見出し画像

Two 考察感想


「Two」とは


SnowMan3枚目アルバム「iDOME」に収録された、渡辺翔太と目黒蓮ユニット楽曲。悲恋を歌ったバラード曲であり、SnowManのメインボーカルにして切ない歌声の渡辺翔太と、ストレートボイスでファンを恋に落としてきた目黒蓮の魅力が詰まった、ドラマ仕立ての美しい楽曲である。
めでたいことにYouTubeで前編公開されたので、ぜひ視聴してほしい。


⚠️注意点⚠️

この考察は、いわゆる同性愛、BL要素を含みます。ただ、そこに渡辺翔太と目黒蓮個人の個人的な感情は一切含みません。
以上のことを留意の上、よろしくお願いいたします。

キャラクター


ふたりで歌うバラードなのに、一緒に歌っているパートが1箇所しかないという稀有な楽曲。歌っているパートに、歌詞に、意味があると思ってもいいだろう。ただでさえドラマ仕立てで、ユニット内で唯一ロケ地へ赴いているし、ふたりの中には目黒蓮と渡辺翔太とは違う、「この歌を歌うにふさわしいキャラクターがいる」と思っていいと思う。
ただこれを「目黒蓮は渡辺翔太が好きで……」という表現で表してしまうと、少しややこしいので、私はあえてキャラクターを違う名前で表記します。下記参照。

・レン(目黒蓮)


ショータが好き。ずっと好き。恋愛的な意味で好き。もう阿吽の呼吸レベル、熟年夫婦レベルで言いたいことが言わなくても伝わる、そんな親友のショータが、恋愛的な意味で好き。
でもそれを伝えたらショータが傷付き迷うことを知っているから、言わない。ショータの感情には気付いていない。ただ男2人でいるとからかわれることが増え、ショータが2人きりになることに躊躇し出したことには気付いている。ショータが女の子と付き合いだしたときは驚いたけど、それでも好きだよ、大好きだよ。叶うなら、誰もいない世界に奪い去りたいくらい。それは無理だと、わかっているけど。
 

・ショータ(渡辺翔太)


レンが好き。どういう「好き」かは、わからない。わからない、ように感情に蓋をしている。レンが恋愛的な意味で自分を好いていることには、とっくに気付いている。でもレンには幸せになってほしい。普通の世界で普通に笑って、今まで通り親友みたいに隣で笑い続けてほしい。
レンが自分より先に恋人をつくる姿を見送るほど強くない、臆病な子。女の子にモテるレンに焦り、世間体のためにも早々に女の子と付き合い出したが、すぐに自身の不誠実さに罪悪感を持つようになる。レンが幸せでいられるように、俺が周り(偏見)から守ってやらないと。守るから、幸せになって、俺とずっと親友でいて。
 

ざっくりとしたあらすじ


レンとショータは親友だが、レンはショータに対し、恋愛感情も抱いている。でも男ふたりでいるだけでからかわれる中、ショータはだんだんレンと距離を置かなきゃいけないと思うも、二人でいることに喜びを感じていた。
しかしこのままではいけないと、ショータが女の子と付き合い出す。最初はレンのため、普通だと誇示するためと割り切っていたが、彼女の純愛に触れることで罪悪感に駆られ、同時にようやくレンへの感情が恋愛感情だと気付く。だが既に、ショータと彼女の幸せそうな笑顔を見たレンは、静かに失恋していた。

舞台

1.白い部屋


ロケの合間に入る、瓦礫と木漏れ日だけの部屋。ふたりの視線は絡まらないように立っている。目黒くんは渡辺くんの背中を見ているけど、渡辺くんは背中を向けている。木漏れ日の花びらに手を伸ばすときも、あえて視線を外している?
この部屋は「願いや希望を省いた感情だけの部屋」、つまり「ショータが好きというレン」と「レンが好きだけど素直になれないショータ」のわかりやすい構図。途中ようやく向き合うけど、視線は絡まない=お互いの感情が成就することはない。

