘りのチャンネルをお客様の手に変える事でお客様を再び笑顔に、え~家でこんな事が出来るの?って少しの驚きを持ち帰りの箱に詰める事が出来るのではないだろうか。どうだろう、想像したことがあるだろうか。お気に入りのあのレストランの味を、拘りを、自宅で体験出来ることを。そこなのだ。私達が見つけたお客様への新しいアプローチ。コロナ禍に加え暴動でこれでもかと言う苦難を強いられて断念するChefもいるだろう。でもそれらも受け入れひたすら食材と向き合いお客様の喜びを栄養に週80時間働いたとしても楽しくて止められないChef達はコロナから得た新しい文化を創造する楽しみを見つけたのだ。これから更に難しい時代に入るのかもしれない、でも食べるは命でありChefがChefでいる限りいつの時代も挑戦は止まない。それはこの職業が大好きだという一点に尽きる。「サポートしたいから頼む」是非頼んでみて下さい。コロナ禍から得た新しい食文化を是非一緒に創造して下さい。 

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