見出し画像

8月のシーズナル|夏野菜と桃とチーズの夏

SHIBUYA CHEESE STANDでは月替わりのシーズナルメニューを4品販売しているのをご存じでしょうか? CHEESE STANDのnoteでは、これからこのシーズナルメニューの試作会に潜入し、発売までの試行錯誤の様子をレポートしていこうと思います!

8月のシーズナルメニューの試食会の取材は、7月8日と7月30日に行いました。8日の段階で、SHIBUYA CHEESE STANDの店長・佐伯さんとキッチンスタッフのマナさんがシーズナルメニューの試食を代表の藤川真至とともにしていきます。

画像10

画像11

画像12


ーーーーーー

画像1

レモングラスと桃のブッラータ

ブッラータのシーズナルメニューのテーマは「フルーツ」です。季節のフルーツとブッラータの組み合わせを月替わりで楽しんでいただいています。

8月のシーズナルブッラータは「」です。昨年の夏のシーズナルメニューでは、桃をデザート寄りの甘めのコンポート(果物を水や薄い砂糖水で煮て作る方法)にしていましたが、今シーズンは前菜よりに仕立てていこうというのがコンセプトです。

コンポート(シロップ煮)にした桃とブッラータを合わせていくのが大きな構成で、桃にどんな香りをまとわせていくかという点でさまざま試行錯誤しました。

画像8

上の写真は、佐伯さんが担当した桃のブッラータの7月7日の試食会の写真です。コンポートにした桃のスライスを、表面を焦がしてキャラメリゼさせた桃と、コンポートにしたままの桃を交互に並べて、食感や香り、味わいの濃淡でコントラストを付けてあります。

コショウとフルール・ド・セル(フランス産の塩)を振って、前菜らしく仕立てている点では2回目の試食会と比べるて、ビジュアル的に大きな変更が見えないように感じますが、より前菜らしさを出すためにコンポートの作り方を変えてあります

渋谷店スタッフ

前回の課題としては、前菜寄りの仕立てにしていながらも、まだデザートのような甘さが出てしまったところでした。酸味を加えるために白ワインベースのシロップは変わらないのですが、以前はバニラの甘い香りをつけていたところを、レモングラスに代えたことで、より前菜らしく仕立てられたと思います。

最後に削るコショウは、以前のピンクペッパーでしたが、強さと締りのあるブラックペッパーに代えたことも、より前菜らしさにつながっていると思います。

画像7

コンポートのシロップも砂糖ではなく、ハチミツにしたそうです。ハチミツには甘味だけでなく、コクや酸味もあるので、桃のコンポートに奥行きが生まれてように感じました。

さらに、最後にライムの絞り汁をかけています。白ワインの酸味とは違う酸味を加わわったことで、桃の甘さの下支えとしての酸味にボリューム感が生まれた印象です。前菜らしさがさらに増したひと皿になりました。

渋谷店スタッフ

桃は、山梨県甲府市の農家「53ファーム」さんのものです。53ファームさんは、青山ファーマーズマーケットにも出品されている農家さんで、毎週甲府から果物や野菜を配達してくれるんです。そういった農家さんとの交流できるのも、お店としてはありがたいですし、いろいろと勉強になっています。

コンポートにして焼いてキャラメリゼさせて味を凝縮させた桃と、そのままの桃のスライスが交互に盛り付けられていているので、1皿で2つの桃の表情を楽しむことができますよ!

食べ方のおすすめとしては、ジューシーな桃は、ブッラータの中のストラッチャッテラとともに、巾着の結び目の部分とも相性がいいので、桃2、ストラッチャテッラ1、結び目1くらいの割合で口に入れてもらうと、すごくバランスがいいと思います(個人的好みですが笑)。

レモングラスブッラータにアップグレード

現在、夏限定のシーズナルブッラータとして、ブッラータの巾着の中のストラッチャテッラにレモングラスの香りを移した「レモングラスブッラータ」を店頭ならびにオンラインショップで販売中(1,430円、税込)です。

画像5

SHIBUYA CHEESE STANDでは、「レモングラスブッラータとトマト」も試作中、近日発売予定です。

ちなみに、シーズナルメニューの「レモングラスと桃のブッラータ」のブッラータを、レモングラスブッラータに変更できます(+300円)。

どちらもレモングラスを使っていますので、合わないはずがありません!より豊かなレモングラスの香りをお楽しみください。

ーーーーーー

画像3

自家製塩レモンの夏野菜タルティーヌ

東京・六本木けやき坂の人気ベーカリー「ブリコラージュ ブレッド&カンパニー」のシグニチャーブレッド「ブリコラージュ・ブレッド」を使ったタルティーヌもシーズナルメニューで提供しています。

8月のシーズナルタルティーヌのテーマは、トマトとパプリカ、キュウリといった夏野菜のおいしさを楽しんでもらうことです。SHIBUYA CHEESE STANDでは、通年でこだわりのある生産者さんが育てた野菜を直接送ってもらい旬を感じてもらうことをテーマにしています。