2.昼


ロケのひとつ。昼にいるのは渡辺くん(ショータ)だけ。目黒くん(レン)が昼にいるのは、ラストショータと交錯するシーンのみ(でもたぶんここは昼じゃなくて朝焼け)。ちなみに渡辺くん(ショータ)は夜にいることも多い。
これは「陽のあたる場所=みんなから肯定される(後ろめたいことがない)」という描写だと思う。ショータは異性愛者=普通の人間だと誇示しており、だから偏見の目に晒されたり無闇に否定されることはない、安心して生きられる世界で生きていることを示唆している。
でもショータは迷ってもいるから、夜にもいる。迷っているだけで、レンの想いに応えたり自分に正直になったりすることはないから、ふたりが夜の中で会うことも、白い部屋の中で視線を絡ませることもない。

3.夜


昼の対比。目黒くん(レン)はずっと夜にいて、ただ一途にショータを想って夜をさまよっている。レンが橋の下にいるのに対して、ショータは橋の上にいたり、逆にレンが橋の上に行ってもショータは別の場所にいたり、とにかく交わらない。夜で2人は会えない=“レンとショータが結ばれることは無い”という決定的なメタファー。
レンは“ショータを好きでいること”が“夜(誰からも肯定されない)”であったとしても覚悟を決めているから、夜の中でひとり歩くことにも躊躇がない。でも昼に行く(ショータのように女の子と付き合ってショータへの気持ちに蓋をする)ことはできない。そこまで器用じゃない。

キーワード

二人と2人


目黒くんも渡辺くんも、「歌詞に注目してほしい」と言っていた。その中でも、算用数字と漢数字の違いは、最たるものだろう。
算用数字は“不特定”、漢数字は“不動、特定的”と言われる。つまり「Two」に出てくる“2人”はショータと彼女(ショータと交際する女の子は誰でもいいから)で、“二人”はレンとショータ(レンにとって特定的なのはショータだけ)。
後半の「(目黒パート)重なることのない三つの心は」「(渡辺パート)いつかきっと2つと一つに分かれてゆく」は、「三つの心」は“レンから見たショータと彼女(レンは二人が相思相愛だと思っているから、漢数字=不動)”の重ならない心を表している。対して「2つと一つ」は、ショータから見た“レンと彼女(どこかの誰か、だから算用数字)”と“自分(ここで切り捨てられるのは自分だという確固たる自信)”という意味。
もっと自信を持て、ショータ。

花びら


白い部屋の木漏れ日から降ってきた花びらは、夜のふたりの上にも降ってくる。これが“2人の希望”=“一緒にいること”だと仮定すると、お互いが自分の感情に気付いた(ショータの感情の蓋が開いた)ことで、素直になれる白い部屋からは花びらが降ってきたけれど、2人ともその花びらを掴むことはできない。
ショータは掴もうとしても何も掴めない=“レンへの恋愛感情に気付いたところで、なにもできない”。レンは掴もうとすらしない=“終盤ではもうショータへの想いを全部思い出にしようとしている”。すれ違い……。
対して“光”は、わかりやすい恋愛感情だと思う。光が感情で、花びらは希望。ずっと光は漂っているけれど、花びらは掴めない。レンから見たショータは冒頭から光に包まれているし、逆にレンは途中から光を背負う描写が多い。


イントロ、夜にいるレンの目が映る。これをよく見ると、ショータが映っていて、そのショータはレンを真っ直ぐ見つめている。
反対に、「二人、見つめた」ショータの目には、“違う人を見ているレン”が映っている。
これはたぶんお互いの“理想”で、レンはショータに真っ直ぐ向き合ってほしいし、ショータはレンに他の女の子を好きになってほしい。そういう暗示だと思う。

シナリオ

イントロ


(MV)白い部屋に差し込む光。夜、立ち去ろうとして振り返るレン。ここでレンの目が映り、その中にこちらを見るショータが映っている。
白い部屋に差し込む光、からの夜の中で目を伏せるショータ。=夜の世界を見ようとしないショータ(自分の感情に蓋をしようとしている)。

1


🖤「どんな嬉しいことも 悲しい痛みも
分け合って歩いてきた僕ら 言葉さえいらなくて」
(MV)白い部屋の中で歌うレン。二人はバラバラの瓦礫の上に立っているけど、ここだけガラスの結晶のようなものが映る。=レンの心情?(ガラスのように柔い青春を一人に預けて、失恋したことを示唆している? )夜にひとり。ショータを想いながら微笑むように歌っている。
(歌詞考察)レンから見た、ショータとの思い出。親友として歩んできて、いろんなことがあったけど喜びも痛みも分け合ってきたよね、そんな時間を重ねたら、言葉もいらないくらいの距離になったよね。

