スターバックスのお姉さんにもらった魔法の言葉
スターバックスのお姉さんに救われたことがあります。
高校生の私にとって、スターバックスはご褒美にフラペチーノを飲みにいく場所。
新作をチェックしてテストや模試の帰りに友達と寄り、一息つくのが最高の楽しみだった。
受験を控えた高3の10月。
その頃のわたしは、周りの期待に応えようと自分を追い込んで、音楽を聴くこと、友達と話すこと、好きなことや楽しいことを全部押し殺して勉強に充てていた。
しかし、期待していた模試の結果は第一志望校はE判定、第二志望さえもD判定。
落ち込んでやる気が出ず、気分転換のため本を買いスターバックスに入った。
大好きなキャラメルクリームフラペチーノ。何かにつけて我慢ぐせがついていて、そのときもダイエットしなきゃ…とホイップクリーム少なめで注文したら、店員のお姉さんはフラペチーノを作りながら楽しそうに話をしてくれた。
スタバで働くと毎回1杯好きなドリンクを飲めるんですけど、いつもホイップクリームをたっぷり乗せて、幸せに浸りながら帰るんです。ほんとはダイエットしなくちゃなんですけどね。でもその帰り道が楽しくて仕方なくて、また頑張ろうって思うんですよね~。
そう話すお姉さんがあまりにも幸せそうで、気づけば「やっぱりホイップ多めにします」と口にしていた。ホイップ多めは追加料金がかからない。
お姉さんはやっぱり楽しそうに、「幸せになっちゃってくださいね~」と山のようにホイップを乗せたフラペチーノを渡してくれた。
お姉さんの言うとおり、ホイップの濃厚な甘さは落ちこんだ気持ちを幸せにしてくれた。
そしてふと、気づいた。もし成績が上がらず志望校に落ちてしまっても死なないし、それはそれで別の人生を歩むのだろう、と。
それから気が楽になって、好きなことを楽しみながら勉強するようになった。すると2か月後の模試では第一志望、第二志望ともに判定が上がり、なんとか第二志望校の合格をつかみ取ることができた。
きっとあの時お姉さんと出会っていなかったら、わたしはいろいろなことを我慢したまま、苦しいだけの受験生活を送っていただろう。
そんなお姉さんに憧れて、大学生の頃は接客のアルバイトをたくさん経験した。
カフェレストラン、百貨店のベーカリーショップ、喫茶店。お姉さんのようにはなれなかったけど、おいしいものを前に楽しそうにしているお客さんを見るのはとっても幸せだった。
今日、お昼を買いにスターバックスへ行くと『アルバイト募集』のポスターが貼られていて真っ先にお姉さんの笑顔が浮かんだ。
お姉さん、高校生のわたしを救って下さりありがとうございました。今でも行きづまった時、心が折れそうな時、「ホイップ多めで」って言っちゃいます。
するとなぜか、また前を向いて進めます。
どこかでまた、お会いできますように!
あなたがよんでくださって心がポカポカしています☕