夏の時期の野菜は、noteの連載「&なCraftsmanとProducts」でも登場していただいた岐阜県飛騨市のトマト農家「長九郎農園」のトマトと、茨城県土浦市の「久松農園」のパプリカとキュウリを使っています。

こちらもシーズナルブッラータと同様に、初回の試食会のときから大きな味の構成は変わっていません。キッチンスタッフのマナさんが自家製した塩レモンでトマトとパプリカ、キュウリをマリネして、リコッタを塗ったブリコラージュ・ブレッドにのせて食べるものです。

塩レモン(下の写真)の酸味と塩味が、トマトとパプリカ、キュウリといった夏野菜のみずみずしいミネラル感とうま味をしっかりと引き立てる、おいしい夏をぐっとひとまとめにしたようなタルティーヌです。

2回目の試作に向けて変更したのは大きくは2点でした。

1つ目は、味のバランスです。じつは1回目の試食のときに、自家製の塩レモンだけを食べてみたところ、これが酸味と塩味が夏にぴったりで、すごくおいしかったんです。

画像8

1回目の試作のときに、それぞの食材のつなぎ役として塩レモンを使っていた役割を、もっと前面に出してアクセントとして使っていこうということになり、その後試行錯誤を加えたのが、2回目の試食の仕立てです。

渋谷店スタッフ2

夏野菜を塩レモンでマリネをするのは、前回と変わっていないのですが、マリネのさいに塩レモンの果肉を加えたり、塩レモン自体の味を強くしたりなどより前面に出るように工夫しています。マリネの際に加えた塩レモンの果肉もアクセントとして盛り付けてあります。

2つ目の変更点は、夏野菜の大きさでした。

画像9

上の写真が初回の試作会の写真です。2回目の試作よりも野菜が大きくカットされているのがわかります。

渋谷店スタッフ2

ゴロゴロとした夏野菜のおいしさを狙ったのですが、タルティーヌとして食べようとすると、ひと口で1種類くらいしか野菜を食べることができなかったんです。

もちろんそれでもおいしいかったんですけど、3種類の夏野菜を一緒もひと口で食べられるようにすると、味にまとまりが生まれると思いました。あとは、夏野菜を1種類にしたり、2種類にしたり、お客様のお好みで組み合わせを選ぶこともできるので、1皿として飽きずに食べ進めていただけるかなと思い、カットを小さくしてみました。

野菜を小さくカットしたことで、マリネしたときに以前よりも漬かりやすくなったことで夏野菜がクタっとトロトロになっています。そのかわり、もともとの素材感が失われてしまうところを、マナさんはひと工夫で解決しています。

キュウリを提供直前に砕いてから、塩レモンで軽くマリネし、食感を残すようにしたのです。そうすることでトマトとパプリカはクタトロ、キュウリはシャキシャキ。食感にリズムを生み出たのです。

渋谷店スタッフ2

長九郎農園」さんのトマトは、すごく味が強くておいしい分、皮もすごく存在感があるんです。その皮もおいしいんですけども、タルティーヌにすると少し口に残ってしまいます。今回は、皮を丁寧に湯剥きしてからマリネして口あたりをよくしています。また、提供する直前に削ったレモンの皮と、細かく刻んだイタリアンパセリを散らして香りを立てています。「夏野菜っておいしいなぁ」と感じてもらえたらうれしいですね。

ーーーーーー

8日の時点で、さまざまな課題とその解決案を話し合い、その後改善を重ねて、ようやく8月の新メニューとして発売されます。

8月のシーズナルメニュー(価格は税込)
New!
レモングラスと桃のブッラータ(2,300円)
(+300円でレモングラスブッラータに変更できます)
自家製塩レモンの夏野菜タルティーヌ(1,200円)
------
ガスパチョ(750円)
シーズナルスープは長九郎農園のトマトを使った酸味の利いたスープ。7月からの継続メニューです。
ズッキーニとジェノベーゼピッツァ(1,250円)
シーズナルピッツァも7月から継続です。

フルーツのブッラータ、タルティーヌ、ピッツァ、スープともに自信を持って用意をしていますので、ぜひSHIBUYA CHEESE STANDにお立ち寄りください!

SHIBUYA CHEESE STAND
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8
東京メトロ「代々木公園駅」2番出口より徒歩6分
JR「渋谷駅」より徒歩10分
営業時間/11:00〜22:30(L.O.22:00)
     日曜日のみ11:0〜20:00
※緊急事態宣言発出中の営業時間は、11:00〜20:00
定休日/月曜日・年末年始
(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)

※営業時間は、新型コロナウイルスの感染状況に応じた都や国の要請によって変更になる場合があります。最新の営業状況は、各SNSでご確認ください。

------------

ご感想やコメントなど、ぜひいただけたら嬉しいです!全力でお返事させていただきます。よろしければフォローもお願いします!

文・構成=江六前一郎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?