💙「そっと気づかれないように 二人見つめた
瞳の先に同じ人がいること もう分かってた」
(MV)白い部屋で、レンに背を向けて別の瓦礫の上に立っている。「二人見つめた」で映るショータの目には、向こうを向いたレンの背中が映っている。目の周りの光具合からして昼=陽のあたる場所だから、“異性愛者として自分を見なくなったレン”を見ているショータ、というメタファー。
昼の世界でショータは空に浮かぶ月を見つめる。月=女の子?
月は下弦の月だから、“これから沈んでいく”=夜に向かっていく。“このまま(レンと女の子が付き合うのをただ見ているだけ)だと、夜の世界に引きずり込まれるよ(叶わない恋に身をやつすことになるよ)”という意味を感じ取ったショータ。
(歌詞考察)ここの歌詞が1番よくわからないんだけど、ここの“二人”はレンとショータを指していると思う。でもMVのショータの目に映るのは、自分を見ないレンの背中。“二人”は「そっと気づかれないように」見ちゃうくらい幸せだし、「同じ人」を見続けちゃう。ここから、ショータってめちゃくちゃ他人の目を気にする子なんだなとわかる。レンは「僕ら」と言っているのに対し、ショータ周りから見た自分たちを「二人」と言う。レンは「分け合って歩いてきた」と横並びなのに対し、ショータは「瞳の先に同じ人がいる」と、“レンを好きな誰か”を勝手に巻き込んで“みんなレンが好きだよね、レンは幸せになるべきだよね”となっている感じ。
そもそも、ショータはレンが自分を好きなことを知ってるから、一人ぼっちになることはないだろうに、そう感じちゃうくらいには自信がないというか、周りの目を気にしちゃうんだろうな。
ショータが見てきた‘’二人“は自分たちだけど、自分を見ない背を向けたレンがいることを自覚して、初めて“2人(レンと彼女)と一人(ショータ)に分かれる”のが怖くなったんだな、と推察する。

 
🖤「誰よりも知っていたはず」
💙「彼女と僕らつなぐ細い糸の意味を」
(MV)白い部屋で背中を向け合うふたり。ショータの声でレンの手に光が差し込み、夜にいるショータが光に包まれていく=レンの希望。
ここでショータは女の子と付き合うことになったんじゃないかな。周りの目を気にして、女の子と付き合わないといけないんじゃないかという強迫観念に駆られ、異性愛者の振りをするためにも付き合いだしたけど、付き合ううちに女の子の純愛に触れ、自分が蔑ろにしていたことに気付き、罪悪感に苛まれる。
と同時に、ショータはここで初めてはっきりと夜の世界に入るから、自分のレンへの感情に気付いたんだと思う。女の子と付き合うことで、自分の感情に向き合うようになり、自分のレンへの気持ちに気付いた。
同時にレンはそこで失恋を覚悟し、でもまだ好きだから夜の世界(レンとショータが付き合える世界)の中で光を背にするショータを見る=ショータと付き合えるという希望は捨て切れない。
(歌詞考察)レンからしたら「ショータにとってはそっちが赤い糸だったんだね(レンはショータが女の子に惚れていると思い込んでいる)」という意味だし、ショータからしたら「細い糸にすがらないと、俺たちはこれからも一緒にいるのは難しいんだよ」という意味。
ショータは彼女と絆を深め合ううちに、レンが好きだという気持ちが顔を出してきて、糸がどこにあるのかわからなくなってきた。感情に惹かれるがままのレンと、情を感じてきた彼女。でも陽のあたる場所で生きたい自分にとっては、後者の方が選ぶべき道だし、レンといることで散々からかわれてきた過去から、“彼女と繋がっている糸”が細くもとても大切だということを、ショータは身をもって知っている。
レンと親友としてでもいいからずっと一緒にいたいショータ、ショータと付き合いたいレン。すれ違い出す。
 

