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三浦春馬さんを語ろう。 28歳 これが自分

誕生日2日前に『キンキーブーツ』の2019年再演の発表もあり、NHK『世界はほしいモノにあふれている』のMCも始まり、映画の撮影も続々。

「この年の僕は将来のために尽力出来る人でありたい。」と言うメッセージで始まった28歳はエネルギッシュな年になりました。

初MC  『世界は欲しいモノにあふれている』

4月12日にスタートした、こだわりの商品を探して世界中を旅するバイヤーさんに密着するNHKの紀行番組。

歌手のJUJUさんと異色のコンビで初のMCに挑戦!初回は緊張がひしひしと。
あまり司会って得意じゃなさそうだよね、、なんて心配するも、第3回の「極上!オーガニックコスメ」の回で泥パックを手の甲側だけ指先まで丁寧にきれ〜いに伸ばし、JUJUさんに笑われ、キョトンとする春馬くん。
そして、「骨が見えちゃったよ」と笑顔でカメラにポーズ。
・・え、そこ?いやいや、そんなに指先まで綺麗に塗る人、初めてみたよ。

さらに第5回、キッチングッズの回でJUJUさんがふざけてケチャップピストルを春馬くんに向けるとセットの端まで飛んで逃げ、第6回ハワイの回では、麦わら帽子を被り、三日月目の満面の笑顔はまるでルフィ!

本人いたって真面目に対応する姿が、なぜか可愛く、可笑しく。
徐々にJUJUさんと天の声(ナレーション)の神尾さんにいじりポイントを掴まれ、度々いろんな無茶振りをされては、和ませてくれました。

席がJUJUさんとバイヤーさんの間、と言うこともあり、話しながら右を向いたり左を向いたり、ジェスチャー加えながら左右キョロキョロ。クルクルと表情豊かに一生懸命コメントする姿が、どーんと落ち着いて自由なJUJUさんと対照的で、普通に会話しているだけで可笑しい2人。

衣装は全て自前というお洒落なJUJUさんと、毎回ヘアスタイルも変わる春馬くんのコーディネートも素敵。7月にロンドン、パリ、スイス、2月に再びロンドン、パリとロケもあり。この後2年半くらい、私の癒しの時間となりました。

初回の4月は個人的にとても思い出深い時期で、この番組と春馬くんには感謝してもしきれません。

世にも奇妙な物語  『明日へのワープ』

お誕生日の撮影(前にもミステリー作品をお誕生日に撮影してましたね)5月12日放送。銀魂の鴨太郎さん役で髪が短くなり、なんだか若々しくなりました。『わたしを離さないで』の頃に戻ったよう。

焦りや不安が大きく、現実逃避したくて、記憶を失う薬を飲んでしまう。それが癖になり、気づいたら43歳。結婚もして賞も取っているのに記憶がない!?

43歳になった特殊メイク姿!実際春馬くんの43歳はもっと若々しくかっこいいと思うけれど。ちょっと新鮮。

この作品が“明日の自分から逃げない、もしくは活力をもって挑む”ための源に少しでもなれれば良いなと思うので、ご自身と重ね合わせて見ていたければ、うれしいです。

映画 『アイネクライネナハトムジーク』

4月-5月GW頃に仙台で撮影。公開が2019年9月20日と1年半くらい空いたので、スクリーンの春馬くんと普段(舞台挨拶や番宣)の春馬くんの差が大きく「え?」と思った作品。

オーラ消すモードの極み、佐藤 役。下の名前がない、佐藤。
とても普通に近くにいそうな、地味で、煮え切らなくて、「あーもう、なんでそんないい人なの」「いい人すぎて、そこじゃない」と突っ込みながら見てるのに、じわじわ佐藤が好きになり、最後はとても多幸感に包まれ、幸せな涙が出た作品。

有名なことですが、多部未華子さんとの共演は2010年『君に届け』で高校1年同級生、2014年『僕のいた時間』で就活〜社会人恋人役、に続いて3作目。公開時の春馬くんの年齢だと20歳、23歳、29歳だけど、撮影年だと4年ごとなので「オリンピックカップル」と。

劇中の2人は出会いのシーンから10年後の2人へ、途中10年話が飛ぶのだけど、リアルにこの2人の約10年を見ているので、違和感がないというか、勝手な空想がふくらむ。

3作品全部別のストーリーで、別の監督、全く異なるキャラなのに、バスのシーンがどれも象徴的に出てきて、なんだか作品と役を通り越して2人の物語のようにも見えてしまい、最後のシーンは「ああ、良かったね!」と、風早くんと爽子ちゃんの未来のようにも思えてしまう、不思議な現象。

「多部さんは僕にとってワークパートナー的な存在。もちろん信頼しているし、安心もしますが、きっと僕のダメなところも苦手なことも全部わかっているので、緊張感を持って向きあわないといけないなと思う相手です。繊細な演技がとても上手な方なので、彼女に引き出してもらった部分もあると思います」

