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数日前に突如起こった「女性蔑視発言」騒動
これは単なる騒動ではなくてこれまで一貫してあったことで、それが時々表層に浮き上がってきても、ささっと火消しのできる程度のことだったのだろう。
発言をした本人は「いつも通りいかない『今回』」に当惑したのではないだろうか。

当惑するのは当たり前だ。
今回の騒動は、女性に対する見方だけではなく、全般的な「ものの見方」が問われているからだ。
例の「わきまえている」発言。自らが周囲に要求している『わきまえ』が、国民に受け入れられると勘違いしていたり。
記者会見で、若い記者からの問いかけに上からモノを言ってしまったり、そんな記者からの直球の挑発に自ら炎上してしまったり。辞任後の後任を自ら指名してしまったり…。他の偉い方も「SNSというのは怖い」と発言してしまったり。

違う、違う。そうじゃない。

発言したご本人が、家族に叱られたとか涙を流されたという話も出てくるが、そんな暇あったら、国民は何に怒っているのか、声を上げているのか、情報を得るべきだったろう。記者会見の前にも同様。丁寧に準備をしたうえで臨む必要があったのではないだろうか。
記者会見を生放送で見ていたが、力技でねじ伏せようとしている様子が不快だったし、残念だった。もっと現場を把握して、自分の発言が何に触れてしまったのかを理解した上で一つ一つ丁寧に答えていたら、挽回できたのに。辞めろという声も小さくなっただろうに。

この後任人事も、オリンピック開催国・日本としての意志を世界に発信するには最悪の結果だ。この人事のメッセージは、オリンピックを遂行するという一点しか伝わってこない。国民…いや世界が、何に不快感を覚えているのかには回答がない。
メッセージを受け取る側としては、無視された感100%の人事だ。

しかし、後任の方が、今後の言動で何を伝えていくかによって様相は変わる。
あえて未来志向的に考えるのであれば、騒動を起こしてしまった人に近い方が今後の指揮を執ることによって、これまでの国際社会との太いパイプを活かしつつ、国際世論を受け入れながら粛々とオリンピックを遂行すれば、また違ってくる。
(中止決定も含め)

東京2020は『復興五輪』と言われてきたけれど、そこにコロナが加わり、今回の件もありで、世界に伝えていくべき、応えていくべき課題が増えた。
それらについて、これまでのように圧倒するようなイベントではなく、丁寧に多様な考えを受け入れた『やさしい五輪』にしてほしい。

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