🖤「叶うならあの指を柔らかなあの声を
誰も知らない世界へ奪い去りたい」
(MV)白い部屋から、夜の橋の下で川を見つめるレン。川には反射した月が映っている。月が‘’彼女“のメタファーだとすると、空を見上げて‘’憧れる”ように見せたショータと、川に映る‘’残像“でしかないレンの対比だとも思える。レンは別に、異性愛者だの普通だのと誇示する気はないから。でもショータの憂いはなくしたいし、ショータが幸せを掴んだなら邪魔をしたくはない。
(歌詞考察)レンの本音。シンプルにただひとつの本音。世間体や偏見を気にする、臆病で誰よりも愛おしいショータを、そんなものが存在しない世界へ奪い去りたい。言葉は強いのに声は蕩けるように甘くて、切ない恋慕を感じる。

💙「叶わないこの胸の痛みを同じように
隠してる優しささえ わかってるのに」
(MV)白い部屋からの、夜の橋の上にいるショータ。
(歌詞考察)ショータはレンの想いに気付きながらも、“ショータのために”本音を言わないその“優しさ”に甘えてきた。自分のレンへの想いに気付いたショータは、全部隠そうとしてきたレンの優しさや痛みを理解しながらも、全部かなぐり捨てて素直になりたいと思ってしまっている。
 
このシーン、レンは橋の下に居て、ショータは橋の上にいる。同じ夜の世界にいても同じ場所にいることはない。=失恋したつもりのレン、やっと気持ちに気付いてどうしたらいいかわからないショータ。

2


―MVカットシーン―

🖤「帰り道のホームで不意に見つけた
笑う2人の横顔がまぶしくて ただ見つめてた」
2人=ショータと彼女。2人が一緒にいる姿を見つけたレン。陽のあたる場所で普通に生きる2人は眩しくて、ただ見つめることしかできなかった。
たぶんこのあたりで、レンはショータへの想いを完全に諦める。ショータが他の女の子と付き合ってもずっと好きだけど、その想いを抱えて親友でい続けられるほど器用じゃないよ。だってショータは俺じゃなくてその子が好きなんでしょ、みたいな。

💙「行き先のないこの想い
名前があるとしたらそれを愛と呼ぶの? 」
ホームで女の子といたとき、ショータはレンを見たんじゃないかな。その表情を見て(もしかしたら立ち去ったレンの背中を見て)、蓋をしていたショータの気持ちが溢れ出てくる。女の子と付き合っている自分を見るレンを見て、溢れそうになったこの想いをそれを“愛”と呼ぶのかもしれないけど、そう呼んでしまったらもう“陽のあたる場所”に戻っては来られないと、確信している。
自分勝手だけど、物事が動いて始めて自分の感情の揺らぎに気付いて行動を起こしたくなるの、渡辺翔太のキャラクター性に似ている。もっと言えば進藤将暉に似ている。
 

🖤「想うほど愛しくて 願うほど悲しくて
重なることのない三つの心は」
三つ=自分とショータとショータの彼女。ショータの彼女はきっと一途にショータのことが好きで、レンもショータのことが一途に好きで付き合いたくて。レンは“ショータは女の子が好きだ”と思い込んでいるから“ショータの幸せを願うなら離れなきゃなぁ”と、ショータと女の子の姿を見て理解する。三人の想いが重ならないのは火を見るより明らかだから。‘’2人(ショータと彼女)“から、‘’三つ”という漢数字になったのは、幸せそうな2人を見て、‘’愛し合っているんだ、もう不動なんだ“と失恋したから。
ただ今日も、レンはショータに対して痛いほどの愛しさを感じている。

💙「いつかきっと2つと一つに分かれていく
その背中 見送るほど強くなくて」
ショータにとっての“2つ”は、レンといつかできる彼女。でも一つになるのは絶対自分。
レンに幸せになってほしいけど、レンが女の子と付き合っている姿を自分ひとりで見送れるほど強くないよ。そう思って女の子と付き合ったのに、そのせいで自分の気持ちに気付いちゃって、どっちにしろ俺って一つじゃん、レンに見捨てられる側じゃん、ってなっていそう。
 