何かで「3つとも自分にとって節目になった作品」みたいに表現していたこともあり。この年の秋頃に吹っ切れた発言が多くなった印象があり、春馬くんの中で気持ちの変化があった時なのかな、と思います。

最後のオールアップはボクシングの試合のシーンで、春馬くんの出番はなかったそうですが、わざわざ仙台に来てエキストラに参加し、撮影終了までいたそう。
スタッフさんと一緒に作り上げる座長の姿、素晴らしいと思います。

『東京公園』と同じカメラマンさん。アップの時の表情の映し方とか、映像の切り替えの優しい加減がとても好きです。

映画 『こんな夜更けにバナナかよ』

6月から7月3日にかけて、北海道で撮影。12月28日公開
主役は大泉洋さん演じる筋ジストロフィーの患者、鹿野さん。春馬くんは介護ボランティアをする医大生の田中くん。恋人の美咲ちゃん役は高畑充希さん。『オトナ高校』の脚本家さんとのご縁作品。

春馬くんが『僕のいた時間』で演じたALSとちょっと似ている病気で、大泉さんは役作りで10Kg痩せたとのこと。似た病気を演じた苦労を知っているからこそ、何か大泉さんの役にも立てるかな、という思いもあったそうで、毎朝大泉さんと一緒に走っていたことは有名。

キャラの濃い鹿野さん、はっきり物を言う美咲ちゃんと比べ、遠慮してなかなか本音を言えず、自分の将来にも迷う田中くん。医者の父親の期待に対するウズウズした思いや、医大生という多少のプライドも持ちつつ、諸々の葛藤と闘う田中くんの姿がなんとも愛おしい。

『アイネクライネ・・』の佐藤と似てそうで違う、普通人の演じ分けが秀逸。
普通の人を演じる方が特徴のある人を演じるより難しいそうです。「普通って何だろう」を研究したそう。

劇中さながら、番宣時もキャラの濃い2人と、そっと優しい存在の春馬くん、の図は変わらず。演技なのかそのままなのか、面白い3人組でした。

『僕のいた時間』とはまた違った病気との付き合い方、ボランティアや家族の在り方を考える、いい映画だと思います。

映画 『コンフィデンスマンJP ロマンス編』

7月下旬から8月上旬にかけて、香港で撮影。公開は翌年5月なので、約9か月後。
人気ドラマの映画化で、春馬くんは映画から参加。「ロマンス編」のロマンス部分を担うキーマン、恋愛詐欺師ジェシー役。

春馬くんを選んでくれたのは『ラストシンデレラ』の田中亮監督。「こういう色気のある、甘い演技をさせたら右に出るものはいない」と、思いっきり甘い演技を求められたそうですが、相変わらず「僕、そういうシーンでも全然照れないんです」田中監督が撮る春馬くんは、世間一般が求める春馬くん像にとても合致していると思います。この作品のジェシーもとても魅力的。ありがとうございます。

「人はどういうところに、どういう瞬間にカリスマ性を見いだすのか? という海外の論文(研究資料)があると友人から教えてもらって、そういった資料から、話し方、振る舞い方、視線の投げ方を学んで、撮影に臨みました」

カリスマ性の役作りに論文ですか。恐れ入りました。

個人的にとてもいい位置の役者さんになったな。と思った作品です。
映画やドラマって、どんなに主役が良くても、脇役が下手だと興醒めしてしまうのだけど、脇役にいい役者さんが揃っていると、とても見応えがあり面白くなる。それがさらに、いつも主役をやってきたベテラン俳優さんが揃っていると、すごく厚みがあって面白い作品になると思うのです。

この映画は竹内結子さんと江口洋介さんと春馬くんがそれぞれ外伝を作れそうなくらい役を作り込んで、いい演技をしていた印象があって。この2人と同じ位置にいるってすごい!と思ったのでした。

最後に江口さんに蹴られるのは春馬くん提案だったそうで、「ジェシーをこんなに魅力的に描いた覚えはない」と脚本家の古沢さんが仰っていました。
竹内結子さんは以前春馬くんが好きな女優さんで名前をあげていたこともあり「共演できて良かったね」オフショットも楽しそうな現場でした。


ドラマ 『ダイイング・アイ』

11月頃撮影。年が明けて2019年3月16日からWOWOW土曜22:00に放送された全6話の東野圭吾さん原作のハードサスペンスドラマ。

事件に巻き込まれ、一部の記憶を失ってしまう、バーテンダー雨村慎介の役。高橋メアリージュンさんの1人2役の神秘的な目に「蛇に睨まれたカエル」状態の慎介。

ハードサスペンス、と言うだけあって、怖さとミステリーがかなり強く、官能的なシーンもあり、なんだか急に大人っぽくなってドキっとする新境地。バーテンダー姿がとても板についていて、指先が綺麗。これも相当練習したそう。

舞台『罪と罰』

ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーの同名長編小説が原作の戯曲。1月9日から2月17日まで、東京と大阪で公演。2015年の舞台『地獄のオルフェウス』の演出家、フィップ・ブリーンさんのラブコールを受けて、2度目のタッグ。