―MVカットシーン以上―
 
💙「当たり前に描いていた 共にいるはずの未来が」
(MV)ショータが白い部屋で光に手を伸ばすが、レンは夜にいる。=感情に気付いてアクションを起こそうとするが、夜にいるレンには中々会いに行けないショータ。
(歌詞考察)ショータの感情が溢れ、もう親友としてすら一緒にいられないことに気付く。そんな未来は存在しないんだと、理解する。レンに‘’彼女と幸せにね“的なことを言われたんかな。感情に気付き、伝えたいと思ったときにはもう既にレンは恋を思い出にしようとしていた。長年の付き合いでレンが覚悟を決めたらテコでも動かないタイプだと知っているから、想いに気付いた途端失恋したことになる。進藤将暉じゃん……。

🖤「いつの間にか形を変えていく
その想い どうか届きますように」
(MV)白い部屋で、ようやく向き合ったふたりの間から花びらがあふれる=お互いが自分の恋愛感情を認めた。
(歌詞考察) “ずっと親友でいたいね”っていう未来予想図はもう形を変えちゃったんだよ。恋人になれないなら、もう一緒にはいられないよ。それくらい本気だよ、っていうレンの気持ちが、届きますように(届いてるよ……)。
 

💙「叶うならあの指を 柔らかなあの声を
誰も知らない世界へ 奪い去りたい」
(MV)橋の上じゃない夜、花びらに気付くように目をあげるレン(ショータの歌声=本音? )に気付いた描写? ショータは橋でもない場所で手を握るも、なにも掴めない。=レンのことが好きだけど、俺が今この感情を認めてレンのもとへ行ったってレンはもう応えてくれないだろうし、なによりも彼女を蔑ろにすることになる、だからなにもできない、という誠実さ。
(歌詞考察)ようやくサビを歌うメインボーカル渡辺翔太。そりゃあ俺だってお前と一緒にいたいよ……! というショータの悲痛な叫びが切なく響く。ようやく素直になれたけど、もう覚悟の決まったレンは振り向いてくれないし、彼女との糸(縁)も確かなものになった。もう戻れないところに来て、ようやく素直になっちゃったショータ。

🖤「叶わないこの胸の 痛みを抱き締めてく
それだけが僕にできる」
(MV)夜の橋の上のレン。ようやくショータがいた橋の上に来たけど、もうショータはいない。=ようやくショータの気持ちに気付いたけど、ショータはもう覚悟を決めた。
(歌詞考察)レンはたぶん、最後の最後でショータも自分を好きだったことに気付く。でも陽のあたる場所で生きたいショータの気持ちを知っているから、今更行動を起こしはしない。ただ幸せになってね、という気持ちで“自分だけが失恋して、ショータを忘れるまでずっと1人で夜の世界を歩くね”というメッセージ。告白してショータと彼女の関係を壊すこともしないけど、ずっと友人のふりをして痛みをなかったことにできるほど、簡単な恋じゃないよ。
レンは自分の失恋を、思い出の箱に閉じ込めて、一人で夜を歩き傷付き続けるんだろうな。

🖤💙「優しさだから」
(MV)ビル群にあふれる花びら。=こんなふうに、形にならない恋慕はこの世界にたくさんあるんだろうな。
朝焼けの中、すれ違う二人。=お互いにもう前を向いて、お互いへの恋愛感情に振り返らないことに決めた。後には戻れない。ただ朝が来ればまた夜も来るので、二人はまた迷う(夜を羨む)のかもしれない。
(歌詞考察)ショータにとっては、レンを引き止めないことが優しさ。レンにとっては、ショータに想いを伝えないことが優しさ。“言わなくても伝わる”二人が決定的にすれ違った。でもそれがお互いにできる唯一の‘’優しさ“で、お互いの希望を活かす唯一の‘’道”なんだよな。
恋は実らなかったけど、形の違う優しさは確かに愛だったよ。