春馬くんの演技力を買ってくれるのは嬉しいけれど、ずいぶん難しい作品に挑戦するな、と言うのが最初の感想です。告知のビジュアルからして、「これ、のめり込んで大丈夫?」と、見守るお姉さんは心配に。。。

フィリップさんコメント

地獄のオルフェウスで春馬さんと初めてご一緒した時、素晴らしい俳優としての可能性がわかりました。そして実際、彼は素晴らしい俳優になり、今回彼が、その類稀なる感情の幅を持ってこの象徴的な役を演じることをとても嬉しく思っています。脚本家としても、この役を演じてもらいたいと思う俳優は、世界中どこを探しても彼の他には考えられません。この戯曲は7年間まるで心臓の鼓動のように私の中に行き続け、私が大事にしてきた戯曲です。今回この作品を日本の最も素晴らしい若き俳優の1人に託すことを本当に嬉しく、とても楽しみに思っています。

公開前日の春馬くんコメント

「すごくエネルギーを使う役だと改めて思いました。正義のために殺人を犯すという役は初めてなので、稽古終わりの心地のいい疲労感はあるんですが、一方で消耗も感じており、稽古のあと、このまま消えてしまうんじゃないかと思ったこともありました」

お願いだから、消えないで。

3時間半の長丁場、舞台上にほとんど出ずっぱりの役。公開前でさえ頬がこけ目が窪み別人のようだったのに、日を追うごとにさらに痩せ、せかほしで見る姿すらラスコリニコフが残っているような気がして、ちょっと心配になったものでした。


公開、取材ラッシュの中の変化

昨年から撮影していた映画やドラマが夏以降に一気に公開ラッシュ。
8月17日『銀魂2』、8月31日『SUNNY』、9月末『Tourist』、そして12月上旬にBS4K放送開始記念の『大いなる鉄道16,000km走破 東京発→パリ行き』全4話のナレーションがあり、FNS歌謡祭でキンキーブーツメドレーを披露し、年末に『こんな夜更けにバナナかよ』公開。

舞台挨拶を始め、テレビ出演や雑誌のインタビューなど露出の多い半年でした。いつになく、自分の今までやこれからを語ることが多く、なんか吹っ切れたのかな?と思った時期。

全体をまとめると、「これまでもずっといただいた役は精一杯演じてきたけれど、20代前半は自分が演じるキャラクターの幅がないような気がして、もどかしく思っていた。今の自分にはない要素をもっと打ち出していきたい、と、ずっともがいていた。ローラを演じ切ったことで、自分も舞台で挑戦できるんだと言うことを知ったし、全然馴染みのない役を演じる面白さを実感した。」

昨年の海外続きの経験から「意見はちゃんと伝えていこう」と思ったらしく、そのタイミングで『銀魂2』のダークサイドに振り切った役や、『コンフィデンスマンJP』の詐欺師など、色々な役に自分の意見も取り入れてもらいながら演じることができたのが良かったのかと。

子役時代からずっとやってるからよく“優等生”と言われるんです。それを面白みがないと感じる人もいただろうなと。でも、それが自分の気質だし、どうしようもないんですよね。『もっと本音で話せよ』と言われても、それが本音だし――そういうことで悩んだ時期もあったり。そもそも、そんなに自分を噛み砕いて見せられなくて、周りはもっとフランクな自分を求めているんだろうけど、その方法がわからないことが結構ありました。 20代初めもそうでしたし、ずっとそこで悩んでいたような。でも、最近は全然ない(笑)。誰よりも楽しんでいるという自信が、いまはあるくらいなんです」 Numero .Tokyo2018.9.12
「僕にとって芝居や表現することは、自分を出していくこと。夢というより自己実現の場なので、仕事がなくなると具合が悪くなると思います(笑)。今は素晴らしいフィールドを用意していただいているので、そこで自分が納得する表現をして、誰かに喜んでもらうことを目指して日々を過ごしています。でも、いつかは想像を超えたい。みんなの想像だけじゃなく、自分の想像も」。クランクイン2018.12.28

ずっと求められるがまま仕事して、それが認められ、褒められ、評価されてきたのに、20代中盤あたりからいきなり周囲の目が厳しくなって、しかも演技についてではなく普段の性格の部分で「もっとこうした方がいい」などと言われて、戸惑っていたのかな?真面目に周囲の意見を聞いて、応えよう、変えようと頑張っていたのかな?と思います。

柳楽さんと過ごして一緒の気質を感じたり、『せかほし』で素のキャラクターを受け入れてもらえたことで、「このままでもいいんだ」と思えたようにも感じました。

吹っ切れて良かった〜!楽しそうになって良かった!!!
そのままでいいんだよ。そのままがいいんだよ。





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この内容は以前「三浦春馬さんを語ろう。13年間の思い出とこれから」を書いた際、大幅に削った私の記憶と思い出です。個人的な見解になりますこと、ご了承ください。

17歳から年齢別に綴っています。
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一部分の抜粋は誤解を招く表現もございます。
引用、転載の際は事前にご連絡いただけましたら幸いです。

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