感想


やっと書けた~! いや、TikTokにはあげてたんですけど、やっぱりこういう考察感想文は文章にして書いた方が頭の中でも整理できますね。考えていくうちに、当時とはまた違う観点も生まれましたし。
例えば、算用数字と漢数字。漢数字の‘’不動、特定的“な意味にこだわっているのはむしろショータの方で、でも最後になってレンも「三つの心」と漢数字を使う。レンにとってはショータ以外の人は不特定(算用数字)で眼中に無かった(それほど盲目的に惚れていた)けど、実際にショータが彼女といる様を見て‘’ショータにとって大切なのはその人なんだね”と失恋した。
逆に冒頭のショータが歌う「二人」は、最初は自信がない故の‘’レンと彼女“なのかな、と思ったんだけど、ショータは後半で「2人と一つ」と主体的に自分を‘’一つ”と表しているから、ショータにとって‘’レンと彼女“は「2人(不特定)」だとわかる。だから冒頭の「二人」は消去法的にも‘’レンとショータ”で、じゃあなんでこんな言い方するのか、と考えると、‘’自信がなくて世間体をめちゃくちゃ気にするから、『俺たちが二人でいるのは絶対だけど、周りからしたらおかしいよね』という卑下に似た自己否定“なんじゃないかと思う。
 
結局、めめなべのふたりはどういう考えで「Two」を作ったのかはわからないし、いろんな考察があってどれも素敵だとは思うけど、個人的には‘’これ“だなと思いました。「ウソ婚」の話がどの段階で来たのかもわからないけれど、「Two」の世界観を目黒くんと作り上げたからこそ、渡辺くんはドラマ「ウソ婚」で進藤将暉というキャラクターをあそこまで好演できたんじゃないかな(知らない方ごめんなさい、ちょこちょこ出てきた‘’進藤将暉”は、「ウソ婚」というドラマで渡辺翔太が演じたキャラクターです。こちら最高のドラマなので、ぜひ)。
もしかしたら、恋愛ドラマを演じてきた目黒くんから、恋愛ドラマが久しぶりだった渡辺くんへのエールだったのかもしれない。そう思えてしまうほど、進藤将暉らしさを感じる楽曲だと思う。
そして同時に、こう見ると「本音と建前(「ウソ婚」の主題歌)」のアンサーソングにも近しいかもしれない。幾重にも纏った建前を愛で溶かして本音を吐露し、「全俺が愛だぜ」とまで言える「本音と建前」に対し、「Two」は最後まで本音を隠し、思い出の箱に閉じ込めてしまう。
「Two」、最初だけ大文字なのも‘’シンメトリーにしたかったから“なんだろうし、本当にこの物語の中の二人は表裏一体で一蓮托生だったんだと思う。それくらい仲良かったんだと思う。
言葉にしなくても伝わるほどの距離感にいながら、絶対言えない言葉がある。そう思わせてしまうような、素直で無垢な恋慕の口を塞ぐような‘’呪い”がこの世には蔓延ってしまっている。ショータが周りの目を気にせず、素直にレンの感情を受け入れられたら。レンがショータの気持ちを気にしすぎず、周りにどう思われようと踏み切れられれば。たらればは尽きないけれど、結局二人は後悔を思い出の箱に押し込んで生きていくんだろうなぁと思うようなラストでした。
ゲイが隠れ蓑にするために女性をパートナーに選ぶっていうのはある種不誠実な考え方でもあるけど、「Two」はしっかり誠実に向き合い、だからこそショータは自分の感情に気付いても行動を起こさなかったし、レンもショータの幸せを願った。落としどころとしては、適切なんじゃないかと思うけど、それでもやるせなさは残る。だからこそ、性の垣根なんか法律で取っ払ってほしいよね。
「考察感想」という域からは少し逸脱した意見になるけれど、こうやって考察した上での素直な感想は、「結婚の自由をすべての人に」かもしれない。法律で反対されているものに対する感情に、素直になれなくて蓋をしてきた青少年はたくさんいると思うよ。
 
再三言うけれど、渡辺翔太と目黒蓮が意図した世界とは違うかもしれない。でも「俺たちの中で答えはある」と言いながらも、決してそれを形にせず、二人の絆という大切な箱に閉じ込めためめなべは、とんでもなく尊いと思う。そして、恋を諦めたように歌う二人の表情を見ると、どうしようもない切なさに胸をかきむしられる。
 
なんかしんみりする終わり方でごめんね。ストレートボイスでド直球に恋慕を貫いてくる目黒蓮と、切なく自分の感情から逃げるように歌う渡辺翔太の対比が、どこまでも美しい楽曲です。




全人類、聴いてくれ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?